看護学部の学び

学部長メッセージ

関西医科大学 看護学部長・研究科長予定者 片田 範子

身に付けてほしいのは、
時代や地域を越えて通用する
「看護の力」。

関西医科大学 看護学部長・看護学研究科長予定者 片田 範子

「人」を看、「生活」を看る。看護の新しい歴史がここから始まる。

いま、看護の現場は医療機関から地域へと広がっています。みなさんの周りにも在宅で療養されたり、病気を抱えながら仕事や育児をされたりしている方がいるのではないでしょうか。病院以外の施設や在宅でケアやサポートを必要とする人たちが大勢いらっしゃいます。また、健康な人であっても健康の維持・増進の支援を求めています。
医療や看護に求められるものも変わりつつあります。退院されてから、生活の場では病院と同じ治療を行うことは困難です。各々の人には生活の価値観があり、それぞれの生き方があります。時には仕事や育児、家族や友人との交わりなどが重要と思われる場面もあるでしょう。理想や正しさの押しつけではなく、本人やご家族が納得できる生活を送ることが必要です。
こうした状況に対応して、近年医療の分野でも「人」の学、「生活」の学の必要性が注目されるようになってきました。看護学の役割がより重要になってきたのです。90年の伝統を持つ私たち関西医科大学が、看護学科ではなく、医学部と並び立つ形で「看護学部」の設立を決断したのは、これからの時代を動かしていく医療人には、医学と看護学の両輪が必須であり、この2つが互いに協力し、補い合うことが何よりも重要だと考えたからです。
大げさかもしれませんが、私は、本学看護学部の設立は、看護の新しい可能性を開く大きな一歩だと思います。

人と生活に触れることから始まる伝統と地域性を活かした教育体系。

それでは、「人」や「生活」を看る力を併せ持った看護力を身に付けるにはどうしたらよいでしょう。答えは生活の場にあると私たちは考えています。どうすれば、その人が望む健康な生活を続けることができるのか、たとえ病を持ちながらも健康を保ち、充実した人生を送ることができるのか。課題を解きほぐす視点やヒントは、患者さんが最終的に帰っていく場所にこそあるはずだからです。
そのため、看護学部では教室で学ぶ「講義」や、知識や技術を体で覚える「演習」に加え、医療の現場や生活の中で患者さんと触れ合いつつ学びを深める独自の「実習」を用意しています。附属病院をはじめ総合医療センター、香里病院、天満橋総合クリニック、関医訪問看護ステーション・香里など、さまざまな附属医療機関での実習を行うのみならず、地域の多数の介護・福祉関連施設で実習し経験を積むことは、卒業後、職場に入るための貴重な準備となりますし、早い時期からいろいろな地域の「人」や「生活」を知ることは、多様な背景を考えるよい機会となるでしょう。そして、身近な体験を通して看護の課題が実感としてつかめれば、ばらばらだった講義、演習、実習がつながり、知識や技術がそれぞれの場所に収まってどんどん吸収できるようになるでしょう。
4年後には、日本はもちろん世界中どこに行っても、何をしたらよいか、どう考えたらいいのか、自分なりのアプローチの仕方が身に付くはずです。

自分の中にある感じる力、看護の力を信じて、まず動いてみる。

看護師は体一つあればできる仕事です。自分自身が道具なのです。例えば災害時、避難所に行きます。最初は薬も医療器具も何もありません。けれども、この人、顔色が悪いなと思ったら触診し、足が冷たいなと感じたら、じゃあどうやって温めようか。さすってあげればいいのか、毛布を探してくればいいのか。という具合に自分がそこに行けば、何とかできるのです。
患者相手に向き合うときに大事なのが、まず自分が心を開いて相手の表情や体の声に耳を傾けることです。実習で病室に入っていくときのことを想像してみてください。あるいは、赤ちゃんを入浴させる場面でもいい。あなたが緊張し、怖がっていたらどうですか?必ず患者さんや赤ちゃんに伝わります。逆に、あなたが落ち着いて、一緒に治療やリハビリをしよう、抱っこして一体感を得ようと思っていたらどうでしょう。自分の心を見つめ、人として、生活者の目線で関係を紡ぐことができれば、知識や技術を活かすチャンスはぐんと広がります。 自分の手や自分の存在が患者さんを癒やすことなど信じられないかもしれません。迷ってもいい。時には怠けたってかまわない。しかし、自分に向き合い、看護の力を信じてとにかく前に進むこと。経験を積むうちに、きっと心が通う瞬間がやってくる。そのときあなたは、はっきりと自分の中の看護の力に気付くでしょう。
看護に関心があるみなさん。自分の力を信じて、まずは目の前の一歩を踏み出してみてください。
みなさんのチャレンジをお待ちしています。

学びの特色

関西医科大学の教育・医療機関を生かした充実の環境で、地域に学び、実践力を鍛える教育を展開します。

  1. 「人」、「生活」に着目した看護を学ぶ実践的なカリキュラム

    医療・看護の現場で求められるのは、生活に根ざした看護を実践する力。そのため人々の生命・健康・生活を統合した専門知識と技術を備えた実践的な「看護力」を養うカリキュラムを編成しています。コミュニケーション能力と幅広い教養、高い倫理観・人間愛を育む基礎科目や、看護学の基盤となる概論や技術を学ぶ専門基礎科目、さらに「自己と人」や「人の生活と社会とのつながり」を理解し、論理的思考力や問題解決力を養う専門科目を通じて、知識・理論と実践を結びつけながら学びます。講義だけでなく、演習や実習など学生が主体的に学ぶ環境を整備。4年次には統合科目や課題探究型の学びを用意し、それまで培った知識と技術を統合し、看護職として社会に貢献できる柔軟な想像力と行動力、実践力を養います。

  2. 地域の人々との交流を通して、「生活を看る」、「人を看る」看護職を育成。

    医療現場では、病の背後にある人の生活を理解し、それぞれの健康レベルに応じた看護ニーズに応えることが求められます。そのため1年次から地域の実情を把握する科目や外来診療での実習など、患者の「生活」までを視野に入れた学びを展開。疾病だけでなく「人」を理解できる看護学を身につけます。また4年間を通じて学ぶ「生活看護論実習」では、地域でのフィールドワークを組み入れ、実践の場で必要とされる看護の役割を学びます。生活の場で、多様な価値観や生活習慣疾病、また出産・加齢などのライフサイクルの変化に関わる医療や看護を体験し、実感を得ながら「生活の視点」を持ったコミュニティの看護職として成長していきます。

  3. 充実したシミュレーション教育環境で高度な看護技術を習得

    新設する看護学部棟はもちろん、隣接する医学部学舎、さらに附属病院などの充実した医療施設・設備を活用できるのが、本学ならではの特徴です。医学部学舎のシミュレーションセンターに加え、看護学部学舎内に外来治療・緊急場面といった臨床現場を再現できる統合看護実習室(シュミレーションルーム:4部屋)を整備。実習に備えて実践的なトレーニングを受けたり、実習で見つけた課題を復習・反復することで、実践に即して主体的に看護知識や技術を自分のものにすることができます。また隣接する附属病院や高度救命救急センターの循環器集中治療室、手術室など集中治療部門でも実習を行い、高度医療に対応できる技術も身につけます。

  4. 医学部合同授業、教員・スタッフや大学院生との交流で早期キャリアデザインが可能

    医学部を有する関西医科大学に新設する看護学部としての強みを最大限に生かした教育を展開します。その一つが、医学部生との合同授業や合同カンファレンスなどです。合同授業を通じて医学部と看護学部の学生が早い段階から共通の基盤を育むことで、互いを尊重する心や広い視野などチーム医療など医療現場で求められる力が養われます。互いの専門性を理解し、刺激し合うことで看護職としての自覚や責任感が芽生え、看護の専門性を深化させることにもつながります。また看護学部と大学院の学生が同じ学舎に集い、実習施設・図書館・シミュレーションセンターなどで交流する環境を整備。大学院学生の姿を通して高度職業人としての看護職や看護学の教育者、研究者といったキャリア像を具体的に描くことが、キャリアデザインにつながります。さらにクラス担任制とチューター制を組み合わせ、1学年に2名のクラス担任と複数のチューター教員を配置。教員・職員がきめ細やかに指導・助言し、キャリア形成をサポートする体制を整えています。

  5. 主要駅から学舎、附属病院群、豊富な学外教育実習施設への良好な交通アクセス

    本学は附属病院、総合医療センターといった地域中核病院から地域密着病院・クリニック、健診センター、訪問看護ステーションなどの附属医療機関で特色ある医療を地域に提供しています。こうした多彩な医療機関での実習を通じて、高度先進医療、急性期医療から慢性期医療にわたる病状の変化、退院後の在宅看護など、将来看護に携わる上で必要とされる多様な医療現場を経験し、幅広いニーズに応える力を身につけます。また附属病院には禁煙外来をはじめさまざまな特殊外来があり、生活習慣病や健康管理などの予防医学についても学ぶことができます。主な実習先である附属病院は看護学部に隣接しており、附属病院、地域のコミュニティ、老人保健施設といった他の実習施設も概ねキャンパスから1時間以内で移動が可能。好アクセスで充実した実習を受けることができます。

    • 附属病院
      附属病院
    • 総合医療センター
      総合医療センター
    • 香里病院
      香里病院
    • 天満橋総合クリニック
      天満橋総合クリニック

実習施設

病院

関西医科大学附属病院

関西医科大学総合医療センター

関西医科大学香里病院

関西医科大学天満橋総合クリニック

高齢者施設等

介護老人保健施設なごみの里

介護付有料老人ホームぽぷら

介護付有料老人ホームローズライフくずは

ひらかた聖徳園特別養護老人ホーム

地域包括支援センター等

寝屋川市地域包括支援センター

枚方市包括支援センター

枚方市包括支援センター東香会

障害者相談支援センター

枚方市社会福祉協議会

訪問看護ステーション等

関西医科大学香里病院
関医訪問看護ステーション・香里

アロー訪問看護ステーション

上山病院訪問看護ステーション

ひらかた聖徳園訪問看護ステーション

訪問看護ステーションすこやか

訪問看護ステーションみなみ

訪問看護ステーションゆーなす

牧訪問看護ステーション守口

悠久訪問看護ステーション

保健所等

函館市総合保健センター市立函館保健所

秋田市保健所

高知県安芸福祉保健所

高知県健康政策部

中芸広域連合保健福祉課

岡山県美作保健所勝英支所

岡山県英田郡西粟倉村保健福祉課

大阪府下保健所

京都工場保健会

株式会社クボタ 枚方製造所

富士通株式会社 健康推進本部
関西健康推進センター

株式会社小松製作所 大阪工場

日本精線株式会社 枚方工場

パナソニック健康保険組合

※1年次から2年次までの学習を基に、日本各地で実習を行います。
実習先の地域の生活や住民の健康、保健教育などを広く学びます。

助産師コース実習施設

※助産師コース履修者は以下の病院他で実習を行います。

関西医科大学附属病院

関西医科大学総合医療センター

大阪府済生会野江病院

萱島生野病院

なりもとレディースホスピタル

神谷産婦人科医院

4年間の到達目標と主な科目

1学年
人々と生活・健康・生命の尊厳について学び、援助関係を構築する基礎的な能力を身につける。
2学年
健康課題の成り立ちと生活との関連について理解し、健康支援に向けた看護の方法を学ぶ。
3学年
あらゆる健康状態に応じた支援をするための看護の方法を身につける。
4学年
人の健康状態に応じ、その人がもつ力を発揮できるよう生活を調整する。
  • ■医療人ガイダンス1学年

    医学の歴史と現状及び今後の課題、医の倫理、さらに本学の歴史、建学の精神や地域特性について学び、医療者としての役割・責務について理解する。学生が、入学早期から医学部との合同講義を通して互いの専門性を理解するとともに、看護学を学ぶ動機付けとする。

  • ■生活者について学ぶ1学年

    地域・集団・コミュニティで暮らす人々の理解を深め、看護職が人々の健康と生活に向けて果たす役割について理解する。まず、生活者として自分自身の暮らしぶりを見つめなおす。生まれ育った土地や環境、現在の住環境、食生活の変化と健康状態の関係等々のセルフアセスメントから始める。次に、友人や親戚等々の周りの人々を観察することで、暮らし全般についてアセスメントを進める。それらを通して、人々がよりよく生きていくために必要な看護の機能と役割について考察を深める。

  • ■人体のしくみ1学年

    人体のしくみにおいては、人体を構成する細胞、組織、各臓器の形態・構造について学び、健康の回復や保持増進に向けた支援を理解する素地を身につける。そのため、機能形態学を基本とし、循環器系、消化器系、呼吸器系など各系統における医療に実践に必要な解剖学を学ぶ。

  • ■生活機能学2学年

    本科目は、生活の観点から人々の健康状態を分析的に判断し、対象者に適した看護の必要性を導き出すための知識、技術、態度を習得することを目的とする。そのため、人々が成長発達していく中で直面する加齢や疾病などの影響による生活機能の低下を、人体の構造と機能・病態・治療と結び付けて理解し、ケアを見出す基礎的能力を身につける。

  • ■地域生活援助論実習Ⅰ2学年

    さまざまな地域の特色を理解したうえで、人々のヘルスニーズに応じた保健医療福祉活動の特性を理解する。地域看護の実践機関における保健師の活動内容、役割について理解する。

  • ■地域生活援助論実習Ⅱ3学年

    地域生活援助論実習Ⅰで学んだ知識・技術を活用し、さまざまな地域の特色を理解したうえで、人々のヘルスニーズに応じた保健医療福祉活動の特性の理解を深め、実践に結びつける。実習の場として、地域包括支援センターにおける高齢者の状況および、産業保健分野の活動について学び、保健機関との連携について考察する。

  • ■グローバルヘルスと国際看護4学年

    人々が暮らす地球のあらゆる環境の中で生じている健康問題について学び、看護が貢献できることは何かを理解する。人々が暮らすコミュニティにおける医療・福祉・保健行政の特徴、社会と人々の暮らしや文化が、どのように影響しているか理解する。さらに、国内外における文化の多様性を理解・尊重し、背景の異なる人々の健康や生活を人々の視点で支援するための方法を学ぶ。

  • ■卒前インターンシップ4学年

    学生が進もうとする看護の場において、実際に就職した際のリアリティショックを最小限にし、自己の課題に向き合いながら社会人としての準備状況を整える。これまで学んだ知識・技術を統合し、専門職業人として求められる実践力を養う。また、キャリア継続に向け必要な課題を明確にし、今後も主体的・継続的に学び続ける態度を身につける。

  • ■生活看護論実習Ⅰ~Ⅳ1~4学年

    Ⅰでは地域のケアシステム、社会資源について理解し、病院・施設における看護と地域看護の継続性と医療機関・保健福祉機関の連携の重要性を理解する。Ⅱでは地域で生活する人々への個別支援(健康相談、家庭訪問)について学び、援助技術を習得する。Ⅲでは集団支援、健康教育について演習・活動を通して学び、その技術を習得する。Ⅳでは地域診断について「コミュニティアズパートナーモデル」を用いて学ぶ。

医学部との合同カンファレンス(チームパフォーマンスゼミ)

看護学部と医学部の臨床実習が同時進行する病棟等での合同カンファレンス(チームパフォーマンスゼミ)を通し、看護学部生、医学部生がそれぞれの視点でどのように受け持った患者を理解し、実習しているのかをディスカッションし、看護の専門性の深化を目指すとともに、相互理解の下でお互いを尊重する広い視野を持った人材の育成が可能となる。

取得できる受験資格

看護師国家試験受験資格(全員)

看護師になるには、所定の学科を修め、看護師国家試験に合格する必要があります。看護師には人間を幅広く理解する能力や根拠に基づき計画的に看護を実践する能力、他職種と連携・協働していく能力などが求められるため、免許を取得する前の教育では、これらの能力を培うための教育が行われます。看護・医療の基本的な技術を学ぶだけでなく、思考力や洞察力、コミュニケーション能力などを身につけることが大切です。

保健師国家試験受験資格(全員)

保健師になるには、所定の学科を修め、保健師国家試験に合格する必要があります。あわせて、看護師国家試験に合格している必要があります。

助産師国家試験受験資格(選択制)

助産師になるには、所定の学科を修め、助産師国家試験に合格する必要があります。あわせて、看護師国家試験に合格している必要があります。

※指定された科目の単位を取得することが必要です。

卒業後の進路

卒業生は、保健・医療・福祉・教育などの幅広い現場で
活躍が期待されます。

働くフィールドは、病院や診療所、訪問看護ステーション、介護施設ににとどまらず、教育研究機関や保健所、一般企業などさまざまな機関、組織に広がっています。また、さらに高度な専門知識や実践力の修得をめざし大学院へ進学し、高度実践看護師、看護管理者、教育研究者にキャリアを発展させることができます。

関西医科大学 看護学部、病院・診療所、訪問看護ステーション、介護老人保健施設、保健所・保健センター、福祉施設、教育研究機関、起業家・企業、大学院進学
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