「物が二つに見える」「瞼が下がってきた」「体が異様に疲れやすい」「腕や脚の力が弱くなった」こんな症状はありませんか?このような症状が現れたら、重症筋無力症の可能性があります。また、「食べ物が飲み込めない」「息が苦しい」といった症状が起こることもあります。この病気は、運動を続けた後や、夕方、疲れが出る時間帯にだけ症状が生じる場合もあり、「サボっている」「心の問題」などと誤解されてしまう場合もあります。
重症筋無力症は、神経と筋肉のつなぎ目(神経筋接合部)に障害が生じ、そのために神経から筋肉への情報伝達が上手くいかなくなることで筋力が低下してしまいます。重症と名前が付いていますが治療法の進歩により、きちんとした専門医による治療を受けていれば、学業や仕事と治療を両立されている方がほとんどです。ただ、この病気が完治することは少なく、長年にわたり投薬が必要になってきます。発症後、治療の開始が遅れるほど治りにくくなると考えられていますので、早期の診断、治療が望まれます。
重症筋無力症は、厚生労働省が指定する難病(特定疾患)の一つです。「重症筋無力症」かも知れないと思った場合には、神経内科の専門医を受診されることをお勧めいたします。