心臓は血液を送り出すポンプとして働いており、心臓が収縮して血液を押し出した直後は血管に一番強く圧力がかかります。これが上の血圧(=収縮期血圧)です。心臓は収縮したあと拡張し、このとき血管にかかる圧力は最も弱くなります。これが下の血圧(=拡張期血圧)です。
診察室で測定する血圧(診察室血圧)が140/90以上、自宅で家庭用血圧計を用いて測定する血圧(家庭血圧)が135/85以上を高血圧と診断します。家庭用血圧計には腕で測定するタイプ、手首や指で測定するタイプがありますが、腕で測定するタイプ(図)のほうが正確な値がでますので、腕で測定する血圧計を使用してください。ただし、血圧は日によって、時間帯によって、さらに1拍毎にも変動しますので、1回の測定値で高血圧という診断はできません。1日2回朝と晩に家庭血圧を測定し、1〜2週間の平均値で高血圧かどうかの判断をします。病院や健康診断で測定する血圧が高くても、家庭血圧の1~2週間の平均値が高くなければ高血圧という診断にはなりません。
高血圧はほとんど自覚症状がありませんが、高血圧があると脳卒中や心筋梗塞になる率が2〜3倍に増加します。家庭血圧を測定して高血圧を早期に発見・治療することにより、脳卒中や心筋梗塞の発症を予防することができます。健康診断で血圧が高いと言われた場合や、自宅で測定した血圧が高い時には循環器外来の受診をお勧めします。