外科学
肝臓・移植分野
1)肝障害因子の1つである誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)の発現抑制を目的とした、漢方薬剤や食品による肝保護効果の解析。
2)肝臓手術後肝不全を回避するため、間葉系骨髄細胞を用いた障害肝、肝切除後や移植肝の肝再生促進効果の検討。
3)衛生学との共同研究では、末期肝不全患者救命のための幹細胞を用いた肝再生治療の基礎的研究。
4)肝癌におけるtransforming growth factor-βシグナル伝達と予後との関係の解析。
5)膵癌患者の免疫状態に合わせた治療戦略の開発。
6)肝胆膵癌における蛍光ナノ粒子を用いた免疫組織化学法による免疫チェックポイントの解析。
7)肝胆膵癌における癌関連遺伝子研究。
8) 難治性癌に対するPLGAナノ粒子内抗癌剤封入DDSによる新規治療法の開発。
9)肝内胆管癌の腫瘍位置別治療成績の多施設共同研究。
10)腹腔鏡下肝切除と開腹肝切除における術後癒着の比較研究。
11)胆汁を対象としたメタゲノム解析による胆道細菌叢解析。
12)トルバプタン投与による肝切除後胸水低減効果の検討。
13)術後癒着形成マウスモデルを用いた新規癒着予防材の開発。
14)肝細胞のIL-1βシグナルとHIF-1のクロストークによる酸素代謝変容と障害調節。
15)肝切除後胆汁漏に対する新たなドレナージ法の確立に向けて。
16)DAA内服にてSVRを達成したHCV患者における肝細胞癌発生要因の解析。
17)腹腔鏡下肝後区域切除に対する取り組みと安全性の検討。
18)既往手術による高度肝門部癒着症例に対する安全な肝切除法の検討。
19)高度脈管侵襲を伴う切除不能進行肝細胞癌に対する治療戦略。
20)BCLCステージB肝細胞癌に対する分子標的薬とTACEの併用効果の検討。
21)AHCCを用いた進行胆道癌患者に対する化学療法による副作用軽減効果の検討。
22)左側肝切除後の胃排泄遅延の発生予防についての検討。
胆膵分野
胆膵外科では、国内外の施設と多施設共同臨床研究ならびに病理学や消化器内科学講座と協同して基礎研究を行い、胆膵外科手術の工夫、手術成績、胆膵癌治療成績の改善を目標として多くの基礎ならびに臨床研究を継続しています。膵癌腹膜転移に対する集学的治療の確立、切除可能膵癌に対する集学的治療法の確立、集学的治療の有害事象や完遂率を改善するための機能性食品の有用性を検証する試験、膵管内乳頭嚢胞性腫瘍に対する膵切除後残膵病変を調査するための国際的多施設共同試験を行っています。胆膵癌病理標本を用いて、網羅的遺伝子解析による予後関連因子の同定、腸内細菌叢の網羅的遺伝子解析による化学療法の治療効果や手術治療成績への影響を検証する研究や難治膵癌に対する光免疫療法の導入にかかる基礎研究を行っています。
消化管分野
1)胃癌、大腸癌などにおけるiNOS誘導のシグナル伝達機構の解析とiNOS誘導抑制による発癌や進展の抑止を研究している。我々はiNOS遺伝子からmRNA安定化を促進するアンチセンス転写物が発現することを報告した。今後、癌の悪性度や予後との関連を検討し、癌治療に対する新薬の開発を目標としている。
2)胃癌、大腸癌などにおける血中癌遺伝子exoxome RNAの検出によるリンパ節転移、腹膜播種性転移のメカニズム解明。
3)発光プローブによる腫瘍性病変の術中迅速・定量病理診断法の開発など。
4)ラット炎症性腸疾患モデル、小腸虚血再灌流障害モデル等を用いた、障害腸管粘膜修復過程における分子生物学的メカニズムの解明。
5)病理学、医化学教室とも共同研究を行っており、後者とは術後疼痛管理における革新的な術後鎮痛法の基礎的、臨床的研究を行っている。また、高度肥満や糖尿病に対するスリーブ状胃切除、バイパス系手術の効果についても、動物モデルでの研究や臨床研究を予定している。
小児外科分野
1)iPS細胞利用横紋筋シートを用いた先天性横隔膜ヘルニアに対する再生医療の確立
2)マウスヒルシュスプルング病モデルを用いた分子学的な病態解明の探求
3)トリ臍帯ヘルニアモデルを用いた分子学的な病態解明の探求
乳腺外科分野
1)乳がんオルガノイドを用いた個別化治療モデルの開発
2)乳がんの薬剤耐性と免疫応答に関する研究
3)乳がん関連遺伝子に関する研究
現在の研究テーマ
研究業績