慢性肝炎を引き起こす病気としては、ウイルス性肝炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、アルコール性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎などがあります。肝臓は沈黙の臓器と言われるように、肝炎が進行して肝硬変、肝癌となっても症状に出ることは殆どありません。肝機能の異常を言われた時は、まず原因を調べる必要があります。ウイルス性肝炎は、主にB型、C型肝炎です。B型肝炎の場合、肝機能が正常でも突然肝癌が出来てしまうことがあり、定期的に検査を受けてもらい治療が必要な場合インターフェロン注射やウイルスの増殖を抑える薬を飲んでもらいます。C型肝炎の治療はインターフェロン注射ですが、最近は複数の薬と組み合わせて治療を行うことで治療期間が短くなり7~8割の方が治るようになっています。近い将来インターフェロンを使用せず、飲み薬だけで治療できる時代が来ると思われます。自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変については血液検査、針で肝臓の一部を採取する検査などで早期に診断を行い適切な治療を受けることが大切です。アルコール性肝炎の治療は禁酒しかありません。非アルコール性脂肪性肝炎ですが、アルコールと関係ない脂肪肝の中で進行性の病態を示すものです。内臓脂肪、耐糖能異常などメタボリックシンドロームなどに合併することが多く、治療は食事、運動療法です。肝臓が悪いと言われたら、まず肝臓専門医に受診することをお勧めします。