令和3年度関西医科大学附属病院 病院指標


当院ではDPCデータから全国統一の集計条件と形式に基づいた指標を作成し、厚生労働省のガイドラインに従って以下の7項目を公開しております。
なお、本指標の集計条件では、入院後24時間以内の死亡、生後1週間以内に死亡した新生児、臓器移植、労災、自賠責保険等の患者さんは集計対象外となります。
実際の診療患者数とは異なる場合がありますので、「診療科・部門一覧」の各診療科ページも合わせてご参照ください。
 

医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)




年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1,952 598 552 986 1,413 2,115 3,451 6,656 3,525 275














下記グラフの
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幅広い年齢層の患者さんが入院されております。60歳以上の患者さんの割合が多く64.61%を占めております。最も多い年齢層は70~79歳で30.93%を占めております。総合周産期母子医療センターを有する当院は小児医療も充実しており0~9歳の患者さんは9.07%を占めております。
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診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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■血液腫瘍内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
130010xx97x2xx 急性白血病 手術(輸血)あり 手術・処置等22あり 55 39.93 37.46 3.64% 60.84
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等24あり 36 13.58 10.66 0.00% 65.42
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等25あり 21 26.86 19.92 0.00% 61.48
130030xx97x50x 非ホジキンリンパ腫 手術(造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)、輸血等)あり 手術・処置等25あり 定義副傷病なし 20 29.75 31.17 0.00% 58.95
130030xx97x3xx 非ホジキンリンパ腫 手術(造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)、輸血等)あり 手術・処置等23あり 19 35.84 29.03 10.53% 61.05
血液腫瘍内科における入院治療が必要な代表的な疾患は、急性白血病と悪性リンパ腫です。急性白血病に対しては寛解導入療法、地固め療法と基本的に毎回の入院が必要であり、再発難治症例や、ハイリスク群では、同種造血幹細胞移植を含めた治療を行っています。また新規治療薬を採用し、幅広い年齢層に対して治療を行っています。悪性リンパ腫に対しても組織型に応じて抗体薬と化学療法を使用する標準的な治療を行い、再発難治症例では、自家造血幹細胞移植を行っています。
■呼吸器腫瘍内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 111 4.65 3.30 0.90% 72.32
040040xx9909xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等29あり 73 16.05 10.46 2.74% 69.73
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 48 13.58 13.12 35.42% 72.67
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし - - 18.42 - -
040040xx9905xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等25あり - - 19.34 - -
当科は原発性肺癌、縦隔腫瘍等の胸部腫瘍の診察を主に行っております。確定診断は気管支鏡検査、EBUS(超音波気管支鏡)検査、CTガイド下生検にて実施しております。 治療方針については、呼吸器外科、放射線科と相談して決定しております。当科は化学療法を中心に、近年、分子標的薬剤や免疫チェックポイント阻害剤が承認され、積極的に導入しております。 しかしながら、これらの治療には有害事象を伴うこともしばしばであり、中でも間質性肺炎は生命に危機を及ぼすものとして、最大限の治療を実施しております。また、緩和ケアにつきましても当院の緩和ケアチームと連携し、全人的医療を心がけております。
■循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし 259 4.96 4.79 0.00% 66.30
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 155 3.16 3.06 0.00% 70.05
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 154 4.19 4.36 0.00% 71.21
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術(ペースメーカー移植術等)あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 95 8.71 10.24 1.05% 78.07
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術(経皮的冠動脈形成術等)あり 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 90 13.14 11.87 5.56% 69.41
循環器内科で入院症例数が多いのは、①頻脈性不整脈に対する治療(経皮的カテーテル心筋焼灼術)のための入院、②狭心症に対する検査(冠動脈造影検査)のための入院、③狭心症に対する治療(経皮的冠動脈形成術)のための入院、④徐脈性不整脈に対する治療(ペースメーカー植込み)のための入院、⑤急性心筋梗塞に対する治療のための入院です。経皮的冠動脈形成術は狭心症だけでなく、心筋梗塞などの症例に対してもおこなわれます。昨年度に比べると頻脈性不整脈、徐脈性不整脈、急性心筋梗塞の症例数が増加しています。
■腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 76 8.04 10.39 1.32% 46.87
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2なし 28 20.32 20.43 0.00% 57.93
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 26 12.81 13.74 7.69% 67.88
110280xx02x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 シャント設置術等 手術・処置等21あり 11 28.64 34.08 45.45% 70.45
140550xx99x1xx 先天性嚢胞性腎疾患 手術なし 手術・処置等2あり - - 4.63 - -
(公表している診断群分類のうち、10件未満は全国平均在院日数以外を-(ハイフン)表示) 腎臓内科における入院診療は、急性・慢性腎不全、糸球体腎炎、ネフローゼ症候群が多くを占めます。腎不全に対しては原因を究明しつつ適切な管理を行います。また、血液透析や腹膜透析といった腎代替療法についても、患者様との協働意思決定により、個々人に応じた導入を目指しています。腎炎・ネフローゼに対しては、積極的に腎生検を施行し病理診断を行ったのち、ガイドラインやエビデンスに準拠した治療を提供しています。常染色体顕性(優性)多発性嚢胞腎に対しては、トルバプタンによる治療を適応のある患者様には積極的にすすめています。
■内分泌内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
100180xx990x0x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 35 4.14 6.66 0.00% 58.66
100180xx991xxx 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 14 3.00 4.01 0.00% 48.71
100202xxxxxxxx その他の副腎皮質機能低下症 - - 10.38 - -
100260xx9910xx 下垂体機能亢進症 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし - - 5.67 - -
100140xx99x00x 甲状腺機能亢進症 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - 10.39 - -
(公表している診断群分類のうち、10件未満は全国平均在院日数以外を-(ハイフン)表示)
内分泌内科では、下垂体、甲状腺、副甲状腺、および副腎疾患を担当しています。副腎疾患での入院が多く、副腎腫瘍について、機能評価を3泊4日で行います。また、原発性アルドステロン症は、二次性高血圧の中で最も多く、副腎のアルドステロン産生腺腫(片側病変)と特発性アルドステロン症(両側病変)に分類され、片側病変には手術を、両側病変には薬物療法を行います。治療方針決定のため、副腎静脈サンプリングを行っています。
■糖尿病科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり 133 13.60 14.41 2.26% 67.23
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2なし 23 10.48 11.15 0.00% 64.61
10008xxxxxx1xx その他の糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり 15 12.33 18.82 0.00% 70.00
10006xxxxxx1xx 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり 12 13.50 13.42 0.00% 57.75
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 10 15.00 13.25 10.00% 53.00
糖尿病科で入院症例数が多いのは2型糖尿病ですが、食事・運動療法だけで良好なコントロールが得られる患者さんから、インスリン強化療法をおこなう患者さん、インスリンポンプを使用する患者さん、多くの合併症を抱える患者さんなど、さまざまな重症度の糖尿病患者さんがこのなかに含まれます。その他の入院症例としては1型糖尿病患者さんや、妊娠中の糖尿病患者さんなどがあげられます。
■消化器肝臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 366 3.05 2.65 0.00% 69.01
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 内視鏡的胆道結石除去術、内視鏡的胆道ステント留置術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 308 10.70 9.21 2.27% 74.05
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 130 8.00 7.96 0.00% 74.26
06007xxx9910xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 109 5.06 4.37 2.75% 70.57
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術(血管塞栓術(選択的動脈化学塞栓術)等)あり 手術・処置等2なし 58 12.21 10.48 3.45% 75.84
消化器内科が扱う胃癌・大腸癌・肝臓癌は、悪性腫瘍の中でも患者数が多く、早期発見・診断が重要である。早期胃癌・大腸癌(腺腫・粘膜内癌)は粘膜切除術、粘膜下層剥離術による内視鏡治療の開発と進歩により外科手術を回避できるようになっている。肝細胞癌についても血管塞栓術(選択的動脈化学塞栓術)ほか集約的治療により予後の延長が可能となっている。膵癌は早期発見が重要であるが、ERCPや超音波内視鏡による生検検査により診断可能な症例が増えている。また胆管癌・膵癌による閉塞性黄疸に対しては内視鏡的ドレナージを行っている。胆石症による胆嚢炎、胆管炎は高齢者を中心に発症する急性腹症であるが、内視鏡的胆道ドレナージ術、内視鏡的結石除去術、乳頭切開術などの治療により入院期間短縮や患者さんのQOLを高めるのに役立っている。
■心療内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060130xx9900xx 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 40 14.75 7.74 0.00% 41.40
010300xxxxxxxx 睡眠障害 10 14.00 4.42 10.00% 45.90
050200xx99xxxx 循環器疾患(その他) 手術なし 10 12.50 7.10 0.00% 27.70
010290xxxxxxxx 自律神経系の障害 - - 5.61 - -
010240xxxxxxxx 片頭痛、頭痛症候群(その他) - - 5.72 - -
(公表している診断群分類のうち、10件未満は全国平均在院日数以外を-(ハイフン)表示)
当科に入院となる主な対象疾患には、「機能性消化管障害(機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群など)」などの消化器系疾患や、筋骨格系の痛み、頭痛、関節痛など慢性痛が挙げられます。自律神経機能異常が併発することがあり、当科では自律神経系の評価を行い、外来治療へと繋いでいます。
■脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 49 13.57 15.63 26.53% 73.69
010155xxxxx0xx 運動ニューロン疾患等 手術・処置等2なし 46 10.38 13.83 2.17% 68.33
010170xx99x10x 基底核等の変性疾患 手術なし 手術・処置等2あり 定義副傷病なし 22 6.91 17.07 0.00% 68.41
010070xx9910xx 脳血管障害 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 21 3.81 3.22 0.00% 68.81
010080xx99x0x1 脳脊髄の感染を伴う炎症 手術なし 手術・処置等2なし 15歳以上 18 15.06 16.74 16.67% 61.22
当科では脳卒中急性期診療に力を入れており、入院患者における脳梗塞の割合が多い。超急性期脳梗塞患者に対して、血栓溶解療法(t–PA治療)に加え、当科及び脳神経外科スタッフによる血栓回収療法も行っている。地域の神経疾患診療のコアセンターとして、筋萎縮性側索硬化症等の変性疾患や、中枢神経感染症の患者も多く入院している。多くの場合、平均在院日数は全国平均より短く、スムーズに検査、診断、治療、外来への移行及び転院が行えています。
■小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 223 4.47 6.13 4.04% 0.00
080270xxxx0xxx 食物アレルギー 手術・処置等1なし 194 1.88 2.35 0.00% 5.18
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2なし 77 5.87 11.01 0.00% 0.00
140010x299x2xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等22あり 39 21.36 28.14 0.00% 0.00
180030xxxxxx0x その他の感染症(真菌を除く。) 定義副傷病なし - - 10.47 - -
当院小児科は総合周産期母子医療センターの新生児部門を担当し、24時間体制で新生児救急医療業務に当たっているため、早産児、低出生体重児が多くなっています。また当院は大阪府アレルギー疾患医療拠点病院として経口免疫療法を始めとする食物アレルギーの専門的な検査・治療を行っているため、当科へは小児の食物アレルギー患者も数多く紹介頂いています。
■肝臓外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060050xx99040x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 155 6.11 8.84 0.65% 73.88
060060xx99030x 胆嚢、肝外胆管の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等23あり 定義副傷病なし 89 4.33 6.55 1.12% 73.52
060050xx02xxxx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝切除術 亜区域切除、1区域切除、部分切除(腹腔鏡下含む)等 79 15.23 14.93 2.53% 71.91
060060xx99031x 胆嚢、肝外胆管の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等23あり 定義副傷病あり 74 8.42 10.34 5.41% 75.03
060370xx9701xx 腹膜炎、腹腔内膿瘍(女性器臓器を除く。) 手術あり 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 48 27.42 36.50 10.42% 73.04
肝臓・胆道疾患に対しては、最新の診断法と患者に対してより低侵襲な治療法を実施しております。また周術期管理、特に術後疼痛管理に対してもそれぞれの患者に対してきめ細かい管理を実践しております。進行肝癌・胆道癌に対しては消化器内科、腫瘍内科、放射線科の医師チームカンファレンスを行い、疾患の評価・画像診断・肝機能の評価・治療法・化学療法の検討を行っています。近年増加している胆道癌に対する化学療法も数多く実施しております。症例数は全国トップクラスであり(全国3位以内。当院ホームページ「診療科・部門一覧」の「肝臓外科」概要欄参照)、クリニカルパスの適宜改変により在院日数は全国平均より短くなっております。当院は、日本肝胆膵外科学会の高度技術認定施設Aの基準を満たしていること、当診療科は高度技術指導医1名と高度技能専門医2名、消化器外科専門医5名、日本肝臓学会専門医2名が手術に専任しています。
■胆膵外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 168 5.71 7.11 1.19% 63.60
06007xxx010x0x 膵臓、脾臓の腫瘍 膵頭部腫瘍切除術、膵体尾部腫瘍切除術等 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 74 15.46 24.86 4.05% 69.49
06007xxx97x00x 膵臓、脾臓の腫瘍 その他の手術(試験開腹・切除術(腹腔鏡下含む)、ENBD、輸血等)あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 46 9.52 11.68 0.00% 67.02
06007xxx9900xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし - - 10.88 - -
060060xx020xxx 胆嚢、肝外胆管の悪性腫瘍 膵頭部腫瘍切除術等 手術・処置等1なし - - 31.06 - -
胆嚢良性疾患手術(主に胆石)は開腹移行率5.1%、その内、待機手術の開腹移行率は3.4%、緊急手術の場合17.4%で、初めから開腹する場合は3.3%で、術後平均在院日数は3日です。 National clinical databaseの膵頭十二指腸切除術8906例の平均在院日数は44.9日であり、当院における術後在院日数(約15.5日)は圧倒的に短期間です。他の疾患においても同様であり、胆膵悪性腫瘍手術後の在院日数は概して短くなっており、術後管理が標準化されていると思われます。
■消化管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術、結腸切除術 悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 103 13.49 15.76 3.88% 71.03
060020xx02xxxx 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術(腹腔鏡下含む)等 75 16.79 18.34 0.00% 71.87
060010xx01xx0x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術等 定義副傷病なし 66 21.59 31.30 7.58% 69.21
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 64 2.97 4.74 0.00% 74.25
060010xx99x41x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病あり 47 14.40 14.83 0.00% 66.43
令和3年度の消化管癌の手術症例は、初発食道がん手術症例 80例(da Vinci(ロボット手術)9例、胸(腹)腔鏡 61例、その他 10例) 再発食道がん手術 1例、食道良性疾患 5例。初発胃がん 122例(開腹手術 54例、腹腔鏡手術 68例) GIST(消化管間質腫瘍) 10例、肥満代謝手術 6例。初発大腸がん 213例(開腹術 26例、腹腔鏡下手術 187例)(直腸がん 70例、結腸がん 143例)、悪性リンパ腫 5例 GIST(消化管間質腫瘍) 8例、再発がん 14例(大腸がん 7例、婦人科がん 7例)腹腔鏡下手術 9例などです。クリニカルパスを用いて診療を行っています。食道癌、胃癌、直腸癌いずれも科学的に治療効果の高い術前療法を組み合わせ、根治術を最優先し、進行度に応じて胸腔鏡、腹腔鏡、ロボット手術による侵襲の少ない外科治療法を選択しています。再発症例や困難症例、他院での合併症にも積極的に対応しています。鼠径ヘルニアは局所麻酔下の前方アプローチを多用しています。
■小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 129 1.92 2.78 0.00% 2.84
060170xx02xxxx 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア 腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア手術、臍ヘルニア手術等 60 1.83 7.84 0.00% 1.78
140590xx97xxxx 停留精巣 手術あり 56 1.77 2.99 0.00% 2.07
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの(腹腔鏡下含む)等 47 4.83 5.40 0.00% 10.62
060150xx99xx0x 虫垂炎 手術なし 定義副傷病なし 33 5.55 7.31 0.00% 11.03
当科の入院手術のうち、およそ9割がDPC入院期間Ⅱに収まっています。令和3年度のDPC内訳をみますと、主要診断群の5症例のうち4症例が手術を目的とした入院となっており、外科系診療科として合併症の極めて少ない、安全かつ低侵襲な診療を提供できていると言えます。虫垂炎に関しましてはまずは保存的(点滴抗生剤投与による)治療後に、1~2か月の間隔を空けて、待機的に合併症の少ない安全な手術を、臍の傷のみ(Single-Port Surgery)で行っております。令和3年度は令和2年度に比してさらに年間手術症例数が増加しており、より多くの患児に、低侵襲鏡視下手術による質の高い医療を提供できました。
■乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術等 手術・処置等1なし 139 9.40 10.15 0.00% 61.22
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 111 4.81 5.88 0.00% 61.68
090020xx97xxxx 乳房の良性腫瘍 手術あり - - 4.10 - -
090010xx99x0xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2なし - - 9.61 - -
090010xx99x8xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等28あり - - 4.21 - -
(公表している診断群分類のうち、10件未満は全国平均在院日数以外を-(ハイフン)表示) 乳癌治療には手術、放射線による局所治療とホルモン薬、化学療法薬、分子標的薬、免疫療法による全身治療があります。 早期乳癌では、手術として乳房部分切除もしくは乳房切除を行い、腋窩にはセンチネルリンパ節生検または腋窩部郭清を行います。乳房部分切除後やリンパ節転移が多数あった場合には放射線治療を行います。進行再発乳癌では、主に薬剤による全身治療を行います。
■心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2なし 81 9.88 11.06 1.23% 77.69
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 四肢の血管拡張術等 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 39 2.21 5.32 0.00% 77.56
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) 弁置換術、弁形成術(胸腔鏡下含む)等 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 35 19.97 21.93 0.00% 68.91
050180xx97xxxx 静脈・リンパ管疾患 その他の手術(下肢静脈瘤血管内塞栓術等)あり 22 2.00 12.87 0.00% 68.18
050161xx97x1xx 解離性大動脈瘤 その他の手術(大動脈瘤切除術、オープン型ステントグラフト内挿術等)あり 手術・処置等21あり 21 34.52 29.08 38.10% 66.24
胸部大動脈瘤および腹部大動脈瘤では、人工血管置換術あるいはカテーテルによる血管内治療(ステントグラフト内挿術)を患者ごとに最適な治療法を選んで行なっている。閉塞性動脈疾患では、血管バイパス術あるいはカテーテルによる血管拡張術(PTA)を行なっている。弁膜症では、僧帽弁逆流症には弁形成術を、大動脈弁狭窄症には弁置換術を行なう。胸腔鏡下低侵襲心臓手術(MICS)も行なっている。ハイリスク患者には、カテーテルによる大動脈弁置換術(TAVI)も選択できる。下肢静脈瘤では血管内高周波焼灼術を主体とし、病型によっては静脈瘤抜去術を行う。急性大動脈解離では人工血管置換術を行い、必要に応じてオープンステントグラフト内挿術を加える。
■呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 手術(胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術等)あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 311 9.36 10.47 0.32% 71.41
040200xx01x00x 気胸 胸腔鏡下肺切除術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 25 9.00 9.86 4.00% 42.80
040040xx97x01x 肺の悪性腫瘍 手術(胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術等)あり 手術・処置等2なし 定義副傷病あり 19 20.68 17.32 5.26% 74.89
040010xx01x0xx 縦隔悪性腫瘍、縦隔・胸膜の悪性腫瘍 縦隔悪性腫瘍手術(胸腔鏡下含む)等 手術・処置等2なし - - 9.26 - -
040050xx97x0xx 胸壁腫瘍、胸膜腫瘍 その他の手術(胸腔鏡下試験切除術等)あり 手術・処置等2なし - - 12.44 - -
当科の治療対象疾患では肺の悪性腫瘍(原発も転移も含みます)が最多であり、当科では手術適応と判断された方への手術療法を担当しています。ほとんどの例では胸腔鏡手術で行っています。肺がんに次いで多いのが気胸です。原発性気胸・続発性気胸のいずれも再発が多いことが特徴であり、ガイドラインを参考にしながら保存的治療、あるいは手術療法を選択しています。手術例ではほとんどをやはり胸腔鏡手術で行っています。
■脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 44 2.14 2.99 0.00% 65.07
010010xx02x00x 脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 39 15.95 20.79 5.13% 50.69
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術(慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等)あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 39 11.54 9.78 30.77% 76.72
140080xx99x00x 脳、脊髄の先天異常 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 38 2.08 2.97 0.00% 0.16
010030xx03x0xx 未破裂脳動脈瘤 脳血管内手術 手術・処置等2なし 33 8.55 9.35 0.00% 64.70
①・⑤脳動脈瘤は破裂するとクモ膜下出血を引き起こしますが、未破裂の患者さんの場合には破裂予防に、破裂してすでにクモ膜下出血をおこした患者さんの場合には再破裂予防に、開頭クリッピング術あるいは脳血管内治療でコイルを瘤内に詰める治療を行っています。また、最近では、フローダイバータという専用のステントを留置することもあります。 ②脳腫瘍は頭蓋内で発育し、放置すると致命的になることがしばしばあるため、摘出することにより頭蓋内圧を減圧する必要がありますが、当科では、functional MRIなど種々の診断機器および覚醒下手術、術中モニタリング機器を駆使して、腫瘍摘出の際の患者さんの脳機能の温存に全力で取り組んでいます。③頭蓋内損傷は、交通事故、転倒などによる頭部外傷によって引き起こされ、重症例では脳実質の損傷や血管の損傷による頭蓋内出血を伴います。頭蓋内圧が高い場合には、脳ヘルニアを回避するため、外減圧術をおこないます。④キアリ奇形、二分脊椎、頭蓋縫合早期癒合症など、中枢神経系には数多くの先天異常が存在し、乳幼児、小児期に発症するものが多く、当院のような小児脳神経外科を専門とする医師がいる施設での診療が必要になります。
■整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
070343xx99x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術なし 手術・処置等21あり 429 2.86 2.68 0.23% 71.94
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術等 手術・処置等2なし 277 17.05 20.31 68.23% 72.13
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節置換術等 172 17.71 20.63 83.72% 68.19
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節置換術等 155 15.04 23.02 80.65% 75.22
070341xx99x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 頸部 手術なし 手術・処置等2あり 83 2.78 2.98 2.41% 67.73
当科では脊椎手術を多数行っております。脊椎手術前にはミエログラフィーを施行し、正確に病変部を治療することを心がけております。 このため年間のミエログラフィー件数は686件となっております。脊椎の年間手術件数は脊椎手術全体で650件、このうち頸椎が108件、胸腰椎が542件となっております。 最も侵襲度の高い固定術は462件でした。 この他、変形性股関節症に対して人工股関節手術(177件)、変形性膝関節症に対して人工膝関節手術(161件)を多く行っています。
■形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2なし 73 2.55 2.94 0.00% 72.05
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術等 手術・処置等1なし 34 3.47 4.01 0.00% 31.21
140140xxxxxxxx 口蓋・口唇先天性疾患 28 7.86 8.84 0.00% 9.25
080180xx99xxxx 母斑、母斑症 手術なし 27 3.30 4.17 0.00% 2.30
020320xx97xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術あり 20 2.90 3.11 0.00% 32.75
当科では体表に関わる生まれつきの変形やその後の変形、腫瘍、母斑(アザ)、外傷、瘢痕(キズアト)、ケロイド、潰瘍などに対して、顔や手、体のはたらきや形が改善するように、整容に配慮した手術や皮膚レーザー治療を進めています。特に保険診療ができる眼瞼下垂症、口唇裂・口蓋裂、良性・悪性の皮膚軟部腫瘍や母斑、顔面神経麻痺、キズ跡の治療を多く行っています。頭部・顎・顔面の骨格や形態改善、母斑治療、乳房再建、熱傷治療、顔面外傷(骨折を含む)、潰瘍治療では先進の治療を進めています。体表に関わるいかなることでもご相談ください。近年は、眼瞼下垂症は増加傾向で、口唇裂・口蓋裂治療は定常的に多くの治療を進めています。体表外科として、良性/悪性の皮膚腫瘍の治療も常時多くの紹介もいただき、根治性と整容性を目指した治療を進めています。
■皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2なし 36 3.89 7.68 0.00% 76.50
080005xx99x4xx 黒色腫 手術なし 手術・処置等24あり 24 4.63 4.12 0.00% 67.79
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 23 7.70 9.22 4.35% 71.65
080190xxxxxxxx 脱毛症 21 3.76 3.36 0.00% 38.29
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 18 8.83 13.07 0.00% 60.17
悪性腫瘍の集学的治療、各種生物学的製剤の導入、難治性疾患、検査入院、感染症や薬疹などの緊急入院等、基幹病院として対応すべき疾患を問わず今後も積極的に患者を受け入れていきます。
■腎泌尿器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 269 2.09 2.50 0.00% 69.89
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 164 6.71 7.02 0.61% 75.17
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術等 103 11.19 11.63 0.00% 68.77
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 96 6.48 5.56 1.04% 64.84
11001xxx01x0xx 腎腫瘍 腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの)、腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 58 9.72 10.63 0.00% 67.41
本院の腎泌尿器外科では、多くの疾患で、内視鏡手術、腹腔鏡手術、ロボット支援手術を行い、低侵襲で患者さんにやさしい治療を実施しています。筋層に浸潤していない膀胱癌は、経尿道的膀胱腫瘍切除術で治療しますが、光力学的診断用薬を併用することで診断および治療精度がさらに向上します。再発予防にはBCGの膀胱内注入を行います(DPCで細分化されるため、少なく見えますが(164例)、実際には250例程度の手術を行っています)。上部尿路癌にもツリウムレーザーとホルミウムヤグレーザーを併用した尿管鏡下腫瘍焼灼術で腎温存を目指しています。男性で最も多い癌となった前立腺癌に対しては、手術支援ロボット ダ・ビンチを用いた前立腺全摘除術を行っており、尿失禁からの回復などの治療成績が大きく向上しました。前立腺がんの診断にも力を入れており、血清PSAが高値で前立腺癌が疑われる患者さんに対して、前立腺針生検を1泊2日で行っています(年間250-300人)。また4㎝程度までの腎癌に対する腎部分切除は、高難度症例でもダ・ビンチで積極的に腎温存手術を行っています。上部尿路(尿管や腎盂)結石に対するレーザーを用いた経尿道的結石除去術は、短期間に結石治療を完遂できるのが特長です。前立腺肥大症については、経尿道的に肥大した部分を核出するHoLEP(経尿道的ホルミニウムレーザー前立腺核出術)やTUEB(経尿道的前立腺核出術)を行っています。
■眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり  片眼 539 3.15 2.71 0.00% 72.45
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり  両眼 276 6.87 4.83 0.00% 73.75
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 189 12.60 8.48 0.00% 56.16
020220xx97xxx0 緑内障 その他の手術(緑内障手術 濾過手術以外の手術)あり 片眼 153 8.18 5.41 0.00% 69.55
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 98 7.38 6.14 0.00% 68.56
当院では網膜剥離に対して最新のデバイスを用いた極小切開硝子体手術に加え、教室の伝統である強膜バックリング術を症例によって選択し、重症例にも広く対応し、より低侵襲・早期社会復帰を目指した手術を行っております。また、網膜剥離以外の網膜硝子体疾患に対しても同様に低侵襲の手術を行い、増殖糖尿病網膜症、増殖硝子体網膜症など難治性疾患にも対応しています。緑内障手術ではMIGS:低侵襲緑内障手術(糸LOT、カフーク)を含む流出路再建術や、バルベルト、アーメドなどのインプラントを含む各種濾過手術にも対応しており、進行期の難治性緑内障まで症例に応じた幅広い手術選択を行っております。黄斑疾患については、多数の注射治療を行っており、外眼部疾患、角膜移植なども含め、幅広く治療を行っています。
■耳鼻咽喉科・頭頸部外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術、甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術等 手術・処置等1なし 104 9.72 8.19 0.00% 59.22
03001xxx0100xx 頭頸部悪性腫瘍 咽頭、上顎骨、舌等の悪性腫瘍手術、頸部郭清術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 98 12.33 13.07 0.00% 66.97
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 91 8.37 7.03 0.00% 55.47
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 66 4.71 6.47 0.00% 56.15
03001xxx99x31x 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等23あり 定義副傷病あり 35 42.49 43.03 0.00% 60.31
患者数第1位の甲状腺悪性腫瘍症例は、神経刺激装置や外視鏡を活用し神経の温存をはかりつつ安全で精度の高い手術を行なっています。第2位、5位の頭頸部癌の治療については範囲も多岐にわたり、根治性を確保しつつ機能温存にも配慮した治療が必要な為、化学放射線治療や内視鏡下手術、機能温存手術から進行癌に対する拡大手術まで多彩な病態に対して適切に選択し治療しています。また第3位の耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍手術も、(厚生労働省 中央社会保険協議会が令和4年3月に公表した令和2年度DPC導入の影響評価に係る調査「退院患者調査」の「疾患別・手術別集計(件数)」において)当院は全国の調査対象病院中で2番目となるほど多くの症例数を扱っており、多くが唾液腺腫瘍の手術症例ですが、適切な術式を選択し顔面神経の温存を意識した治療を行なっています。第4位の慢性副鼻腔炎に対する内視鏡手術はナビゲーションシステムを併用して教育性も高く、かつ、より安全で確実な手術に努めております。
■放射線科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
120060xx97xxxx 子宮の良性腫瘍 その他の手術(血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの)等)あり 23 3.70 4.86 0.00% 46.87
070040xx99x0xx 骨の悪性腫瘍(脊椎を除く。) 手術なし 手術・処置等2なし 20 2.45 9.71 5.00% 64.60
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 13 2.23 3.30 0.00% 68.62
130030xx99x0xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2なし 13 2.08 9.15 0.00% 72.15
070150xx99xxxx 上肢神経障害(胸郭出口症候群を含む。) 手術なし - - 11.38 - -
(公表している診断群分類のうち、10件未満は全国平均在院日数以外を-(ハイフン)表示)
血管造影IVR科では、低侵襲の検査と治療を行っている。腫瘍に対するCTガイド下生検、血管塞栓術、ラジオ波凝固術などを行っている。近年、子宮筋腫に対して症状緩和を目的とした子宮動脈塞栓術が保険適応となり治療の選択肢が増えた。子宮摘出術に代わる侵襲の少ない治療であり入院期間は3、4日と短く、社会復帰も早い。
放射線治療科では全身全てのがんを対象とした、放射線治療を行っている。放射線治療はがん治療のなかでも体の負担が少ない治療であり、多くの場合、外来で治療可能となっている。また疼痛などの癌の症状緩和の目的でも放射線治療は用いられる。
■産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 帝王切開術等 144 10.67 9.39 0.00% 34.43
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 子宮附属器腫瘍摘出術 腹腔鏡によるもの等 97 5.32 6.11 0.00% 44.24
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術(腹腔鏡下含む)等 手術・処置等2なし 95 10.01 11.55 0.00% 58.59
120170x199xxxx 早産、切迫早産(妊娠週数34週未満) 手術なし 75 37.95 21.53 0.00% 32.65
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし 73 3.58 4.34 0.00% 64.55
当院は母体・胎児集中治療管理室(MFICU)を有する総合周産期母子医療センターとしての役割を有していますので、胎児及び胎児付属物の異常による帝王切開術等が上位にランクインしています。当科は他院からの年間200-250件の母体搬送を受け入れています。また、自院外来でもハイリスク妊娠を管理しているため、切迫早産の管理入院が多くなります。結果として「早産、切迫早産(妊娠週数34週未満) 手術なし 」がDPC上位にきました。 また、良性疾患に対する腹腔鏡手術を積極的に行っており、腹腔鏡手術が上位にランクインしました。婦人科診療として悪性腫瘍に対する治療を専門とする施設ですので、悪性腫瘍に対する治療がランクインしました。
■救急医学科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 24 7.50 20.57 91.67% 81.08
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 21 4.81 3.70 23.81% 37.24
060140xx97x0xx 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) その他の手術(内視鏡的消化管止血術等)あり 手術・処置等2なし 18 7.56 10.84 33.33% 68.94
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 18 6.39 9.78 33.33% 50.56
180010x0xxx3xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等23あり - - 37.28 - -
当科は高度救命救急センターであり、常に緊急度・重症度の高い症例を受け入れています。昨年度は、高齢者の誤嚥性肺炎による急性呼吸不全を最も多く収容しました。急性期の高流量酸素投与が必要な時期を乗り越えた症例は、近隣病院で後療法をお願いさせていただきました。ついで意識障害を伴う薬物中毒患者を多く収容しました。精神科医とも協力し、退院後より良い環境を提供できるように努めています。上部消化管出血は緊急消化管内視鏡ができる体制を整えており、消化器内科医と協力し緊急止血術が可能です。手術加療を要する重症頭部外傷も多く収容しました。脳神経外科とも協力体制にあり、時期を逸することなく手術加療を実施することが可能となっています。CHDF(持続緩徐式血液濾過)等を必要とする重篤な敗血症症例も多く収容しました。集学的な治療を要した症例の在院日数は長くなる傾向にあり、安定した段階での転医をお願いすることになっています。
■リウマチ・膠原病科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 81 22.31 14.75 3.70% 63.04
070560xx97xxxx 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術(輸血等)あり 12 51.75 36.13 33.33% 69.83
070560xx99x5xx 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等25あり 12 28.83 16.61 0.00% 47.75
070470xx99x0xx 関節リウマチ 手術なし 手術・処置等2なし - - 15.50 - -
070560xx99x70x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等27あり 定義副傷病なし - - 21.03 - -
(公表している診断群分類のうち、10件未満は全国平均在院日数以外を-(ハイフン)表示) リウマチ・膠原病科は膠原病、血管炎、リウマチ性疾患に対応する診療科です。これらの疾患は全身性疾患であり、多彩な臓器病変を伴うことが多く、特に病初期には強力な免疫抑制を行うことから、その副作用対策にも注意が必要となります。呼吸器病変では人工呼吸器、腎病変では人工透析を一時的に行うことも稀ではありません。また、血液系病変を伴う場合には輸血を要することもあります。治療に関しては、副腎皮質ステロイド薬が中心となりますが、近年は生物学的製剤をはじめとした分子標的薬での治療も標準化されており、これらの薬剤を使用する際には、リスク管理のため入院での導入が必要となることもあります。
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初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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  初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 1,35 0,14 0,33 0,43 3,152 74 1 7,8
大腸癌 47 37 56 145 110 72 2  
乳癌 93 71 18 - 77 16 1 8
肺癌 0,188 0,47 0,78 1,122 0,137 117 1 7,8
肝癌 - 10 10 10 119 302 2  

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
(10件未満はー(ハイフン)表示)
【初発患者数表記について(胃癌、肺癌)】
「UICC病期分類」の各版ごとに患者数をカンマ区切りで掲載しています。
(例)胃癌のstageⅠが「1,35」で、版数欄が「7,8」となっているのは、「UICC病期分類の第7版で判断した患者数が1人、第8版が35人」となります。

【胃癌】
関西医科大学附属病院は厚生労働省が指定するがん診療連携拠点病院です。専門的ながん医療の提供、地域のがん診療の連携協力体制の構築、がん患者に対する相談支援及び情報提供などを行っています。
2006年の開院から2021年12月までの胃がん手術件数は2,700件で、うち1,174件が腹腔鏡手術です。化学療法専門医による術前化学療法などの集学的治療も164件に及びます。GISTの手術件数も139件と豊富です。 腹腔鏡手術は、日本内視鏡外科学会技術認定医を取得した医師が執刀します。私どもの技術は国内でも高く評価され、腹腔鏡手術のインストラクターも務めていますので、安心してお受けしていただいて良いかと思います。関西医科大学附属病院では、胃がん患者さんに対する免疫チェックポイント阻害薬(オプジーボ、キイトルーダなど)の治験など新しい治療方法の開発も行っています。
患者さんへの説明にはイラストや写真をたくさん掲載したパンフレットを使用し、ご自身の病状や治療方法を十分に理解していただくようにしています。また、胃切除後の後遺症には個人差があります。生活環境も個々の患者さんで違いがあり、ご高齢でおひとり暮らしの方も増えています。私どもは、個々の患者さんにあわせて継続して栄養指導を受けていただく必要があると考えています。当院では、PGSASアプリという胃外科術後障害研究会が作成した胃切除後の後遺症を詳しく見ることができるアプリケーションを用いて、個々の患者さんに合わせた栄養指導を継続して受けていただいています。また、患者会も定期的に開催し、患者さん同士が体験談などを通したアドバイスを交換したり、お互いの友好を深めたりできるように活動しています。

【大腸癌】
2021年度の初発大腸がん切除例は213例(直腸がん 70例、結腸がん 143例)です。腹腔鏡下手術 187例、開腹術 26例でほとんどが腹腔鏡で手術を行っています。直腸癌には、術前MRI画像診断の下ESMO ガイドラインに基づき、化学放射線療法を行い、MRIによるreStagingで括約筋温存の可否を判定します。MRI診断能の進歩に伴い、ISRによる永久人工肛門回避が可能になる症例が増加しています。永久人工肛門を要するMiles手術は、MRI診断に基づき、肛門挙筋切除量を調節しつつ、circumferential resection margin(CRM)確保が可能であることを、標本MRIを用いて検証し、論文投稿中です。術前療法を要しない直腸癌は一時的人工肛門を作成せず、肛門ドレーンによる減圧を行い、術後の縫合不全による汎発性腹膜炎を防止しつつ一時的ストマを回避できることを発見し、論文報告しました。他臓器合併切除例では、taTMEを併用して、腫瘍最深部を最後に切除する術式の長所を論文報告しました。腫瘍内科による薬物療法のコンプライアンスの進歩に伴いStageIVのconversion surgeryの頻度も増加しています。ストマ管理は、CWOCN(皮膚・排泄ケア認定看護師)の厳重なストマケアにより患者満足度は良好です。すべての治療は外科、放射線科、婦人科、泌尿器科、腫瘍内科とのカンファレンスによって方針を決定します。術後リハビリも積極的に行い、看護部や地域医療連携部や近隣の医療機関と一体になって緩和医療まで切れ目のない医療を行っています。

【乳癌】
乳がんは、女性のがん罹患の1位を占め、生涯のうちに乳がんになる割合は9人に1人と言われています。治療は、手術・放射線・薬物療法・免疫療法などを組み合わせた集学的治療を行います。令和3年度には250件の乳がん手術を行いましたが(温存率52.4%)、13例に乳房再建を行うなど根治性と整容性を備えた手術に努めています。早期乳がんの多くは治癒しますが、進行するとリンパ節や内臓に転移します。遠隔転移を認める転移再発乳がんでは、全身治療を継続しながら、延命と症状緩和をはかります。当院では、複数の診療科と連携しながら、科学的根拠に基づいた治療を実践し、患者さん・ご家族に寄り添った安全で安心な乳がん診療を提供致します。また、近年注目されている遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)にも積極的に取り組み、遺伝カウンセリング(167件)とともにBRCA遺伝子検査(154件)を行い、乳房リスク低減手術5件を含め乳がんのリスク管理や予防に努めています。

【肺癌】
5大がんの一つである肺がんは、本邦における全がん死亡の第一位を占めており、治りにくいがんの一つです。発見時にすでに進行した状態で見つかることが多いことが、肺がんを治りにくい病気にしている理由の一つに挙げることができます。手術や放射線治療はStageⅠなど狭い範囲の肺がんに、抗がん剤・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬などの薬物治療はStageⅣなど進行した肺がんに行われます。昨今、早期や進行期といったステージにかかわらず集学的治療と呼ばれる手術や放射線治療、薬物治療を同時あるいは逐次的に併用することで治療成績が改善することが示されております。当院の肺がん患者さんでもStageⅢ~Ⅳの進行がんが半数以上を占めています。当院では呼吸器腫瘍内科、呼吸器外科、放射線科、病理部、薬剤部、看護部、地域医療連携部など関係部署がチームを組んで、それぞれの肺がん患者さんにとって最適と考えられる診断と治療を行っています。

【肝癌】
2021年度の肝癌に対する肝切除症例は177例、疾患別では、肝細胞癌94例、転移性肝癌53例、肝内胆管癌22例、肝門部領域癌8例でした。また術式別では、開腹手術が38例(肝門部領域根治手術8例、二区域切除13例、一区域切除11例、部分切除6例)、腹腔鏡手術が139例(二区域切除17例、一区域切除52例、亜区域切除22例、部分切除48例)であり、約79%で腹腔鏡手術を行っています。本邦での肝がんによる年間死亡者数は約3万人にのぼり、男性では肺がん・胃がんに次いでがん死の第3位を占めています。StageⅠ~Ⅱの小さな肝がんに対しては経皮的局所治療(ラジオ波焼灼術など)や肝切除、StageⅢ以上の進行例では肝切除や経カテーテル的肝動注塞栓療法などが行われます。StageⅣのなかでも、肝臓のみに限局していれば手術療法も可能ですが、手術が不可能な場合や遠隔転移(肺転移など)を伴う場合は、化学療法や放射線治療などが選択されます。肝がんの特徴としては、どの治療を行っても高率に再発することが知られています(全国統計で約70~80%)。そのため治療後は定期的に画像検査を行い、再発病変を早期治療を行うことで予後改善が期待できます。当院では内科・外科・放射線科と毎週ミーティングを行い、個々の患者さんに対する適切な治療方針を立てるとともに、進行肝がんに対する予後改善のための集学的治療にも積極的に取り組んでいます。
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成人市中肺炎の重症度別患者数等

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  患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 27 14.15 75.96
重症 10 13.40 83.50
超重症 11 8.09 79.09
不明 - - -
(10件未満はー(ハイフン)表示)
成人市中肺炎の重症度は5つの因子(年齢、脱水、呼吸状態、意識状態、循環状態)で規定され、点数が高ければ死亡率が高くなります。3つの因子が当てはまると重症と診断し入院が必要となります。また、4つ以上の因子が当てはまると集中治療室(ICU)への入室が必要となります。ただし、軽症・中等症であっても基礎疾患があれば入院が必要となる症例があり、その判断が重要となります。
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脳梗塞の患者数等

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発症日から  患者数 平均在院日数   平均年齢  転院率
 3日以内 176 16.86 73.09 39.20% 
 その他  21 13.81 69.29 19.05% 

脳梗塞は脳卒中全体の約60%を占め、最も頻度の高い疾患です。当院の脳卒中センターでは、24時間対応可能な診断治療体制を背景に、急性期脳梗塞患者に対するt-PAを用いた血栓溶解治療、カテーテルを用いた血栓回収療法を積極的におこなっています。これにより脳梗塞による脳のダメージを最小限にとどめることができています。
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診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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■血液腫瘍内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K9212ロ 造血幹細胞採取(一連につき)(末梢血幹細胞採取)(自家移植の場合) 14 16.21 2.79 0.00% 54.00
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他のもの) 11 3.36 51.64 27.27% 67.55
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
K6262 リンパ節摘出術(長径3センチメートル以上) - - - - -
K6261 リンパ節摘出術(長径3センチメートル未満) - - - - -
(公表している主要手術のうち、10件未満は-(ハイフン)表示) 再発悪性リンパ腫や多発性骨髄腫の患者には、自家移植併用大量化学療法を行うために自己末梢血幹細胞採取を行っています。また急性白血病などの同種造血幹細胞移植の場合、ドナーからの末梢血幹細胞採取、骨髄採取を行っています。また悪性リンパ腫では、診断のために、耳鼻科や外科、形成外科などの協力を得て、リンパ節摘出による生検を実施しています。同様に中枢神経系原発悪性リンパ腫の診断のために、脳神経外科の協力を得て頭蓋内腫瘍摘出術を実施しています。植込式カテーテル設置による抗悪性腫瘍剤の局所持続注入又は疼痛の制御も実施しています。
■循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの) 235 2.42 2.63 0.00% 67.89
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 104 2.27 2.70 0.96% 71.71
K555-22 経カテーテル大動脈弁置換術(経皮的大動脈弁置換術) 63 5.21 8.67 3.17% 83.87
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 60 1.55 3.32 8.33% 77.87
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの) 55 0.04 18.73 12.73% 68.87
循環器内科で手術症例数が多いのは、①頻脈性不整脈に対する治療(経皮的カテーテル心筋焼灼術:心房中隔穿刺あり)、②狭心症に対する治療(経皮的冠動脈ステント留置術)、③大動脈弁狭窄症に対する経皮的大動脈弁置換術(経カテーテル大動脈弁置換術)、④四肢血管の動脈硬化や血栓症に対する治療(血管拡張術、血栓除去術)、⑤急性心筋梗塞に対する治療(経皮的冠動脈ステント留置術)です。昨年度と比較して、経カテーテル大動脈弁置換術、四肢の血管拡張術・血栓除去術、急性心筋梗塞に対する経皮的冠動脈ステント留置術の症例数が増加しています。
■腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純なもの) 18 19.44 23.22 22.22% 68.44
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) - - - - -
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
K613 腎血管性高血圧症手術(経皮的腎血管拡張術) - - - - -
(公表している主要手術のうち、10件未満は-(ハイフン)表示)
当科は「内科」ではありますが、腎不全の透析治療に必要な内シャント造設術や腹膜灌流用カテーテル留置術には主体的に関わるようにしております。
■消化器肝臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 297 0.77 1.08 0.00% 68.89
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 253 5.04 9.27 5.93% 72.53
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術) 126 0.99 6.05 0.00% 74.27
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル以上) 76 0.87 1.89 0.00% 68.89
K6872 内視鏡的乳頭切開術(胆道砕石術を伴うもの) - - - - -
消化器内科が扱う胃癌・大腸癌・肝臓癌は、悪性腫瘍の中でも患者数が多く、早期発見・診断が重要である。早期胃癌は粘膜切除術、粘膜下層剥離術による内視鏡治療の開発と進歩により外科手術を回避できるようになっている。大腸腺腫・早期大腸癌(粘膜内癌)は内視鏡的粘膜切除術や内視鏡的粘膜下層剥離術により切除可能であり、多くの症例は2~6日で退院可能である。また胆管癌・膵癌による閉塞性黄疸に対しては内視鏡的ドレナージを行っている。胆石症による胆嚢炎、胆管炎は高齢者を中心に発症する急性腹症であるが、内視鏡的胆道ドレナージ術、内視鏡的結石除去術、乳頭切開術などの治療により入院期間短縮や患者さんのQOLを高めるのに役立っている。
■脳神経内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) 14 7.21 10.64 14.29% 72.29
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 11 1.00 7.09 0.00% 71.64
K178-4 経皮的脳血栓回収術 - - - - -
K178-2 経皮的脳血管形成術 - - - - -
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他のもの) - - - - -
(公表している主要手術のうち、10件未満は-(ハイフン)表示) 当科は虚血性脳血管障害の治療に積極的に取り組んでいます。発症から数時間以内の脳梗塞は、カテーテル治療により血栓を回収することで症状が劇的に改善する可能性があります。当科では、単に時間経過だけで治療方針を判断せず、臨床症状やMRIなどの画像もあわせて総合的に適応を決定しています。また、脳梗塞再発予防目的に、頸動脈狭窄の患者さんにステントを用いたカテーテル治療で頸動脈を広げる手術を行っています。脳神経外科ともカンファレンスを行いながら、患者さんに最も適した治療法を選択しています。
■小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度のもの) 29 0.00 25.90 0.00% 0.00
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度のもの) 29 0.00 36.28 0.00% 0.00
K2762 網膜光凝固術(その他特殊なもの(一連につき)) - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
K6261 リンパ節摘出術(長径3センチメートル未満) - - - - -
(公表している主要手術のうち、10件未満は-(ハイフン)表示)
当院小児科は総合周産期母子医療センターの新生児部門を担当し、24時間体制で新生児救急医療業務に当たっているため、北河内地区のみならず、大阪市内や他府県からも多くの患者が紹介されています。また早産児、低出生体重児が多くなっているため、例年、新生児仮死蘇生術が数多く施行されています。また小児医療センターとして小児外科や小児脳外科に常勤医がいるため、小児外科手術例や小児脳外科手術例も数多くご紹介頂いています。
■肝臓外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K695-23 腹腔鏡下肝切除術(亜区域切除) 73 1.63 15.41 1.37% 72.67
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 39 1.13 4.87 5.13% 71.23
K695-25 腹腔鏡下肝切除術(2区域切除) 28 1.71 17.86 3.57% 67.71
K695-24 腹腔鏡下肝切除術(1区域切除(外側区域切除を除く。)) 23 1.43 19.52 0.00% 76.35
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 23 7.04 10.26 0.00% 69.96
肝臓・胆道疾患に対しては、最新の診断法と患者に対してより低侵襲な治療法を実施しております。また周術期管理、特に術後疼痛管理に対してもそれぞれの患者に対してきめ細かい管理を実践しております。進行肝癌・胆道癌に対しては消化器内科、腫瘍内科、放射線科の医師チームカンファレンスを行い、疾患の評価・画像診断・肝機能の評価・治療法・化学療法の検討を行っています。近年増加している胆道癌に対する化学療法も数多く実施しております。症例数は全国トップクラスであり(全国3位以内。当院ホームページ「診療科・部門一覧」の「肝臓外科」概要欄参照)、クリニカルパスの適宜改変により在院日数は全国平均より短くなっております。当院は、日本肝胆膵外科学会の高度技術認定施設Aの基準を満たしていること、当診療科は高度技術指導医1名と高度技能専門医2名、消化器外科専門医5名、日本肝臓学会専門医2名が手術に専任しています。
■胆膵外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 182 1.43 3.81 1.65% 64.45
K7032 膵頭部腫瘍切除術(リンパ節・神経叢郭清等を伴う腫瘍切除術の場合又は十二指腸温存膵頭切除術の場合) 33 4.94 21.18 3.03% 73.67
K671-21 腹腔鏡下胆管切開結石摘出術(胆嚢摘出を含むもの) 20 3.60 9.10 0.00% 75.20
K7033 膵頭部腫瘍切除術(周辺臓器(胃、結腸、腎、副腎等)の合併切除を伴う腫瘍切除術の場合) 17 4.29 17.88 11.76% 71.94
K7034 膵頭部腫瘍切除術(血行再建を伴う腫瘍切除術の場合) 17 3.71 17.24 5.88% 74.76
年間胆膵手術431件で、うち81件の高難度胆膵外科手術を行っています。胆石手術は年間230件、うち緊急手術は48件となっています。日本肝胆膵外科学会の高度技術認定施設Aの基準を満たしていること、高度技能指導医1名と高度技能専門医3名が手術に専任しています。
■消化管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 116 3.97 10.91 5.17% 71.87
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 62 0.53 1.39 0.00% 74.42
K529-21 胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術(頸部、胸部、腹部の操作によるもの) 52 3.90 22.27 7.69% 69.06
K740-22 腹腔鏡下直腸切除・切断術(低位前方切除術) 36 2.56 10.11 2.78% 70.25
K655-22 腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍手術) 35 1.83 16.40 2.86% 72.51
令和3年度の消化管癌の手術症例は、初発食道がん手術症例 80例(da Vinci(ロボット手術)9例、胸(腹)腔鏡 61例、その他 10例) 再発食道がん手術 1例、食道良性疾患 5例。初発胃がん 122例(開腹手術 54例、腹腔鏡手術 68例) GIST(消化管間質腫瘍) 10例、肥満代謝手術 6例。初発大腸がん 213例(開腹術 26例、腹腔鏡下手術 187例)(直腸がん 70例、結腸がん 143例)、悪性リンパ腫 5例 GIST(消化管間質腫瘍) 8例、再発がん 14例(大腸がん 7例、婦人科がん 7例)腹腔鏡下手術 9例などです。クリニカルパスを用いて診療を行っています。食道癌、胃癌、直腸癌いずれも科学的に治療効果の高い術前療法を組み合わせ、根治術を最優先し、進行度に応じて胸腔鏡、腹腔鏡、ロボット手術による侵襲の少ない外科治療法を選択しています。再発症例や困難症例、他院での合併症にも積極的に対応しています。鼠径ヘルニアは局所麻酔下の前方アプローチを多用しています。
■小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 139 0.02 0.93 0.00% 2.88
K6333 ヘルニア手術(臍ヘルニア) 56 0.00 0.84 0.00% 1.84
K836 停留精巣固定術 50 0.04 0.68 0.00% 2.52
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 47 0.15 3.74 0.00% 10.74
K851-31 癒合陰唇形成手術(筋層に及ばないもの) 15 0.00 0.04 0.00% 0.47
令和3年度の当科の年間手術症例数は537例となり、そのうち約半数に迫る243例が内視鏡手術です。令和2年度に続いてさらに症例数は大幅に増加し、北河内医療圏における小児外科医療を力強く牽引しております。術式の内訳で多いものは、鼠径ヘルニアや停留精巣の手術ですが、その数は前年に比してむしろ減少しています。しかしながら全体の手術総数が増えている意義は重要で、その他の疾患、とくに生まれたばかりの新生児外科疾患から、急性腹症などの緊急手術、ヒルシュスプルング病や胆道拡張症などの難易度の高い低侵襲手術を、より多く積極的に行えていることになります。また令和3年度もこれまで同様大きな合併症がなく安全な医療を提供できており、多くの御両親や御家族の皆様に満足して頂いております。
■乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 112 1.12 2.74 0.00% 61.71
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 75 1.11 6.97 0.00% 62.63
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの) 34 1.09 8.44 0.00% 60.68
K4764 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))) - - - - -
K4766 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施するもの) - - - - -
腫瘍径が3cm以下の浸潤癌の場合には乳房部分切除を行い、3cmを超える場合には乳房切除を行います。リンパ節転移のある乳癌では腋窩部郭清を行いますが、リンパ節転移のない乳癌ではセンチネルリンパ節生検を行い、センチネルリンパ節に転移を認めない場合には腋窩部郭清を省略します。
■心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K5612ロ ステントグラフト内挿術(1以外の場合)(腹部大動脈) 62 1.84 6.84 3.23% 77.42
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 40 0.03 1.13 0.00% 77.10
K5612イ ステントグラフト内挿術(1以外の場合)(胸部大動脈) 27 4.81 9.15 7.41% 75.30
K617-6 下肢静脈瘤血管内塞栓術 22 0.00 1.00 0.00% 68.18
K5601ニ 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。)(上行大動脈)(その他のもの) 21 0.52 37.14 42.86% 74.90
腹部大動脈瘤、胸部大動脈瘤では、人工血管置換術あるいはカテーテルによる血管内治療(ステントグラフト内挿術)を患者ごとに最適な治療法を選んで行なっている。閉塞性動脈疾患では、血管バイパス術あるいはカテーテルによる血管拡張術(PTA)、血栓除去術を患者ごとに最適な治療法を選んで行なっている。下肢静脈瘤では血管内高周波焼灼術を主体とし、病型によっては静脈瘤抜去術を行う。大動脈瘤、急性・慢性大動脈解離では人工血管置換術を行ない、必要に応じて冠動脈吻合や弓部分枝再建を加えている。
■呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 174 2.53 7.64 1.15% 73.22
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 62 2.00 5.23 1.61% 68.81
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)) 33 3.91 4.24 6.06% 45.00
K5143 肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) - - - - -
K488-4 胸腔鏡下試験切除術 - - - - -
当科で最も多く行っているのは原発性肺がんなどの肺悪性腫瘍に対する肺切除であり、腫瘍の進行度・部位・患者さんの状態に応じて術式選択を行っています。多くの場合は胸腔鏡下に肺葉切除・リンパ節郭清を行っていますが、肺区域切除や肺部分切除が選択されることもあります。気胸に対しても、原因となる嚢胞の切除を多くの例で胸腔鏡下に行っています。肺がん・気胸いずれも合併疾患を抱えた高齢者が多い傾向にあり、またひとり暮らしの方も少なくないため、やや術後在院日数が長い傾向にあります。
■脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他のもの) 80 4.66 23.18 12.50% 57.43
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 42 1.05 10.88 38.10% 79.81
K1781 脳血管内手術(1箇所) 42 1.52 13.31 23.81% 63.74
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 28 2.75 36.68 50.00% 68.68
K1742 水頭症手術(シャント手術) 24 4.96 14.54 37.50% 53.08
①頭蓋内腫瘍は頭蓋内で発育し、放置すると致命的になることがしばしばあるため、摘出することにより頭蓋内圧を減圧する必要がありますが、当科では、functional MRIなど種々の診断機器および覚醒下手術、術中モニタリング機器を駆使して、腫瘍摘出の際の患者さんの脳機能の温存に全力で取り組んでいます。 ②慢性硬膜下血腫は頭部打撲が引き金になっておこり、高齢の方に多く見られる病気です。頭蓋骨に孔を開けて、中の血腫を吸引除去するという局所麻酔でできる手術で治る病気で、当科でも多数の症例を治療しています。③脳動脈瘤は破裂するとクモ膜下出血を引き起こしますが、未破裂の患者さんの場合には破裂予防に、破裂してすでにクモ膜下出血をおこした患者さんの場合には再破裂予防に、脳血管内治療でコイルを瘤内に詰める治療あるいは専用のステントを留置する治療を行っています。④古くから行われている脳動脈瘤に対する標準的な治療法で、顕微鏡下に動脈瘤の付け根部分をチタン製のクリップで遮断して動脈瘤内に血液が入らないようにして破裂を防ぎます。⑤水頭症は髄液の通り道が閉塞しておこってくるもののと髄液の吸収能が低下しておこってくるものの2種類がありますが、シャント手術が両者に対して有効ですし、前者に対しては、第3脳室底開放術も有効です。
■整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K1424 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(前方後方同時固定) 235 1.94 13.83 71.91% 72.22
K0821 人工関節置換術(股) 177 1.56 15.39 83.62% 67.65
K0821 人工関節置換術(膝) 161 1.02 13.02 80.75% 74.98
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(後方椎体固定) 92 4.26 14.20 66.30% 69.07
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(後方又は後側方固定) 87 5.31 17.57 57.47% 65.51
当科では脊椎手術を多数行っています。成人脊柱変形や脊椎術後障害症例に対しては、前方・後方同時固定手術が有用な手術手技ですが、限られた施設でしか行っていません。私たち関西医大整形外科では豊富な経験と確立した技術をもとに安全に手術を行い、令和3年度は235件行いました。単椎間の腰椎すべり症や不安定症には、当科で開発した小侵襲腰椎後方椎体固定術を行っています。また、不安定性がない症例においては、小侵襲椎弓形成術を行っています。 脊椎手術以外にも、人工股関節置換術を177件、人工膝関節置換術を161件と、関節疾患もhigh volume centerとして役割を果たしています。
■形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 56 0.02 1.55 0.00% 72.95
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2センチメートル未満) 22 0.86 0.95 0.00% 19.23
K2193 眼瞼下垂症手術(その他のもの) 19 0.05 1.58 0.00% 69.74
K4073イ 顎・口蓋裂形成手術(顎裂を伴うもの)(片側) 16 1.00 6.63 0.00% 10.06
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 14 0.93 5.64 0.00% 76.43
当科では体表に関わる生まれつきの変形やその後の変形、腫瘍、母斑(アザ)、外傷、瘢痕(キズアト)、ケロイド、潰瘍などに対して、顔や手、体のはたらきや形が改善するように、整容に配慮した手術や皮膚レーザー治療を進めています。特に保険診療ができる眼瞼下垂症、口唇裂・口蓋裂、良性・悪性の皮膚軟部腫瘍や母斑、顔面神経麻痺、キズ跡の治療を多く行っています。頭部・顎・顔面の骨格や形態改善、母斑治療、乳房再建、熱傷治療、顔面外傷(骨折を含む)、潰瘍治療では先進の治療を進めています。体表に関わるいかなることでもご相談ください。近年は、眼瞼下垂症は増加傾向で、口唇裂・口蓋裂治療は定常的に多くの治療を進めています。体表外科として、良性/悪性の皮膚腫瘍の治療も常時多くの紹介もいただき、根治性と整容性を目指した治療を進めています。
■皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 53 0.25 3.45 0.00% 73.87
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2センチメートル未満) - - - - -
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3センチメートル以上6センチメートル未満) - - - - -
K013-22 全層植皮術(25平方センチメートル以上100平方センチメートル未満) - - - - -
K6262 リンパ節摘出術(長径3センチメートル以上) - - - - -
(公表している主要手術のうち、10件未満は-(ハイフン)表示)
令和2年度より手術件数が増加し、基幹病院として実施すべき手技のレベルに到達しつつあります。今後も良性・悪性腫瘍を問わず、積極的に切除術・再建術を実施してまいります。
■腎泌尿器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 128 1.38 4.76 0.78% 74.29
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 102 1.00 9.34 0.00% 68.72
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの) 92 1.14 4.32 0.00% 75.57
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 88 1.18 4.38 1.14% 64.66
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 45 1.33 8.22 0.00% 70.89
本院の腎泌尿器外科では、多くの手術を内視鏡手術、腹腔鏡手術、ロボット支援手術で行い、低侵襲で患者さんにやさしい治療を実施しています。筋層に浸潤していない膀胱癌は、経尿道的膀胱腫瘍切除術で治療しますが、光力学的診断用薬を併用することで診断および治療精度がさらに向上します。再発予防にはBCGの膀胱内注入を行います。上部尿路癌にもツリウムレーザーとホルミウムレーザーを用いた尿管鏡下腫瘍焼灼術を実施し、腎の温存を目指しています。男性で最も多い癌となった前立腺癌に対しては、手術支援ロボット ダ・ビンチを用いた前立腺全摘除術を行っており、失禁からの回復などの治療成績が大きく向上しました。また4㎝程度までの腎癌に対する腎部分切除でもダ・ビンチで、高難度症例でも積極的に腎温存手術を行っています。上部尿路(尿管や腎盂)結石に対するレーザーを用いた経尿道的結石除去術は、短期間に結石治療を完遂できるのが特長です。前立腺のもう一つの重要疾患である前立腺肥大症については、経尿道的に肥大した部分の核出術(HoLEPやTUEB)を行っています。血清PSAが高値で前立腺癌が疑われる患者さんに対して、前立腺針生検を1泊2日で行っています。(年間250-300人)
■眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 779 1.11 2.25 0.00% 73.22
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) 303 1.42 7.95 0.33% 62.75
K2682 緑内障手術(流出路再建術) 138 1.25 6.49 0.00% 71.17
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他のもの) 58 1.28 6.09 0.00% 66.93
K2683 緑内障手術(濾過手術) 55 1.05 9.62 0.00% 69.58
当院ではトーリック眼内レンズや多焦点眼内レンズを用いた白内障手術も含め年間1,300件近くの白内障手術を行っています。また、増殖糖尿病網膜症や網膜剥離など重症網膜硝子体疾患から黄斑円孔、黄斑上膜などの多岐にわたる疾患に対して網膜硝子体手術を年間450件近く実施しております。緑内障では最新のチューブシャント手術を含む多彩な手術選択により、重症・進行期の緑内障患者にも幅広く対応し、年間200件を超える緑内障手術を行っております。また、外傷など救急疾患や角膜移植にも対応しています。
■耳鼻咽喉科・頭頸部外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K4571 耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺浅葉摘出術) 57 1.32 6.07 0.00% 55.44
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 47 2.17 7.04 0.00% 26.43
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術(切除)(頸部外側区域郭清を伴わないもの) 44 1.16 6.64 0.00% 60.27
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 38 1.13 2.55 0.00% 58.05
K4633 甲状腺悪性腫瘍手術(全摘及び亜全摘)(頸部外側区域郭清を伴わないもの) 34 1.53 12.50 0.00% 60.71
耳下腺腫瘍手術や甲状腺手術など、頭頸部疾患に対する手術加療を多数行う一方で、扁桃炎に対する口蓋扁桃摘出術や副鼻腔炎に対する内視鏡下副鼻腔手術などの耳鼻咽喉科疾患も広く行っています。また、悪性腫瘍に対する手術を多く行っており、機能温存手術から進行癌に対する拡大手術まで多彩な病態に対して適切な治療法を選択しています。
■放射線科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) 39 0.08 3.08 2.56% 55.72
K007-2 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 - - - - -
K668-2 バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術 - - - - -
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) - - - - -
K6231 静脈形成術、吻合術(胸腔内静脈) - - - - -
(公表している主要手術のうち、10件未満は-(ハイフン)表示)
いずれの手術においても画像ガイド下で行う低侵襲の治療であり、短期入院あるいは外来治療で行います。
なお、これらの治療は放射線科にて行われていますが、多くは放射線科以外の診療科での入院で行われており、実際の患者数は示されたものよりも多くなります。K6153においては肝癌に対する肝動脈塞栓術や子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術が多く含まれています。K668-2は胃静脈瘤に対する治療であり入院で行われます。
■産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 152 9.15 7.74 0.00% 34.36
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 144 11.51 7.70 0.69% 33.56
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 109 1.02 3.17 0.00% 45.14
K867 子宮頸部(腟部)切除術 62 0.02 1.02 0.00% 40.65
K877 子宮全摘術 61 2.59 8.05 0.00% 50.28
当科は産婦人科の診療4本柱である「周産期」「生殖」「婦人科腫瘍」「女性医学」の全てに対応できるスタッフを有しています。総合周産期母子医療センターとしての役割を有していますので、帝王切開術(選択ならびに緊急)がKコードの上位にランクインしています。なお、帝王切開率は例年40%前後で、総合周産期母子医療センターを有する大学病院の全国平均とほぼ同等です。ただし、分娩数が年間700-800件と多いため、結果として帝王切開の総数が多くなり、帝王切開が最上位に来ました。 また、良性疾患に対する腹腔鏡手術を積極的に行っており、腹腔鏡手術がKコードの上位にランクインしました。婦人科疾患の治療専門施設なので、子宮全摘術や子宮頸部(腟部)切除術がランクインしました。
■救急医学科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢
K654 内視鏡的消化管止血術 25 0.76 10.40 36.00% 67.00
K386 気管切開術 12 7.50 21.17 58.33% 73.17
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(後方又は後側方固定) 10 6.10 18.70 90.00% 59.50
K046-3 一時的創外固定骨折治療術 - - - - -
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 - - - - -
(公表している主要手術のうち、10件未満は-(ハイフン)表示) 当科は高度救命救急センターであり、救急度の高い症例を多く受け入れています。昨年度は内視鏡的消化管止血術が最も多く実施されました。平均術前日数からわかるように多くは吐血・下血が継続した状態で搬入され、この手術が当日に実施されていました。当院では止血を実施して、根本的な原疾患に対しては転院あるいは退院後近医を紹介し継続加療を行ってもらいます。次いで多く実施した気管切開は、人工呼吸器を用いた呼吸管理が1週間以上の長期に及ぶ場合に施行される手術で、高齢の重症肺炎が増加したことにより術後3週間ほど加療を行い安定された状態で他院にて継続加療をお願いすることが多くなります。頚椎に関する手術は、四肢麻痺を伴う頚椎・頸髄を損傷された患者に行うもので、整形外科専門医と手術適応を検討して実施しています。術後一定の観察期間の後、リハビリを含めて転医をお願いしており社会復帰を目指していただいています。
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その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 10 0.05%
異なる 55 0.26%
180010 敗血症 同一 35 0.16%
異なる 37 0.17%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 40 0.19%
異なる - -
(10件未満は-(ハイフン)表示)
医療の質の改善に質するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして、播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌感染症、手術・処置等の合併症について、入院契機病名の同一性の有無を区別して患者数と発症率を示しています。例えば播種性血管内凝固症候群の場合では、入院契機「同一」とは、入院したときに播種性血管内凝固症候群と診断されている患者さんであり、入院契機「異なる」とは、入院時には別の病気で入院したが、その後に播種性血管内凝固症候群をおこし、元々の病気の治療よりも播種性血管内凝固症候群の治療に医療費を多く必要とした場合を示しております。
また「手術・処置等の合併症」の傷病名内訳は次となります。
(入院契機と同一)人工関節のゆるみ・脱臼・破損等 14例、術後創部感染・創部膿瘍等 10例
(10例未満は省略)
上記の中には、他院で手術を施行後、合併症により治療に難渋したため当院に紹介された症例や、手術から長い年月が経過したためにインプラント(挿入物)の摩耗やゆるみが生じた症例が含まれます。
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更新履歴

2022年9月22日
令和3年度病院指標を公開しました
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