病気の豆知識 vol.020(2016/12/01)狭心症について


循環器内科 教授 塩島 一朗

狭心症について

心臓は心筋と呼ばれる特殊な筋肉でできており、全身に血液を送り出すポンプとして働いています。心筋に血液を送る血管は冠動脈とよばれます。冠動脈には右冠動脈と左冠動脈の2本があり、さらに左冠動脈は左前下行枝と左回旋枝に枝分かれします。狭心症は心筋へ行く血液が不足して、胸の痛みや圧迫感などの症状がでる病気です。多くの場合は冠動脈の動脈硬化によって血液の通り道が狭くなることが原因です。冠動脈が完全につまってしまって血液が流れなくなり、心筋が死んでしまう場合は心筋梗塞といいます。

 典型的な狭心症の症状は労作時(急ぎ足で歩く、階段や坂道を昇る、重い荷物を運ぶ)におこる胸の中央部の痛みや圧迫感で、休むと症状はなくなります。症状の持続時間は数十秒から数分で、持続がこれより短い場合(数秒間など)やチクチクする感じの痛みであれば狭心症ではない可能性のほうが高いです。また、肩の痛みや息切れなど必ずしも典型的でない症状が出る場合もありますし、糖尿病がある場合などは狭心症の発作があっても痛みを感じないこともあります。

 狭心症の検査として、心電図、血液検査、心エコー、心臓CT、心筋シンチグラムなどが主に外来で行われます。これらの検査で狭心症が強く疑われる場合は入院して心臓カテーテル検査をおこない、正確な診断と治療方針の決定をします。狭心症を思わせる症状がある場合には循環器外来の受診をお勧めします。

 

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循環器内科 教授塩島 一朗(しおじま いちろう)

塩島 一朗

専門分野:循環器全般、心不全
認定資格:内科認定医、総合内科専門医、循環器専門医

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