RI内用療法の現状と将来

RI内用療法の現状と将来

放射線科・准教授宇都宮 啓太

 Radio-isotope(矧)内用療法とは放射線治療の一つでありますが、組織破壊性の強いRIを体内に投与し、何らかの生物学的機序により治療目的臓器あるいは腫瘍に集め、組織を内部から破壊することにより放射線治療をおこなうものです。一般にはβ線を放出する核種を用いますが、さらに破壊力の強いα線放出核種でも可能性です。治療効果はRlの体内動態が極めて重要となり、ターゲット部位へのRlの集積量または分布量と停留時間によって決まってきます。現在世界で行われているRl内用療法には下記のようなものが挙げられます。

①Rl自体の選択的集積特性を利用した治療としては、

a)Sr-89が悪性腫瘍の骨転移患者の痺痛緩和に、

b)I-131は甲状腺癌や甲状腺機能亢進症の治療に、

②標識体の物性と局所投与を利用した治療としては、

C)Y-90を用いたコロイドが肝臓癌あるいは大腸癌の肝転移の治療に、

d)Er-169、Y-90、Re-186らのコロイドが関節リウマチの滑膜切除と療病緩和治療に、

③標識体の特異的集積機序を利用した治療としては、

e)I-131MIBGは副腎の褐色細胞腫や小児の神経芽腫等の治療に

f)Y-90あるいはI-131標識抗体(イブリツモマブチウキセタン)(ゼヴァリン®・べクサール®)がB細胞非ホジキンリンパ腫およびマントル細胞リンパ腫の治療に、

それぞれ用いられています。とはいうものの他の医療領域と同様、欧米と比べれば日本では、まだまだ承認されていないのが現状です。現在日本で可能なのは、a)、b)、f)(保険適応あり)とe)(個人輸入)です。私たちの滝井病院でもこれらの治療を放射線科内用療法外来(火曜午後)で行っています。

 

  Rl内用療法の今後は、より正確なターゲティング技術の開発とより綿密な使用核種の選択により副作用のほとんどない治療法として近い将来確立されることと思われます。高感度・高分解能を有したガンマカメラによる分子イメージングとこの治療の組み合わせにより、個々の患者さんにあった用法・用量が決定され最適な治療効果がもたらされることになるでしょう。

相談先
関西医科大学付属滝井病院・放射線科受付
06-6993-9552 (直通)
担当医師
宇都宮 啓太

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