組織内照射について

組織内照射について

組織内照射はIMRTなど体の外から放射線を照射する治療法とは異なり、放射性物質(小線源)を病巣付近に挿入し、体の内から直接放射線を照射する治療法で、外部照射と比較して高い線量の照射が可能です。
組織内照射には低線量率小線源治療(LDR)と高線量率小線源治療(HDR)があり、使用する線量で分けられます。LDRは線源を体内に永久挿入しますが、HDRは一時的に線源を挿入し、治療後に抜去します。
HDR治療は、病巣付近に治療用アプリケータを刺し治療計画を作成後、アプリケータの中に放射性物質である密封小線源を挿入、専用の機器を用いて遠隔で照射を行います。HDRでは線源から離れると線量が大幅に減少するため、周囲の正常組織に配慮しながら病巣には100%の線量を照射することが可能です。
また、アプリケータを挿入するので膀胱やお尻の動きに左右されない四次元性の高い治療方法です。
前立腺がんでは前立腺を覆う被膜にがんが広がっているケースでも線源を調節することで被膜外にも照射が可能です。附属病院では超高リスク前立腺がんの治療としてIMRTとHDRの併用照射を行っています。
 
治療は疾患によりますが通常5日程度の入院で行います。

 


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組織内照射(HDR)の流れ

診察
医師が患者さんの状態・希望を確認し、HDRに適応するか検討を行います。HDRでの治療が決まれば治療計画を立てます。




アプリケータ挿入
病巣付近に放射線を照射するため、小線源の通り道となるアプリケータを挿入します。
挿入する本数は病巣部位とがんのステージなどによって異なりますが、前立腺がんでは13本~15本を挿入します。
 
 






治療計画用CT撮影
放射線治療を行うためには実際の病変部分と正常組織の位置を正確に把握する必要があります。そのために治療計画用CT撮影を行います。撮影時はできるだけ体が動かないように固定具を作成し装着していただきます。撮影にかかる時間は30分程度です。








3次元画像誘導治療計画
撮影したCT画像を元にシミュレーションを行い、患者さん個々人にあった治療計画を作成致します。治療計画は医師、医学物理士が専用のコンピュータを用いて作成します。
線源の位置や停留時間を設定し、病巣部分と周囲の正常組織への被曝線量を3次元的に評価することで精度の高い治療が可能となります。

 
 ←前立腺がんに対する3次元画像誘導治療計画
  前立腺には治療用の放射線量(100%線量)以上を投与
  しているが直腸への線量はその50%強に抑えています。
 


 


 ↓前立腺がんに対する3次元画像誘導治療計画
  周囲の正常組織に配慮しながら前立腺+周囲5-10mm
  にのみ集中して照射しています。


その他のがんへの3次元画像誘導治療計画






治療開始

遠隔操作で線源が移動し、治療計画通りに照射が行われます。患者さんによってことなりますが、1回の照射時間は30分程度です。
前立腺がんの場合、照射が2回となるため、アプリケータ挿入から1回目の照射を1日で行い、2回目の照射は翌日となります。


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前立腺がんの放射線治療(短期照射・超短期照射)について

前立腺がんに対する放射線治療について、当院では従来の放射線治療に加え、下記のように短期間での治療が可能な方法を選択いただけます。

<前立腺がん>

  照射方法  放射線治療 照射線量 照射回数 治療期間 保険点数
従来の方法
 通常照射 IMRT
74Gy 37回 8週間 3,000点×37回

2018年4月~
選択が可能と
なった方法

 短期照射 IMRT
60Gy 20回 4週間 4,000点×20回
 
2020年1月~
選択が可能と
なった方法
 
 超短期照射  IMRT
36.25Gy   5回 1週間 63,000点 
組織内照射
(HDR) 
 27Gy  2回 2日  23,000点 
 
IMRTについてはこちら
 
選択が可能となった治療方法は、従来の方法と比較して副作用を増やすことなく同等の効果を得ることができます。
病状によっては従来の方法が適している場合もありますので、治療方法については診察時にご相談のうえ決定させていただきます。
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超高リスク 前立腺がんの治療戦略について

超高リスク前立腺がん(GS:5+5)に対して骨盤照射併用IMRTとHDR組織内照射ブーストの併用療法を2021年1月より開始します。



   治療方法  照射線量  照射回数  治療期間 保険点数

超高リスク前立腺がん
に対する併用照射
 
IMRT 
 +
組織内照射(HDR)
60Gy   30回 6週間  3,000点
×30回
21Gy 3回 2日  23,000点
 
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