成人女性の約25%になんらかの尿漏れがあるといわれています。約半数が、せき・くしゃみ・重いものを持ち上げたときに尿が漏れる、腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)で、約11%がトイレに行くのに間に合わない、切迫性尿失禁(せっぱくせいにょうしっきん)、残りの方の多くが腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁が合わさった、混合性尿失禁(こんごうせいにょうしっきん)です。
腹圧性尿失禁は中高年の女性や、出産の経験が多い方に多く、骨盤底筋が緩んでしまい、尿道をしめる機能が低下するために起こります。また、骨盤底筋が緩むことで、膀胱や子宮などの骨盤内臓器が膣から出てくる場合もあります。症状が軽い場合は、生活指導や骨盤底筋体操・薬物療法などで経過をみます。症状が強い場合は、患者さんと相談のうえ手術を行う場合があります。
切迫性尿失禁は膀胱が敏感になる過活動膀胱(かかつどうぼうこう)などが主な原因です。膀胱の緊張を抑えてやわらかくするお薬を用いた治療を行います。
当院の腎泌尿器外科では、尿漏れや骨盤臓器脱などでお困りの女性の方の為に、女性専用の診療枠を設けております。診察する場所も通常の腎泌尿器外科外来ではなく、女性診療科外来で行っております。受診は予約制となっています。このような症状で悩んでおられる方は一度受診を考えてみてください。