病気の辞典 vol.012(2017/05/16)皮膚がん

皮膚科
教授 清原 隆宏

皮膚がん



概要

 一口に皮膚がんと言っても、代表的なものだけでも、メラノーマ、有棘細胞癌、基底細胞癌、乳房外パジェット病と4つも挙げられます。それぞれについて、簡単にご説明します。

・メラノーマ(悪性黒色腫)
いわゆる‘ほくろのがん’で、日本人では手掌足底や爪の周囲に好発します。‘ほくろ’(色素性母斑)と‘ほくろのがん’(メラノーマ)はともに黒いしみですが、ダーモスコピーという拡大鏡検査でほとんど区別することが出来ます。初期のメラノーマは切除するだけで治ります。進行したメラノーマは最近まで良い治療法がありませんでしたが、近年多くの免疫の薬が有効であることがわかってきました。これらの薬は当院も含めた限られた病院でしか使用することが出来ません。
・有棘細胞がん
皮膚の主な構成細胞である角化細胞のがんなので、厳密に言えば、本来の‘皮膚がん’です。角化細胞が長年紫外線を浴びることによりがんになるので、顔面や手背などの日光の当たりやすい部位に好発します。進行するとリンパ節や内臓に転移しますが、初期の有棘細胞癌である日光角化症などは塗り薬などでも治ります。
・基底細胞がん
最も多い皮膚がんで、鼻の周囲やまぶたなど顔面の中心付近に好発します。内臓に転移することは稀で、切除できればほぼ完治します。しかしながら、顔面の中心付近の手術は難しいため、形成外科と協力して治療させていただくことがあります。
・乳房外パジェット病
外陰部、肛門周囲、腋窩などに好発する皮膚がんで、それらの部位に存在するアポクリン汗腺という汗の管から発生するとされています。湿疹や‘いんきんたむし’(白癬)などに見た目が似ているため、内科や外科で誤診されて誤った治療をされていることがあります。
・その他の皮膚がん
‘毛穴や汗の管のがん’(皮膚付属器がん)、‘皮膚の奥のがん’(軟部肉腫)、‘血管のがん’(血管肉腫)など、さまざまなものがあります。



検査と治療

・ゼリーをつけて皮膚の表面を詳しく観察するダーモスコピー検査をします。
・皮膚を部分麻酔して、病変の一部を切り取り、顕微鏡で細胞を観察します。(皮膚生検による病理検査)
・CT、MRI、PET検査でがんの広がりや転移の状態を確認します。
・皮膚がんの種類、転移の程度などに応じて、外用薬、手術、放射線、内服や点滴による抗癌剤や免疫治療薬、などを適切に選択します。
 

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注:記載内容や医師情報は掲載時点のものです。 詳しくは担当診療科にご確認ください。


皮膚科 教授清原 隆宏(きよはら たかひろ)

清原 隆宏

専門分野:皮膚病理組織、皮膚がん、メラノーマ、乳房外パジェット病、リンフォーマ、ダーモスコピー

認定資格:日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本皮膚科学会認定皮膚悪性腫瘍指導専門医

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