大学全体 2017年6月20日
局所麻酔におけるリスク低減に道 廣田学長特命教授らの論文が英科学誌に掲載
附属生命医学研究所侵襲反応制御部門廣田喜一学長特命教授・岡本明久医員らの研究チームが、局所麻酔や神経ブロック麻酔の副作用として知られる神経障害の発生メカニズムを解明し、低酸素誘導性因子1(hypoxia-inducible factor 1、以下「HIF-1」)の活性化によりリスクを低減し得ることを著した論文が、英科学誌「Scientific Reports」(6/19 10:00グリニッジ標準時更新)に掲載されました。
今回の発見は、廣田学長特命教授が研究代表者を務め、島根大学医学部生命科学講座 竹永啓三准教授、京都大学放射線生物研究センターゲノム動態研究部門がん細胞生物学 原田浩教授、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構ライフサイエンス統合データベースセンター 坊農秀雅特任准教授らが共同で研究。
人為的にHIF-1を活性化させることで細胞のエネルギー産生におけるミトコンドリアへの依存度を低下させることができ、その結果局所麻酔薬によるミトコンドリアからの活性酸素の発生を抑制して細胞死を回避できることを示しました。
これらの成果は、周術期における投薬や処置によって局所麻酔時の神経障害リスク抑制が実現する可能性を示しており、手術だけでなくペインクリニックなどの疼痛管理においても安全性の高い施術の開発が期待されます。
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