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学部・大学院

外科学

 関西医科大学外科学講座は、初代教授 青柳安誠(あおやぎやすまさ)によって昭和7年に開講され、慈仁心鏡(じじしんきょう)の理念の下良医を輩出し、現在同門会員は300名を数えます。大学3病院(附属病院、総合医療センター、香里病院)では、消化管外科、肝胆膵外科、小児外科、乳腺外科の4つの診療科を有し、診療、研究、そして教育に取り組んでいます。

 消化管外科、肝胆膵外科、乳腺外科では癌に対する臨床研究が中心ですが、根治性の高い外科治療を目指して、集学的治療の開発に取り組んでいます。臨床研究は自施設だけでなく、多施設とも共同で行い、われわれが代表を担う多施設共同研究や先進医療として承認された研究もあります。また、腫瘍免疫、遺伝子検査、ウイルス療法などの次世代型医療の開発を目的とした基礎研究にも積極的に取り組んでいます。

 また、全ての診療科において、臓器機能の温存や高い整容性を目指した外科治療の開発を行っています。消化管外科、肝胆膵外科、小児外科では低侵襲内視鏡手術の研究に取り組み、乳腺外科では乳房の温存や再建に力を注いでいます。

次世代型外科治療の開発を目指して

 私たちの外科学講座は昭和7年に初代教授 青柳安誠によって開講され、現在、消化管外科、肝胆膵外科、小児外科、乳腺外科の4つの診療科で基礎研究と臨床研究に取り組んでいます。
 消化管外科、肝胆膵外科、乳腺外科では癌に対する臨床研究が中心ですが、根治性の高い外科治療を目指して、集学的治療の開発に取り組んでいます。臨床研究は自施設だけでなく、多施設とも共同で行い、われわれが代表を担う多施設共同研究や先進医療として承認された研究もあります。また、腫瘍免疫、遺伝子検査、ウイルス療法などの次世代型医療の開発を目的とした基礎研究にも積極的に取り組んでいます。
 また、全ての診療科において、臓器機能の温存や高い整容性を目指した外科治療の開発を行っています。消化管外科、肝胆膵外科、小児外科では低侵襲内視鏡手術の研究に取り組み、乳腺外科では乳房の温存や再建に力を注いでいます。

現在の研究テーマ

現在の研究テーマ

乳がん免疫微小環境の解析

 がん細胞は、自身の免疫原性を変化させることやがん微小環境において免疫寛容を誘導することで、生存・増殖しています。乳がんは免疫原性のある腫瘍であり、腫瘍免疫を活性化することによって、免疫系によるがん細胞の排除を誘導できる可能性があります。私たちは、乳がん微小環境における免疫応答の動態を明らかにし、これを効率的に活性化する治療法の開発に取り組んでいます。

遺伝性乳がん診療プログラムの確立

 全がんの5-10%が、遺伝に伴って発症するといわれ、とくに、BRCA1 およびBRCA2という2種類の遺伝子に変異のある場合には高率に乳がんや卵巣がんが発症することが知られています。この遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC: HereditaryBreast and Ovarian Cancer Syndrome)の患者さんおよびその家族に対しては遺伝カウンセリングを通して、希望者にはこの遺伝子検査を行い、変異陽性患者に対しては適切な治療やその家族に対してサーベイランスを行う必要があります。本学附属病院はBRCA遺伝子検査機関であり、BRCA1/2変異陽性者に有用とされるMRI検診や、リスク低減卵管卵巣摘出術(riskreducing salpingo-oophorectomy:RRSO)やリスク低減乳房切除術(risk reducing mastectomy: RRM)など本疾患に対する一連の診療プログラムの確立に取り組んでいます。

排便機能障害に対する仙骨神経刺激療法の作用機序の解明

 現在本邦では約500万人の便失禁患者がいると推測されています。2017年に「慢性便秘症の診療ガイドライン」が発刊され仙骨神経刺激療法が重要な治療法として記載されました。この治療法の特徴は症状が改善するかどうかを一時的な刺激装置で約2週間刺激し、治療開始前に試すことができる点にあります。効果が認められたときのみ永久的な刺激装置を腰背部の皮下に植え込みます。実際には刺激用のリードが仙骨孔からS3の近傍に植え込まれます。手術の効果については約70%以上の患者さんに症状の改善がみられ、欧米では約40%に症状の完全消失が認められています。本邦においては2014年にこの治療法が保険収載されるまでに本学を含めた5施設において治験が行われ、欧米と同様の効果を認めています。しかし、治療効果の明らかなエビデンスがあるにもかかわらず、その作用機序については殆ど解明されていません。今後私たちは肛門内圧の上昇、直腸肛門感覚の改善、大腸の蠕動への影響などを仮説として研究を進めていく予定です。

局所進行直腸癌に対する周術期化学療法の有効性および安全性の検討

 総合医療センター大腸グループが大腸癌治療のなかでも特にこだわりを持っているのが、下部進行直腸癌に対する集学的治療です。下部直腸癌は他部位の大腸癌に比べ、局所再発、全身遠隔転移(特に肺転移)再発が多いのが特徴ですので、診断がつき次第、術前化学療法を導入することにより、直腸原発巣のみならず微細な遠隔転移制御が早期に達成され、長期治療成績(予後)の向上がもたらされると考えています。治療スケジュールは、術前に3か月全身化学療法を施行し、その後腹腔鏡下直腸手術(全直腸間膜切除および両側側方リンパ節郭清術)を施行。そして術後再度3か月化学療法を行います。現在、術前化学療法の安全性や有効性を証明するため、臨床研究を企画し、遂行中です(総合医療センター自主研究:局所進行大腸癌に対する周術期化学療法に関する有効性および安全性の検討~第II相臨床試験~UMIN000024323))。

膵切除術の標準化と術後合併症の低減・胆膵癌の治療成績改善のための集学的治療法の開発・高難度手術の教育制度の確立・腹腔鏡下胆膵手術の導入

 増加の一途をたどる胆膵疾患の手術件数は全国においても有数の施設であり、2004年度より術後合併症低減・標準化・高難度手術教育プログラムを導入し、一定の業績をあげてきました。さらに難治癌である胆膵癌に対して集学的治療を導入し、その患者数は年々増加。成績も改善しており、高難度手術を積極的に施行するとともに低侵襲手術の導入を行っています。消化器内科・化学療法科・放射線科・緩和ケア科と連携し、薬剤部・栄養管理部・感染管理部と協力関係を構築し、安心・安全で効率的な医療を展開しています。現在、学会主導プロジェクト研究、膵癌診療ガイドライン作成、JCOG肝胆膵グループの一員として手術や胆膵癌治療に関する数多くの臨床試験を遂行しています。特に膵癌腹膜転移治療が2017年度に先進医療に承認され、臨床試験責任施設として本邦30施設との多施設共同試験を行っています。European Pancreas Club、米国、韓国、台湾、中国の膵臓グループと国際的臨床試験の実施や協力関係を構築し、活動範囲を世界的に拡大しています。今後数多くの胆膵領域のエビデンスが創成されることが期待されます。

安全確実な肝臓手術手技の実践と術後ペインフリーを中心とした包括的周術期管理の取り組み

安全確実な肝臓手術手技の実践
術中出血量の低減のためラジオ波エネルギーデバイスの開発、術後胆汁漏抑止のためのICG蛍光法を用いた検出法を開発しています。また、医工連携によるComputer AssistedSurgery( CAS)システムを用いた手術シミュレーションシステム、高速度ステレオビジョンシステムによる肝切除ナビゲーションシステムの開発を行っています。更に関西肝臓外科育成の会を立ち上げ、高度技能専門医の育成を行っています。
包括的周術期管理
科学的に検証された周術期管理方法を集学的に実施する術後回復強化(Enhanced Recovery After Surgery : ERAS)プロトコールを導入しその有効性を報告しています。また術後ペインフリーへの一環として知覚痛覚定量分析装置による客観的な痛み評価法を用い、術後予防的NSAIDs投与の定量化された除痛効果を確認。術後のサルコペニア予防の取り組みとして肝がん手術症例に対する運動療法を導入し、併設の健康科学センターにて専属トレーナーによる個別運動プログラムを周術期に行い、術後も継続できるよう指導しています。近年、高齢者の外科治療も増加傾向にあるため、年齢だけでなく総合機能評価でスクリーニングを行い安全な高齢者外科治療に取り組んでいます。
切除不能進行肝細胞癌に対する取り組み
分子標的薬を積極的に導入し、肝動注化学療法との併用療法の安全性と有効性を報告(臨床試験)。切除可能となり長期予後が得られた症例も経験しており、集学治療による予後改善を目指しています(conversion surgery)。

1.直腸腫瘍に対する腹腔鏡下低位前方切除術後の経肛門ドレーン留置と水溶性造影剤注腸検査による縫合不全の予防及び治療に関する前向き第I相試験

:本研究により直腸低位前方切除術が一時的人工肛門(DS)無く安全に管理可能となり、縫合不全検出画像診断法が確立されました。最終的にDSを要する症例は23.9%→7.0%まで減少し閉鎖率は100%です。現在は一般診療として様々な応用をしています。Int J Colorectal Dis. 2020 Nov;35(11):2055-2064.

2. 中下部直腸癌摘出標本を用いた、MRI画像診断と病理所見の比較試験(CAMPaS RC Trial)

: 本研究は大腸癌研究会project研究として発展しました。直腸癌の術前MRI診断精度を改善させ、術前化学放射線療法による治療後の効果判定の精度を改善させ、括約筋温存術の可能性を広げ、手術不要の症例 をwatch and waitとして判定する基礎研究になると期待されています。

3.腹会陰式直腸切断術、周辺臓器合併切除を要する術式研究

: 根治と機能温存を両立させるため、trans anal TMEや、伏臥位会陰アプローチなどを柔軟に組み合わせた応用術式を報告しています。(臨床外科75巻5号 552-560,2020. Colorectal Dis. 2021 Jun;23(6):1579-1583)

4. 蛍光尿管catheter(NIRC)を用いたimage navigation surgery

: 尿道に近接する進行直腸癌根治術、再発骨盤内腫瘍に対する安全な機能温存術と拡大手術の可能性について検討し報告しています。(Dis Colon Rectum. 2021 in press, Dis Colon Rectum. 2021 Mar 1;64(3): e54.)

CRP遺伝子多型と食道癌リンパ節転移に関する多施設共同後ろ向き観察研究

食道癌は早期の段階からリンパ節転移を起こしやすく、悪性度の高い癌とされています。しかし、食道癌のリンパ節転移には患者さん自身の生体反応によって大きな個人差があることが分かってきました。この個人差(遺伝子多型)による食道癌リンパ節転移診断を行う研究を行っております。現在、秋田大学医学部付属病院を中心として、国立研究開発法人日本医療研究開発機構より委託を受け、全国の食道癌の主要施設とともに観察研究を行っております。当院もその主要施設として参加しております。
今後、食道癌における新たな手術術式の開発や手術を回避できる患者さんの選別などにつながる大規模な試験になります。

高度進行食道癌に対する集学的治療法の開発

食道癌は気管や大動脈といった重要臓器に浸潤を認めることが多く、切除不能として緩和的治療を行われ、日本の多くの施設では「手術はできないので、根治は諦めてください。」と言われてしまうことが多いのが現状です。こういった高度に進行した食道癌に対して、近年有効性が示されてきている化学療法(DCF療法1, 2, 3)や化学放射線療法を組み合わせることで手術が可能になることが多くなってきました。現在、これら化学療法や化学放射線療法の有効性を検討した臨床試験(T4食道癌に対する導入DCF療法vs FP-RT療法:JRCTs051180164)を行っております4。
また、これら集学的治療を行った後も癌が気管や大血管への浸潤が消えていない場合にでも、手術で大血管や気管を合併切除することで根治できる場合もあります。当院では積極的にこのような患者さんに対して根治を目指した手術を行ってきております5, 6
1: Yamasaki M, et al. Oncology 2011
2: Yamasaki M, et al. Annals of Oncology 2017
3: Sugimura K, Yamasaki M, et al. Annals of Gastroenterological Surgery 2020
4: Sugimura K, Yamasaki M, et al. Annals of Surgery 2021
5: Yamasaki M, et al. Disease of Esophagus 2020
6: Yamasaki M, et al. Esophagus 2021

胃癌診療の質と治療成績の向上を目的とした多施設共同臨床研究

胃癌患者さんに元気な体に戻っていただくために、胃癌診療の質と治療成績の向上を目指しています。そのために薬物療法と外科手術を組み合わせた集学的治療の開発や術後後遺症に対する治療方法の開発を多施設共同臨床研究で行っています。また、手術できないほど進行した胃癌患者さんや再発した胃癌患者さんに対しても、免疫チェックポイント阻害薬などの新規化学療法薬剤の開発を関西医科大学附属病院がんセンターと一緒に多国籍多施設共同臨床研究で行っています。

肥満・糖尿病に対する減量・代謝改善手術の開発

食生活の欧米化や社会的ストレスの増加に伴い日本でも肥満割合は増加傾向にあります。そして、肥満による糖尿病も増加傾向です。日本ではあまり知られていませんが、肥満や糖尿病に対する手術があります。腹腔鏡下スリーブ状胃切除やスリーブバイパス術などの減量・代謝改善手術です。関西医科大学附属病院は日本肥満症治療学会の肥満症外科手術認定施設になっており、安全かつ効果的な減量・代謝改善手術を実施するとともに、多施設共同研究でより有効な減量・代謝改善手術を開発するための研究を行っています。

手術シミュレーション方法の開発

関西医科大学には医科大学でもトップクラスの345㎡という広い空間に、100種類以上の機器を保有するシミュレーションセンターがあります。腹腔鏡手術などの高度な技術を必要とする手術のトレーニングを行うとともに、より効果的なシミュレーション・トレーニング方法の開発も行っています。また、医学生に実際に近い手術手技を体験してもらうことで、スーパードクターと呼ばれるような外科医を目指す医学生が増えることも期待しています。

先天性疾患に対する新たな治療の開発

小児外科グループは
1.iPS細胞利用横紋筋シートを用いた先天性横隔膜ヘルニアに対する再生医療の確立
2.マウスヒルシュスプルング病モデルを用いた分子学的な病態解明の探求
3.トリ臍帯ヘルニアモデルを用いた分子学的な病態解明の探求
に取り組んでいます。

連絡先

〒573-1010 枚方市新町二丁目5番1号
関西医科大学 外科学講座
電話 教授室 072-804-2759
研究室 072-804-2576(ダイヤルイン)
FAX 072-804-2063

関連

医学部 外科学講座
大学院医学研究科 医科学専攻 外科学、肝臓外科学、胆膵外科学、乳腺外科学

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