GICUは、内科・外科を問わず、呼吸・循環・代謝などの重要臓器の急性臓器不全に対し、総合的・集中的に治療・看護を行うことにより、その効果を期待する部門です。主に術後管理と院内発症の重症疾患(敗血症、重症肺炎、重症急性膵炎、多臓器不全など)の治療を行っています。
総合集中治療部(GICU)は院内の重症患者を診療・看護する部門であり、12床(オープン病床8床、個室4床)を有しています。大手術後に入室する患者が多いですが、院内病棟で重症化した患者、院外からの紹介であっても救命救急センターに入室しない重症患者を診療しています。
他施設ではオープンICUが多いですが、当院は集中治療専門医によるクローズドICUとして、各診療科の医師と連携して運営しています。ショック患者、敗血症患者の診療・看護が主体となっています。当院が大学附属病院・急性期病院として高度の医療・看護を実施するための中核部門であり、一般病棟では困難な学生・研修医・看護師が重症患者管理を研修する場としても最適です。
診療手段は人工呼吸器による各種換気法、循環管理、血液浄化法、重症感染症治療があります。また、最新の各種モニタリング機器、検査を駆使した病態把握、薬物療法を学ぶこともできる場となっております。
部長 上林 卓彦 (麻酔科教授)
当院GICUは厚生労働省が定める特定集中治療室の施設基準を満たす施設です。12床(個室4床、オープンフロア8床)を、5名の専従麻酔科医師で管理しており、常時GICU内に勤務しています。このうち2名は集中治療専門医であり、クローズド ICU形式(専従医師が80%以上の業務・治療方針の決定を行う)で管理を行っています。心臓血管外科術後含む外科系疾患の術後管理のみならず、一般病棟では管理の難しい重症状態の患者さんも内科・外科を問わず広く扱っています。
心臓血管外科や消化器外科などの大きい手術(予定時間が長かったり予測出血量が多い手術)を受ける患者さんや心疾患、呼吸器疾患や維持透析など重篤な基礎疾患を持っている患者さんが手術を受けられる場合は術後の全身状態が不安定になりやすいです。周術期、特に術後に起こりうる合併症を少なくするのがGICUでの管理の目的です。手術を受ける全ての患者さんがGICUに入室する訳ではありませんが、当院で手術を受けられる患者さんの2割ほどの方が、GICUでの管理を必要としています。
当院GICUは、日本集中治療医学会専門医研修認定施設です。年間2,200例前後の症例があり、その内300〜350例は重症敗血症やARDSなどの重症全身管理が必要な症例です。術後管理のみならず、内科・外科の重症管理が経験出来ます。また集中治療専門医のなかには、ICD(インフェクションコントロールドクター)、NST(栄養サポートチーム)、RST(呼吸サポートチーム)などの資格や知識を持った医師もおります。集中治療の研修なども積極的に受け入れています。