睡眠時無呼吸は読んで字のごとく「寝ている時」に「息が止まる」状態です。英語ではSleep Apnea Syndrome(SAS)と書きます。「無呼吸」とは10秒以上の呼吸停止と定義され、この無呼吸が1時間に5回以上または7時間の睡眠中に30回以上ある方は睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
「無呼吸=息が出来ない」ので死んでしまうのではないか?と思われがちですが、実は、この無呼吸自体で、死んでしまうことはありません。むしろ、無呼吸がつづくことで体に負荷がかかり生活習慣病(高血圧や心疾患など)になることや、記憶に新しい新幹線のオーバーラン事件に代表される、昼間の眠気による事故(交通事故、労災事故)に関係するため、ご本人だけでなく社会的にも問題となるのです。
怖いことを書きましたが、SASはしっかり治療すると無呼吸がなくなり、生活習慣病や眠気などの症状もきちんとコントロールできます。この疾患はなにも特殊な疾患ではありません。有病率は人口の4%と言われており、日本には200万人いると言われています。太った方(肥満)に多いですが、痩せているといってないわけではありません。なかなか気がつきにくい、いびきをかく程度で受診するなんて恥ずかしい(女性の方は特に)と言う理由などで、まだまだ治療を受けている方が少ないのが現状です。
以下の表でセルフチェックを実施してみて下さい。当てはまる項目が多い場合は早めに専門の医療機関を受診しましょう。
Q1:しょっちゅう(常習的に)いびきをかく
Q2:肥満傾向がある
Q3:高血圧がある(高血圧の薬を飲んでいる)
Q4:昼間の眠気・居眠りで困ることがある(仕事中、会議中、運転中など)
Q5:寝付きは悪くないが、夜間の眠りが浅い、またはしばしば目が覚める
Q6:いくら寝ても朝疲れが取れていない感じがする、もしくは朝しばしば頭痛がある
Q7:お酒を飲んでいない日でも、夜間寝ている時に息が止まる日がある