運動麻痺とは、脳や脊髄、末梢神経が障害されることで随意的に手足などが動かしにくくなる状態です。脳卒中などが原因で半身が動かせなくなることを片麻痺、頚部の脊髄などの障害で頭部以外の両手足を含む身体全体の筋力が低下することを四肢麻痺、胸部や腰部の脊髄障害による両足の麻痺を対麻痺と呼びます。また、末梢神経が障害されると、その神経が支配している筋肉が動かしにくくなるので、手足が部分的に使いにくくなります。運動麻痺には、感覚の麻痺や筋肉の緊張亢進(筋肉のつっぱり)などがしばしば合併し、動かしにくさを助長しています。
運動麻痺のリハビリテーションは、神経の機能回復、麻痺に合併するつっぱりやこわばりの改善、麻痺を補って機能的に動けるようにするための医療機器等を使いこなすための練習によって行います。
神経の機能回復を目指す治療には、障害されている神経を電気などで刺激する方法があり、当院では頭皮上から脳を刺激する治療や、麻痺している筋の動きの程度に応じて麻痺筋を刺激する治療を行っています。
脳卒中や脊髄の障害で起こる筋肉のつっぱりには、ボツリヌス毒素という神経毒素を局所注射する治療が保険診療によって認可されています。
麻痺を補うための医療機器には様々なものがあり、最近ではロボット工学も取り入れられて来ています。
運動麻痺の機能回復についてご相談のある方は、総合リハビリテーションセンターにどうぞお立ち寄り下さい。