悪性リンパ腫は、血液細胞のなかのリンパ球ががん化した病気です。多くの場合、首やわきの下、足の付け根などに、痛みのないしこりとしてあらわれます。また、肺、脳、消化管などリンパ節以外の臓器にも発生することがあります。数週から数カ月かけ徐々に増大して全身的な症状がみられるようになります。進行すれば、全身的な症状としては発熱、体重の減少、顕著な寝汗を伴います。
大別するとホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2種類に分けられます。日本では悪性リンパ腫のうちの約90%が非ホジキンリンパ腫であり、組織型により細かく分類されますが、大きくは、進行速度によって3つの悪性度(低悪性度、中悪性度、高悪性度)に分類されています。
基本的な治療は薬物療法です。抗がん剤や抗体医薬を点滴または内服することにより、がん細胞を消滅させたり、小さくすることが出来ます。
抗がん剤には種類があり、病型により通常、数種類の抗がん剤を組み合わせる多剤併用療法が行われます。病型によっては根治が可能です。
また、がん細胞の特徴的な分子を標的とした抗体医薬もあり、抗がん剤と組み合わせて点滴や内服で投与することもあります。代表的なものはリツキシマブといい、B細胞性非ホジキンリンパ腫の治療に使用されます。最近ではさらに新しい分子標的薬が開発され、主に再発した場合に使用可能となっています。
また、限局している場合や早期の場合には放射線治療が適応となります。短期間の化学療法と併用して行うこともあります。標準的な抗がん剤療法や放射線治療を行っても再発する可能性が高い場合などには造血幹細胞移植も選択肢となります。
当院では最新治療も含めて、これらの治療をすべて行えます。