近年、検診や人間ドックなどの超音波検査やCT検査で、腎がんが偶然見つかることが多くなっています。腎がんの手術には、腎摘除術(腎臓を全て摘除)や腎部分切除術(腎臓の腫瘍部分の一部だけを切除)などがありますが、術後の腎機能を温存するために、可能であれば腎部分切除術が行われています。最近では、従来から行われていたおなかを大きく切開する開腹手術だけでなく、細い鉗子(かんし・手術器具)をおなかの中に入れて、人間が直接操作する腹腔鏡手術も多くなっています。また海外では、ロボットを使用した手術も行われています。
では、ロボット手術とは何でしょうか? 正式には「ロボット支援腎部分切除術」と言い、機械制御された細い鉗子をおなかの中に入れて、外科医が隣で操縦します。機械制御ですので手振れ補正機能があり、人間の手の関節以上に自由に動かすことができます。
ロボット手術は開腹手術よりも小さい傷ですみ、後の疼痛が少ない腹腔鏡手術のメリットと、腹腔鏡手術よりも正確な手術ができる開腹手術のメリットを合わせ持っています。平成28年4月には保険適用となりました。
当院も手術支援ロボット ダ・ヴィンチSiを導入しており、ロボット手術を行っておりますので、万が一腎腫瘍が見つかり手術しなければならない時は、ロボット支援手術も考慮してみてください。