昔より五臓六腑といわれるカラダの要として、心臓は‘いのち’そのものを司る大切な臓器です。その心臓の具合が悪くなる病気で、国内では年間6万人以上の方が外科手術を受けています。食生活やライフスタイルの欧米化がすすみ、更に心臓血管病になる方は増加しています。
「冠動脈バイパス術」
心臓は1日あたり10万回も休まずに動いて、血液を送り続けるポンプの働きをしています。心臓が絶え間なく動くポンプとするならば、その原動力は‘冠状動脈’から送られる血液です。心臓自身に血液を運ぶ‘冠状動脈’が細くなれば「狭心症」、詰まれば「心筋梗塞」と致命的な病気になり、いずれも程度により冠状動脈バイパス術が必要となります。当院では人工心肺を使わず、かつ心臓を止めずに動かしたまま行う「オフポンプバイパス術」を得意とし、精度が高く長持ちする血行再建を実施しています。
「弁膜症手術」
また心臓の内側は4つの部屋に分かれており、部屋と部屋の仕切りには‘弁’という逆流防止装置が付いています。血液の流れを一方向に‘循環’させるために必要な弁ですが、色々な原因で狭くなる「狭窄症」や逆流がおこる「閉鎖不全症」をきたします。すると心臓や肺、循環に影響が出て、息苦しさや動悸などを繰り返して心不全に至ります。
「心臓弁膜症」の治療として人工弁に取り換える弁置換術、自分の弁を治して逆流をとめる弁形成術や合併する不整脈への手術も当院では積極的に取り入れています。
心臓の病気は様々あり、その方に応じた治療方法を選ぶ時代になっています。心臓や血管の病気が心配な方や、治療が必要と言われた方は、心臓血管外科に気軽にご相談ください。