乾癬とは慢性に経過する皮膚疾患で、円形や楕円形の赤い皮疹(紅斑)の上にフケのようなもの(鱗屑)ができて、何度も剥がれ落ちる病気のことです。名前から勘違いされがちですが、他人に感染するものではありません。
一般の方に乾癬に対する日本乾癬学会での認知度アンケートが行われた結果、約半数が「知っていた」「名前は聞いたことがある」と回答。しかしながら、約35%が「症状がうつる」や「感染が原因」と回答しました。患者さん自身も見た目が問題になるため負のイメージを持ち、海やプールなどには行けないと言われる方もおられます。まだまだ一般的には誤解も多く、患者さんの肉体的負担もさることながら精神的負担も大きい病気です。
乾癬は原因不明で満足度が高い治療方法が少ない病気でしたが、近年原因となる炎症物質が判明し2011年、その成分を対象とした生物学的製剤と言われる薬剤が使用できる様になってから、患者さんの皮膚状態、満足度ともに高い治療が行えるようになりました。その結果、「温泉に行けるようになった」「諦めていたおしゃれを楽しんでいます」「結婚できました」などの喜びの声を聞くことが出来るようになりました。
皮膚疾患は症状そのものでなく、周囲の目を気にしたり、普段の生活に負担がかかりがちです。新しい治療により患者さんの日々の生活の悩みが解決される事も多いので、乾癬に限らず、皮膚でお悩みの際は遠慮なく皮膚科に受診して下さい。