病気の豆知識 vol.022(2017/01/01)ながびく咳


呼吸器・感染症内科 診療教授 宮良 高維

ながびく咳

【咳が出る場合】咳は、気管に飲食物や異物が入らないようにするための生き物の正常な防御反応の一つです。なので、もし、全く咳が無いとしょっちゅう肺炎を繰り返すことになってしまいます。病気で咳が出る場合は、気管支の粘膜に炎症が起こり、ただれて敏感になっているので、少しの刺激でも咳が出てしまうというのが最も多い理由です。
【用心すべき咳(1) 感染症】しかし、軽い咳であっても二週間以上も続く場合は、結核(けっかく)の可能性を除外する必要があります。また、大人の百日咳やマイコプラズマ気管支炎などの感染症の可能性もあります。治療は、抗生物質などの内服で治る例が大半ですが、結核だけは痰の検査などで診断が確定した後に治療を始めます。
【用心すべき咳(2) 喘息】また、咳のために夜中や明け方に目が覚めてしまう方の原因として、気管支喘息の場合があります。この場合は、吸入ステロイドを毎日吸入するのが現代の世界標準の治療です。
【咳の検査】まずはレントゲン写真を撮影し、採血で炎症反応の有無を調べる必要があります。次に、必要に応じて細菌検査や呼吸機能検査、CT検査などを行います。咳が長引く病気は、この他に誤嚥性肺炎、間質性肺炎(肺線維症)、肺癌、気道内異物などもあります。もし、咳が続いているなと感じられましたら、是非マスクを着けられて、呼吸器・感染症内科の受診をご検討下さい。

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注:記載内容や医師情報は掲載時点のものです。 詳しくは担当診療科にご確認ください。
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呼吸器・感染症内科 診療教授宮良 高維(みやら たかゆき)

専門分野:呼吸器・感染症
認定資格:日本内科学会総合内科専門医
日本感染症学会指導医
日本呼吸器学会指導医
出身地:沖縄県
好きな食べ物:沖縄そば、ゴーヤーチャンプルー

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