食事療法は、糖尿病のすべての患者さんに基本となる治療です。糖尿病食は特別な食事ではなく、バランスのよい健康食です。この治療法は、頭で理解していても、実行しなければ意味がなく、また、続けてこそ効果があります。
1.ヘモグロビンとは
ヘモグロビンは赤血球のタンパク質の一種で、酸素と結合し全身の細胞に酸素を送る働きをしています。血糖値が高いと、血液中のブドウ糖がヘモグロビンに結合し、グリコヘモグロビン(HbA1c)というものに変わります。HbA1c検査は、ヘモグロビンのうちグリコヘモグロビンに変わっているのがどのくらいあるのか、その割合を調べる検査です。
2.過去1~2ヶ月の血糖コントロールの指標です
グリコヘモグロビンは一度できるとその赤血球が死ぬまで消滅しません。赤血球の寿命は約4ヶ月です。HbA1c検査は、その平均寿命ともいえる、過去1~2ヶ月間の血糖コントロール状態を反映したものとなります。糖尿病は高血糖状態が長期間続くことで起きる合併症が怖いので、長期間の血糖コントロール状態がわかるということは、治療上、非常に大きな意味を持っています。
3.HbA1c の目標値
HbA1cの目標値は、患者さん一人一人で異なります。主治医と御相談ください。
a.食事療法や運動療法だけで達成可能な場合や、薬物療法中でも低血糖などの副作用なく達成が可能な場合、すなわち血糖正常化を目指す際の目標:6.0%未満
b.合併症予防のための目標:7.0%未満
c.低血糖などの副作用、その他の理由で治療の強化が難しい場合の目標:8.0%未満