概要

救急医学科は、旧滝井病院で1979(昭和54)年に設立されて以来、約40年の歴史を刻んできました。発足当初は、当時の三次救急医療の柱であった重症外傷、熱傷、中毒など主に外因の症例を対象としていましたが、近年では多臓器不全など内因重症例も幅広く診療しています。また、病院前救急診療や災害拠点病院機能の中心となる診療科としても重要性を増しており、平時より、枚方寝屋川消防と共にドクターカーを運用し、救急現場に救急医を派遣しています。大規模災害発生時には、重症度選別(トリアージ)を経た重症者の収容とともに、広域搬送拠点としての機能を発揮する場合にも、運営の中心的役割を果たします。

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次のような症状を扱っています

病院外心停止例、重症外傷・熱傷・急性中毒・体温異常(熱中症、偶発性低体温)などの外傷・外因、急性心不全、消化管出血、敗血症、アナフィラキシー、特殊感染症(ガス産生性感染症、人食いバクテリア感染症、破傷風など)、急性腎不全、血液凝固異常症(播種性血管内凝固症候群、溶血性尿毒症症候群など)、身体合併症産科救急、重症型ギランバレー症候群など急性血液浄化を必要とする例、内分泌クリーゼなどショックを伴う病態、てんかん重積発作など急性意識障害、など。

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ごあいさつ

救急医学科はいわゆる臓器別診療科とは異なり、その時代の社会的要請に応じて診療対象を確立してきました。高度成長時代には激増する交通事故被害者の救命をという声に応え、複数の重要臓器に損傷が及ぶ多発外傷の出血を効率的に止血し、その後生じる呼吸不全・循環不全などを、生命補助機器を使いながら救命する診療科として発達しました。やがてその過程で習熟した機械的人工呼吸器や人工腎臓の適用を重篤な病気の方々にも拡げ、幅広く対象とするようになりました。
近年では小型人工心肺装置を病院外で心停止になった方々に適用し、社会復帰例を得るところまできています。救急搬送症例が急激に増加する時代に入り、多数の急性期傷病を迅速に診たてて、臓器別診療科に委ねる能力も求められています。このような「急性期傷病を対象とした制限時間付きの総合診療能力」を身につけた若手を多数養成し、皆さんの安心・安全に貢献できればと考えています。

診療部長 主任教授 鍬方 安行

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特色・方針

救急医学科は重症救急患者を24時間受入れ、さまざまな急性病態に対応しています。脳機能、呼吸循環、肝腎機能など重要臓器の危機的状況を、循環補助装置、機械的人工呼吸、血液浄化など最新の機器を駆使してサポートしながら、各臓器別診療科との連携で根本的治療を行い、救命・社会復帰につなげる役割を果たしています。2016(平成28)年2月には池側准教授が着任し、診療体制が強化されました。また、毎年新たな若手医師が診療グループに加わり、スタッフの充実につながっています。
2016年1月から救急外来専用の高速CTを新たに導入し、地区救急隊の直接搬送する重篤傷病例、各病院で対応が困難な症例に対してより高度の救命救急医療を提供できる体制を整えました。私どもの救急医学科は、北河内二次医療圏の社会的ニーズに対応しながら、今後とも大都市近郊型の「救急医療最後の砦」として機能してゆきます。

関連している診療支援部門

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実績

診療実績(2021年度版)

救急医学科が診療した傷病者数 1,628名
 うち 重篤患者 882名
 うち 手術患者 206件
初療室からの転帰
救急医学科入院患者 708名
他の診療科に依頼した患者 418名
他院へ転送した患者 18名
外来診療のみの患者 255名
外来死亡患者 229名
搬入経路
救急隊からの直送 1,072名
ドクターカーによる搬入 98名
転医(診療所からの紹介含む) 276名
直接来院 98名
その他(院内急変など) 84名
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スタッフ

氏名 写真 職名 専門分野 認定資格
鍬方 安行 鍬方 安行 主任教授
外科救急
外傷救急
日本救急医学会指導医・専門医
日本外科学会認定登録医・指導医
日本外傷学会専門医
池側 均 池側 均 学長特命准教授 日本救急医学会指導医・専門医
日本熱傷学会専門医
日本航空医療学会認定フライトドクター
梶野 健太郎 梶野 健太郎 准教授 救急医学
災害医学
蘇生医学
日本救急医学会指導医・専門医
日本外科学会認定登録医
日本医師会認定産業医
社会医学系指導医
室谷 卓 室谷 卓 講師
外科救急
救急全般
日本外科学会専門医
日本救急医学会指導医・専門医
櫻本 和人 櫻本 和人 診療講師
外科救急
集中治療
外傷医療
一般外科
日本外科学会専門医
日本救急医学会専門医
中嶋 麻里 中嶋 麻里 助教 日本救急医学会専門医
麻酔科標榜医
中村 文子 中村 文子 助教 日本救急医学会専門医
日本外科学会専門医
日本集中治療学会専門医
前島 健志 前島 健志 助教 日本救急医学会専門医
日本内科学会認定内科医
尾上 敦規 尾上 敦規 病院助教 整形外科 日本救急医学会専門医
日本整形外科学会専門医
中村 佳裕 中村 佳裕 病院助教 日本救急医学会専門医
吉岡 佑将 吉岡	佑将 病院助教
大舟 晃平 大舟	晃平 任期付助教
孫 聖洋 孫	聖洋 任期付助教
吉本 紗季子 吉本 紗季子 任期付助教 小児外科全般
岸本 真房 岸本 真房 助教
(消化器肝臓内科派遣医)
消化器病学
消化器内視鏡学
日本内科学会認定医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本救急医学会救急科専門医
日本内科学会認定内科医
日本消化器病学会専門医
日本救急医学会指導医
矢倉 拓磨 矢倉 拓磨 助教
(整形外科派遣医)
外傷
日本整形外科学会専門医
由井 倫太郎 由井 倫太郎 助教
(外科派遣医)
日本外科学会専門医
藤田 真亜子 藤田 真亜子 助教
(形成外科派遣医)
宮田 真友子 宮田 真友子 助教
(脳神経外科派遣医)
日本脳神経外科学会専門医
山下 裕己 山下 裕己 助教
(整形外科派遣医)
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