認知症の有病率は、65歳以上の人口の約15%です。認知症のなかで、最も多い疾患はアルツハイマー型認知症であり、次に多いのが脳血管性認知症です。
認知症の初期は、記憶力低下を主とする中核症状がみられます。中核症状は他に、判断力が低下する、計画通りにものごとをすることができなくなる、時間や場所がわからなくなるなどがあります。次第に認知症が進行してくると中核症状にくわえて周辺症状が現れてきます。周辺症状は、幻覚がでる、妄想をいう、排泄を失敗する、徘徊をする、入浴を嫌がるなどです。これらの周辺症状がでるようになると介護者の負担も増大します。
認知症は、病型によって治療薬が異なります。適切な治療薬を服用することによって病気の進行を緩徐にすることができます。当科では、頭部画像検査(MRIやCT)や単光子放射コンピュータ断層撮像法(SPECT)検査などを用いて認知症の診断を行っています。
認知症は早期発見、早期治療が大切です。診察室に入られましたら、いつからどのような症状があるのかをお話しください。その後、ご家族からご本人の普段の様子を聞かせていただきます。また、介護に関する外来もありますので、診察の時にご相談ください。