病気の豆知識 vol.053(2018/04/16)慢性腎臓病について


腎臓内科 講師 塚口 裕康

慢性腎臓病について

 腎疾患の多くは自覚症状がないまま、慢性に経過しゆっくりと腎不全へと進行します。腎臓病が進行すると心臓病や脳血管障害を合併しやすくなり、全身の健康状態に大きな影響を及ぼします。したがって腎臓病を早期に発見し、予防や治療を始めることが大切です。

 そこで腎臓病がたとえ無症状で詳しい病名が確定しない初期段階でも、将来腎不全に進むリスクのある群に対し慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease CKD)というわかりやすい病名を使って、かかりつけ医と専門医が密に連携し、早期からの進行予防を行う診療を行っています。

 慢性腎臓病は、血液と尿検査で簡単に診断でき、また自分がどの程度の進行段階にあるのかを、把握できます。成人の8人に1人は慢性腎臓病で、治療しなければ腎不全へと進行すると考えられます。

 尿蛋白(2+)が持続する場合、あるいは推定糸球体濾過率(estimated glomerular filtration rate;eGFR)が60 ml/分以下の場合、腎臓専門医の診察をうけることをお勧めします。


40-70歳では50 ml/分、70歳以上では40 ml/分

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注:記載内容や医師情報は掲載時点のものです。 詳しくは担当診療科にご確認ください。
「病気の豆知識」リーフレットは院内でも配布しています。 


腎臓内科 講師塚口 裕康(つかぐち ひろやす)

塚口 裕康

専門分野:腎臓病学
認定資格:腎臓内科専門医、透析専門医
出身:兵庫県
好きな食べ物:和食
趣味:読書
血液型:O型

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