皮膚科にはアレルギーや免疫に関係する様々な病気があります。症状が軽ければ塗り薬や飲み薬で治りますが、それではよくならないことがあります。光線治療はそのような治りにくい病気に用いられています。保険適用になっている病気には、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、類乾癬、尋常性白斑、掌蹠膿疱症、菌状息肉症がありますが、その他にも、慢性湿疹や円形脱毛症、皮膚そうよう症、環状肉芽腫、痒疹など数多くの病気に用いられています。光線治療には、1)ナローバンドUVB療法、2)エキシマライト療法、3)PUVA療法の3種類があり、それぞれ特徴があります。1)は一般的に用いられている治療法で、大型の装置の中で広範囲に治療を受けることができます。2)は出力の強い機器を用いますので、1)よりも早く効果がみられることがありますが、照射する範囲は狭い範囲になります。1)と2)は光線に非常に過敏な方を除いて、刺激感や日焼けはほとんど起こりません。3)は波長の長い紫外線(UVA)を利用しているので、皮膚のより深いところに効果をもたらすことができます。ただし、紫外線を当てる前にソラレンという光に反応する薬を塗ったり飲んだりする必要があります。飲み薬の場合、内服したあとには太陽光に当たらないようにしなければならないので入院での治療になります。また、少し皮膚が黒くなる傾向があります。治療量が過度にならないように光線ノートをつけていますが、何十年と治療を受けているとまれに光線による皮膚がんを発症することがあるので注意が必要です。