病理部では、患者さんから生検や手術で採取された病変部位から臨床検査技師が組織標本を作製して、病理医が顕微鏡で観察し、病理診断を行っています。その中には組織診断、術中の迅速診断、細胞診断、病理解剖があります。病理診断は主治医に報告され、診断や治療の選択に欠かせないものであり、質の高い医療の提供につながります。
病気の適切な治療のためには、病気の正確な診断が必要です。私たちは病理医・臨床検査技師の良好なチームワークで、迅速で質の高い組織診断・細胞診断を目指しています。また、治療法も年々多様化していますので、個々の患者さんに最も適した治療方針がとられるよう、エビデンスと経験にもとづいた病理診断学的見地から臨床各科との連携を心掛け、診療レベルの向上に努めています。病理医は患者さんに直接接する機会はほとんどありませんが、標本の向こうの患者さんに接している気持ちで診断業務にあたっています。
部長 蔦幸治
特殊染色や豊富な免疫染色などの最新の技術を取り入れて、精度の高い病理診断と多様化する治療法に対応できる体制を構築しています。医療安にも十分に配慮し、取り違え事故などがないように、システムの強化やダブルチェックなどを随所に取り入れています。毎週、病理医と臨床検査技師とで連絡会を開催して問題点の抽出や解決を図り、 組織標本作製から病理診断に至る過程、また検体の保管や精度管理、プライバシー保護などについて随時マニュアルの確認や強化を行っています。病理解剖につきましては、患者さん・御遺族の尊い御篤志に応えられるように万全の体制で臨み、小検討会にて意見交換を行い、医療の発展や教育に貢献します。病理医、臨床検査技師がチームを組み、常に新しい医学知識や技術を修得するよう研鑽を重ね、安全で質の高い医療の実現に努めています。