病気の豆知識 vol.063(2018/12/01)認知症について


精神神経科 准教授 奥川 学

認知症について

 認知症の有病率は、65歳以上の高齢者の約15%であり、年々増加しています。認知症のなかで、最も多い疾患はアルツハイマー型認知症であり、その他、脳血管性認知症、レビー小体型認知症などが続きます。


 認知症の初期は、記憶力低下を主とする中核症状がみられます。中核症状は他に、判断力が低下する、計画通りにものごとをすることができなくなる、時間や場所がわからなくなるなどがあります。次第に認知症が進行してくると中核症状にくわえて周辺症状が現れてきます。周辺症状は、幻覚がでる、妄想をいう、排泄を失敗する、徘徊をする、着替えができない、入浴を嫌がるなどです。これらの周辺症状がでるようになると介護者の負担も増大します。


 認知症は、病型によって治療薬が異なります。適切な治療薬を服用することによって病気の進行を緩徐にすることができます。当科では、頭部画像検査(MRIやCT)や単光子放射コンピュータ断層撮像法(SPECT)検査、認知機能検査などを用いて認知症の診断を行っています。


 認知症は早期発見、早期治療が大切です。診察室に入られましたら、いつからどのような症状があるのかをお話しください。その後、ご家族からご本人の普段の様子を聞かせていただきます。また、介護に関する外来もありますので、診察の時にご相談ください。

 

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注:記載内容や医師情報は掲載時点のものです。 詳しくは担当診療科にご確認ください。
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精神神経科 准教授奥川 学(おくがわ がく)

専門分野:脳画像診断学
認定資格:日本精神神経学会専門医

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