概要

 当センターは北河内地域における骨粗鬆症診療地域連携の強化を目的に2021年1月に開設されました。
   当地域における未治療の骨粗鬆症患者さんを少しでも減らすため、地域の先生方からの骨密度検査依頼の紹介を受け、当センターで骨粗鬆症の検査・診断・治療方針の検討を行い、そして地域の先生方へ逆紹介するという流れを極力円滑に動かすことを第一の目的としております。そして地域の先生方におかかりの患者さんが骨折などでお困りになった際に速やかに対応することもまた使命としております。
   当センターは医師、看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士、事務職員など多職種で構成されており互いに連携しながら各々の専門分野で骨粗鬆症診療に関与し、当センターの管理及び運営を行っています。 

ページの先頭へ

閉じる

ごあいさつ

 骨粗鬆症は骨折やそれによる寝たきりにも繋がる深刻な疾患であるにもかかわらず、患者さん自身の自覚症状が乏しいことなどから、治療されていないことがあります(中には診断を受けているにもかかわらず未治療となっている患者さんもおられます)。当センターは北河内地域においてこのような患者さんを減らすことを目的に開設されました。
   地域の先生方におかれましては、骨粗鬆症の検査設備がない場合は当院で骨密度検査のうえ治療方針を検討(治療薬の導入)のうえ改めて逆紹介させて頂きますので、当センターをご利用頂けましたら幸いです。また、骨密度検査が院内で実施できる先生方におかれましてはかかりつけ患者さんが骨折などアクシデントでお困りの場合にご利用頂けましたら幸いです。
   患者さんにおかれましては、例えば市民検診で骨密度の低下を指摘された場合や、以前骨折の治療を受けたにもかかわらずその後も骨粗鬆症の治療を受けておられない場合は、検査や治療が必要となる可能性がありますので、まずかかりつけの先生にご相談頂けますようよろしくお願いします。
 

関西医科大学香里病院
骨粗鬆症センター長
上田祐輔

診療科紹介動画

閉じる

ページの先頭へ

特色・方針

 地域の先生方からの骨密度検査依頼の紹介に基づき当院にて骨密度検査(腰椎及び大腿骨近位部DEXA)を行わせて頂きます。必要に応じて単純レントゲン検査、及び血液検査による骨代謝マーカーの測定なども併施させて頂きます。(表1)検査結果については日本骨粗鬆症学会認定医の診察時に説明させて頂き、必要な患者さんには治療を開始させて頂きます。治療は薬物治療が中心になりますので、基本的にはかかりつけの先生に委ねさせて頂き当院へは年に1回または2回の定期健診に来院して頂きます。
   また、当センターは前述のように多職種で管理・運営しておりますので、たとえばお薬のことや生活のことなどでお困りのことがあれば場合によっては前述のような各医療スタッフからアドバイスなどさせて頂きます。
   実際に骨折などのアクシデントが生じた場合も当院整形外科には日本整形外科学会専門医が3名所属しており、整形外科的治療(手術を含む)を担当させて頂きます。

閉じる

ページの先頭へ

お知らせ

患者のみなさまへ

骨粗鬆症について
   WHO(世界保健機関)では「骨粗鬆症は、低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし、骨の脆弱性が増大し、骨折の危険性が増大する疾患である」と定義しています。「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」では我が国の骨粗鬆症患者数は1300万人にのぼると推測されるとしていますが、これらの患者さんがすべて検査を受け、適切に治療がなされているわけではありません。上述のように「骨粗鬆症」はあくまでも「疾患」であり、単純に通常の「老化過程」としてのみ位置付け得るものではなく、またその「疾患」の進行により深刻な合併症を生ずるに至ります。即ち、骨粗鬆症による骨折(脆弱性骨折)です。

脆弱性骨折について
   骨粗鬆症により骨強度が低下した患者さんでは「立った姿勢からの転倒、またはそれ以下の衝撃」で骨折が生じます。特に「大腿骨近位部骨折」「上腕骨近位部骨折」「橈骨遠位端骨折」「椎体骨折」は主要骨粗鬆症性骨折とされ、骨粗鬆症の患者さんに特徴的な骨折とされています(図1)
これらの骨折において特に「大腿骨近位部骨折」及び「椎体骨折」はその後の歩行能力や日常生活動作能力を著しく低下させる可能性があり、実際に平成28年度国民生活基礎調査でも「骨折・転倒」が介護度の悪化に大きく影響を及ぼしていることが示されています(表2)。従って、健康寿命を延伸させるためには適切な骨粗鬆症の評価・治療を行い、骨密度を強化し、少しでもこれらの骨折のリスクを低減させる必要があります。また、一度このような骨折を生じた場合の再骨折リスクは、骨折の既往のない方と比較して4倍にもなると言われており、特に重点的に骨粗鬆症治療がおこなわれる必要があります。

骨粗鬆症の診断、治療の導入と継続
   骨粗鬆症の診断に至るきっかけは大きく分けて三通りあります。(1)市民検診や各種イベントで異常を指摘されて医療機関で検査を受けて診断に至る場合、(2)前述のような骨折を生じ診断に至る場合、(3)後述するような骨粗鬆症を伴う内科的合併症の治療過程で検査を受けて診断に至る場合が挙げられます。検査は苦痛を伴うものではありませんし、検査結果の解釈も難解なものではなく、従って治療の導入にあたってのハードルは決して高くありません。しかし、一方で骨粗鬆症治療の継続率の向上が重要な課題となっています。
   骨粗鬆症治療の抱える問題点として、骨粗鬆症は実際には骨折などのアクシデントが発生しない限り患者 さんの自覚症状に乏しく、また糖尿病や高血圧のような治療効果を明瞭にそして鋭敏に反映する指標が無いため、患者さん自身の治療継続に対する意欲の維持が困難であることが挙げられます。

当センターの役割
   当センターでは地域のかかりつけ医の先生と協力し骨粗鬆症治療が必要な方には検査のうえ骨粗鬆症認定医が評価し適切な治療方針を提案させて頂きます。病院としての使命を果たすため地域のかかりつけ医の先生方と役割を分担させて頂き、当センターは年に1-2回程度の定期検査及び診察を担当し、この結果を地域のかかりつけ医の先生と共有させて頂き、地域のかかりつけ医の先生にお薬を処方して頂きます。
   まずは、かかりつけ医の先生にご相談下さい(寝屋川市医師会かかりつけ医推進事業URL)。
また転倒などにより足や腰が痛くて動けなくなった場合は整形外科的な治療が必要となることもあります。痛みが強くかかりつけ医の先生を受診する余裕がない場合は、直接当センターまたは当院整形外科へ連絡頂いても結構です。

ロコモティブシンドローム
   ロコモティブシンドローム(以下ロコモ)とは「運動器の障害によって起立、移動(歩行)機能の低下をきたした状態であり、進行すると介護が必要となるリスクが高くなる」とされています。ロコモを構成する疾患の一部を以下に示します(表3)
   中高年以降変形性関節症が生ずると膝や股関節の痛みのため歩行障害となり家の中でもつまづいたり、転倒したりします。骨粗鬆症の患者さんの場合前述のように軽微な衝撃で骨折に至り、腰椎や大腿骨の骨折により適切な治療を行っても受傷前より歩行能力が低下し、介護度が悪化することもあります。このようなロコモの悪循環を断つために最終到達点である骨粗鬆症による脆弱性骨折の治療のみではなく、変形性関節症の治療も重要となります(図2)
・「近所のスーパーに買い物に行くのも痛くてツラい」
・「キッチンに数分立ってご飯の支度をするのも痛くてツラい」
・「階段を下るとき痛くて後ろ向きに下りている」
   このような症状があればレントゲン検査を受ける必要があります。骨密度検査と併せて行わせて頂くのでお申し出下さい。病状により適切な治療方針を提案させて頂きます。

寝屋川市骨密度検診で骨粗鬆症の疑いを指摘された方へ
   寝屋川市では特定検診の際に「骨密度検診」をオプションで受けることができます(URL)。この検査で骨粗鬆症の疑いが指摘された方は医療機関での精密検査が必要になります。まずはかかりつけの先生とご相談頂きかかりつけの先生より当院への紹介状を作成してもらって下さい。紹介状が無くても検査させて頂くことは可能ですが、この場合はカルテを作成し検査予約を取るために当院2階「総合受付」へ一度直接来院頂かねばなりません(かかりつけの先生を通して頂ければFAXで予約が取れます)。いずれにしても結果はかかりつけの先生と共有させて頂き、「継続治療」はかかりつけの先生にお願いさせて頂きます。

寝屋川市かかりつけ医推進事業URL
寝屋川市かかりつけ医マップURL

#枚方市、門真市などその他の自治体の検診で骨粗鬆症の疑いを指摘された方も同様に検査などさせて頂きますのでかかりつけの先生とご相談下さい。

医療関係のみなさんへ

骨粗鬆症連携
   手術業務や術後患者さんの管理業務など病院で担うべき業務と、外来診察での骨粗鬆症患者さんの「継続治療」業務の分担を推進することで、更に多くの患者さんにおいて骨粗鬆症の診断及び治療の導入に当センターが関わることが可能となり、結果的により一層地域医療へ貢献できるのではないかと考えます。我々の活動が地域のかかりつけ医の先生方における骨粗鬆症の「継続治療」のきっかけになり、多くの患者さんが「継続治療」を受け、骨を頑丈にして、骨折を予防し、健康寿命を延伸できるのではないかと考えます。
   また骨粗鬆症の患者さんにとっても、もし骨折などのアクシデントにより病院へかからねばならなくなった場合に骨粗鬆症の定期検査で当センターに通院して頂いていればより気軽に来院頂けるのではないかと考えます。そして、かかりつけ医の先生方にとっても、例えば患者さんが転倒して動けなくなったり、どうしてよいかわからない場合ご相談頂きやすいのではないかと考えます(図3-1)(図3-2)。

どのような方に骨粗鬆症のリスクがあるのか
   我が国で行われたROAD studyという研究によると60歳以上の女性における骨粗鬆症有病率は腰椎で13.6%そして大腿骨頸部で22.2%であり、70歳以上ではこれが各々29.6%及び42.9%となり、80歳以上では各々44.2%及び65.1%に上昇するとされています。即ち60歳以上の女性に高リスクであり、このリスクは年々上昇すると考えられます。
   また、「卵が先か、鶏が先か?」のような議論になりますが前述のような骨粗鬆症による脆弱性骨折の既往歴のある方は骨粗鬆症を生じているリスクは非常に高いです。特に「大腿骨近位部骨折」「椎体骨折」の既往歴のある方はそれのみで骨粗鬆症の診断に至りますので、これらに該当する方で骨粗鬆症の治療を何も受けておられない方は注意が必要です。
   以下に骨粗鬆症を伴いやすい疾患、及び薬剤を挙げます(表4)
   指定の診療情報提供書(URL)を記載の上、当院地域連携部へFAXで連絡下さい。検査日及び検査結果の説明日を決定し連絡させて頂きます。診療情報提供書の書式の如く貴施設の環境に合わせて検査を進めさせて頂き、治療方針も検討させて頂きますので積極的に当院と骨粗鬆症連携をさせて頂けましたら幸いです。

閉じる