疼痛に対するリハビリテーション治療では、身体機能の異常を改善することにより痛みを緩和し、動作・活動レベルの向上、生活の質の改善を目的としています。その方法は、「運動療法」と「物理療法」が中心となります。
日常的に痛みを避ける動きを繰り返していると、本来働くべき筋肉が使われなくなり、血流障害や柔軟性の低下により慢性的な痛みを引き起こします。近年の慢性疼痛治療に対するリハビリテーションにおいて、運動療法(筋力増強訓練やストレッチングなど)がより有用な手段であると考えられています。患者さん1人1人の状態に合わせた治療プログラムを考案し、ホームエクササイズと組み合わせながら痛みの軽減を図ることで、「痛みがあっても動ける」という成功体験につながり、身体機能を向上させます。
また、当院のリハビリテーション科では、表面筋電図や三次元動作解析機器等を使用した機能評価に基づくリハビリ介入を行っています。回復過程における外見上の動作の変化を裏付けるためのツールとして有用です。