膵がんは、60歳くらいから増加して高齢になるほど多くなります。死亡者数では男性の第五位、女性の第四位です。
初期症状が乏しく、早期発見が難しいのが現状です。診断された時にはすでに手術できない場合が多く、生存率が最も悪いがんの一つです。
○手術ができる場合:腹部手術の中でも高難度の手術が必要となります。また進行度によって周囲の血管や他の臓器を一緒に切除する場合があります。当院は日本肝胆膵外科学会より膵切除症例数Aランクの施設に認定され、日本肝胆膵外科学会高度技能指導医(1名)を中心に、高度技能専門医(3名)とともに国内最高レベルの手術を行っています。
○手術ができない場合:全身化学療法(抗がん剤)を行います。当科はJCOG(日本臨床腫瘍研究グループ:厚生労働科学研究費がん臨床研究事業)に属し、常に最先端の治療を多くの患者さんに受けて頂いております。状態により放射線治療や緩和ケアも並行して行うことが重要で、各診療科と協力して治療に取り組んでいます。
○手術と(放射線)化学療法との組み合わせ:2001年より手術と(放射線)化学療法を組み合わせた治療に取り組んできました。その結果、長期間生存している患者さんを数多く経験している国内でも最も歴史ある病院の一つとなっています。さらに最近では切除できない患者さんであっても(放射線)化学療法を行った結果、がんが小さくなり完全切除が行えることを経験するようになりました。このような患者さんの数および治療成績は国内トップレベルに達しています。