腎不全への進行予備群(慢性腎臓病)の過半数以上が、メタボリックシンドローム(肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常)と関係しており、肥満や体重増加が病状を大きく左右しています。
このような生活習慣と関係した腎臓病は初期であれば、適切な食事や内服療法により、進行を予防できます。しかし慢性腎臓病の初期には自覚症状がないため、未治療のまま気づかないうちに腎不全が進行していることが多くあります。
腎センターでは、腎不全進行の予防のため検診などで腎機能低下を指摘された方に、専門医による診療を行っています。
【専門医受診が進められる検査基準(CKD診療ガイド2012:日本腎臓学会に準拠)】
①たんぱく尿0.5g/gCr以上または2+以上
②たんぱく病と血尿がともに陽性(1+以上)
③40 歳未満 GFR 60 mL/分/1.73m2 未満
40 歳以上 70 歳未満 GFR 50 mL/分/1.73m2 未満
70 歳以上 GFR 40 mL/分/1.73m2 未満
腎センターでは慢性腎臓病の患者さんに対する診療として血圧、血糖、コレステロールを厳しく管理しながら、たんぱく質や塩分の摂取量を制限して腎臓への負担を減らします。血圧の目標は130/80 mmHg未満ですが、たんぱく尿が1日1g以上と多ければ125/75 mmHg未満とより厳しくします。
また、血圧を下げるだけでなく腎臓を保護する作用がある高血圧治療薬を使用し、腎不全の予防に重点を置いた診療をすすめています。