胆膵外科は良性から悪性、炎症から腫瘍まで多種多様な疾患を扱います。解剖の複雑さから手術には高度な技術が要求されます。さらには診断が困難であるがゆえ、進行がんで診断されることが多いことも特徴です。他施設にて切除不能と診断された場合でも精査にて切除可能と判断できる場合や、強力な化学療法、さらには精密な放射線照射の後に切除可能となることがあるため、積極的に進行がんの集学的治療に取り組んでいます。このように本領域の治療は施設によって差が生じることも多く、当科では適切な治療について専門的な立場から患者さんとそのご家族のライフプランに合わせた治療方法を提示するようにしています。また良性疾患では、患者さんに優しい単孔式手術を含む腹腔鏡手術を積極的に導入しています。胆膵外科手術は術後合併症や死亡率が比較的高率であり、周術期管理に難渋することもありますが、当科は本邦において手術数が多く、合併症や死亡率が低く、在院日数も短いのが特徴です。退院後も地域全体で患者さんを支えるよう心掛けています。
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