病気の豆知識 vol.003(2016/04/01)高精度放射線治療とは


放射線治療科 准教授 中村 聡明

高精度放射線治療とは

高精度放射線治療とは、IMRT-強度変調放射線治療-、定位放射線治療-ピンポイント照射-、画像誘導放射線治療などがんに対する最先端放射線治療の総称です。コンピューター技術を駆使しがんの形に合わせて放射線照射を行うことで、より高い治療効果が期待できるだけでなく、放射線による正常な組織への合併症の軽減にもつなげることができます。

全身すべてのがんに応用可能ですが、特に限局したがんに対して威力を発揮します。最もIMRTの臨床応用がなされている前立腺がんでは、手術に劣らない効果や副作用である直腸出血の軽減といった成果が報告されています。また脳腫瘍や頭頸部がんでは脳幹・脊髄、視神経や耳下腺などの重要臓器を避けて、がんの根治を目指すことが可能となりました。定位放射線治療にて保険診療の対象となる早期肺がん・肝臓がんでも手術に劣らない効果が報告されています。

治療時間は1回あたり10〜30分程度で、照射中に痛みはありません。高齢者や手術不能の患者さんにも治療可能です。IMRTや定位放射線治療を行う際には、身体が動かないように型のようなもので固定し、治療ベッド上で画像を用いて位置を確認してから放射線治療を行います(画像誘導放射線治療)。

当院では高精度放射線治療を積極的に推進し、全身すべてのがん治療成績向上に努めています。不明な点がございましたら、ご遠慮なく放射線治療科へお問い合わせ下さい。

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注:記載内容や医師情報は掲載時点のものです。 詳しくは担当診療科にご確認ください。
「病気の豆知識」リーフレットは院内でも配布しています。 


放射線治療科 准教授中村 聡明(なかむら さとあき)

中村 聡明

専門:がんの放射線治療
認定資格:放射線治療専門医
     がん治療認定医・指導責任者
好きな食べ物:刺し身
趣味:テニス、スキー、マラソン
出身地:兵庫県加古川市
血液型:B型

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