「シェーグレン症候群」という病名はあまり馴染みの無いものですから、ご存じない方も多いのではないでしょうか。「膠原病」* と呼ばれる病気のグループに属する病気です。
眼や口の乾燥感があって眼科や歯科を受診されている患者さんもいらっしゃると思いますが、眼と口の両方が乾いている場合は「シェーグレン症候群」という病気である場合もあります。もちろん、眼が乾く、口が渇くといった病気はたくさんあります。「シェーグレン症候群」はどちらかというと珍しい病気ですので、そういった症状があっても「シェーグレン症候群」では無い患者さんの方が多いのも事実です。
他の「膠原病」に比べると内臓などの症状が出ない患者さんが多く、病気としての重症度は低いのですが、診断されずに見過ごされていることも多い病気です。眼と口の乾きのみで、患者さん自身があまり困っていない場合はあまり問題はありませんが、時々他の膠原病が隠れていることがあります。特に多いのが関節リウマチです。関節リウマチはあちこちの関節が炎症を起こして最終的には変形してくる病気です。
シェーグレン症候群は、どんどん進行していくような病気ではありません。しかし、他の膠原病の合併が無いか? 内臓の症状が無いか? といったことは、初期の段階で確認しておいたほうが良い病気です。眼と口、両方に乾きの有る方は、今おかかりの眼科や歯科の先生にご相談されてはいかがでしょうか。
*「膠原病」: ひとつの病気を指す名前ではありません。病気のグループを示す名前です。「膠原病」に分類される病気としては「全身性エリテマトーデス」や「多発性筋炎」など20〜30種類の病気があります。「関節リウマチ」も広い意味では「膠原病」に分類されます。