乾癬センター

乾癬は全身の皮膚に境界明瞭な紅斑局面が多発して慢性に経過する炎症性疾患です。近年、皮膚症状のみならず、関節炎やぶどう膜炎、心血管病変、糖・脂質代謝異常、うつ病などを合併することから全身の炎症性疾患としても病態が見直されています。乾癬患者さんの生活の質(QOL)は数ある疾患のなかでも著しく障害されていることから、発症初期からの治療と生活指導が重要となります。

当センターでは、「皮膚科、リウマチ・膠原病科、循環器科、眼科、消化器科、糖尿病科、放射線科、精神科、臨床検査科、栄養管理科などの多診療科・多業種が協力して患者さんの全身状態を把握するために」診療にあたります。乾癬に付随する症状を診ることのできるエキスパートが常に連絡の取れる体制をとっており、複雑化しつつある乾癬治療のなかから患者さんの症状や生活環境に応じた適切な治療や支援に取り組んでまいります。




 

ご挨拶


2020(令和2)年11月に乾癬センターを開設しました。これまでの乾癬診療は、皮膚症状は皮膚科で、関節症状はリウマチ・膠原病科や整形外科で、眼病変は眼科で行われていました。乾癬患者さんに関する様々な統計学的調査から、肥満などの生活習慣病や心・脳血管病変の罹患率が乾癬患者さんで優位に高いことが近年報告され、今まで見逃されていた症状が乾癬もしくは乾癬体質のある患者さんに生じやすいのではないかと考えられるようになり、現在では皮膚症状以外にも合併している症状がないかといった視点を持って、早期から全身を診療出来る体制作りが求められています。
 
当センターでは全身くまなく診察し、質の高い治療を効率的に提供する部門として構成されました。乾癬と診断され治療に難渋している患者さん、また、皮膚症状はまだ認められていないが乾癬に合併する症状があり、乾癬との関連が疑われる患者さんなどに積極的に受診していただければと考えています。 

センター長 谷崎 英昭

 
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乾癬センターの特徴



リウマチ膠原病科・皮膚科が受け入れの入り口となり、合併症が疑われる当該科への迅速な連携を行います。特に循環器内科とは1回/月合同で受診患者さんについて情報共有を行い、血管障害が疑われる症例には画像検査や負荷検査を実施して血管障害の評価・治療を行います。
関節リウマチとは診断できず、関節症状が先行し皮膚病変が見られない症例は皮膚科が、皮膚病変が存在するが関節症状を有しない症例はリウマチ膠原病科が定期的に観察を行い、それぞれ症状が出現した際に検査を行い診断を確定します。
乾癬患者さんの具体的な食事内容や生活習慣を具体的に聴取し、栄養科の指導の下体質改善・運動プログラムなどを提案します。
ご紹介頂いた開業医・市中病院の先生方にはWeb面談を行うことによって、受診していただいた患者さんの治療方針や今後の逆紹介などについて連携をとってまいります。





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乾癬と病態が似ている疾患とその治療について



乾癬と病態が似ていると考えられている掌蹠膿疱症や化膿性汗腺炎(慢性膿皮症)に関しても当センターで各科と協力した診療体制を整えています。
掌蹠膿疱症は慢性的に手のひら足の裏に膿疱・炎症・角化が生じる難治性の疾患です。扁桃腺炎や歯科金属のトラブル、歯周病、喫煙が発症・悪化要因となっているため耳鼻咽喉科、歯科口腔外科と共同で診察を行います。原因検索のための金属パッチテストも施行します。
また掌蹠膿疱症は胸肋鎖関節を代表とした各関節に炎症を来すことも多く、その際はリウマチ膠原病科と情報共有を行います。
化膿性汗腺炎は臀部、陰部、腋窩などに発生する慢性・炎症性・再発性・消耗性の皮膚毛包性疾患で患者さんのQOLを低下させる疾患です。形成外科とも情報共有を行いながら生物学的製剤による治療や手術による根治術を積極的に行っています。
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