急性重症患者看護
専門看護師3

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急性重症患者看護専門看護師3

附属病院 GICU 2015年入職

正解はひとつではない。
広い視点を持てる看護師に。

救命の分野で経験を積み、DMAT(医療救護班)にも所属し、後輩にも慕われという日々を過ごす中で他施設からやってきた看護師たちの話を聞くにつれて「本当にこれまでしてきた看護は正解なんだろうか」「もっといろいろな可能性があるじゃないか」という気持ちが大きくなってきました。そして世界の医療にも触れてみたいという思いのもとにカナダへ短期留学。帰国後は大学院に通い、急性重症患者看護専門看護師の資格を得ました。
現在は附属病院のGICUで術後重症感染症に罹患した患者さんの言葉にならない訴えに耳を傾け、循環・呼吸といった指標を観察し、退院後の生活を見据えながらコントロールする仕事をしています。また、同じ思いを持った仲間を増やしたいとも考えており、医療雑誌への寄稿のほか、英論文を読む「ジャーナルクラブ」といものを院内で不定期に開催しています。英論文にこだわっているのは病院の中、日本の中だけでなく、世界にも目を向けて欲しいという思いから。ひとつの病院で長く過ごすほど考え方は固定されがちです。しかし、看護の方法ひとつとっても世界にはいろいろな可能性が眠っている。若いひとたちには特にそのことを知ってもらいたいですね。
急性重症患者看護専門看護師3

回復したいという願いに
寄り添えるように。

これまでの看護師人生を振り返って、いくらいいことを思い出そうとしても、基本的には「もっとこうすればよかったんじゃないか」「こんな看護ができたんじゃないか」と悔やまれることばかりです。その中でも印象的だったのは約1年前に出会った患者さんです。その方は50代の女性で、重い敗血症を患っていましたが数週間後に迫っていた娘さんの結婚式にどうしても参列したいと、気管チューブが留置されているにもかかわらず、懸命に歩行訓練を繰り返されました。そして辛い訓練の中でも応援に駆けつけた娘さんと笑いあっている姿を見て、幸せな気持ちをいただくとともに、回復したいと願うモチベーションの大切さを実感。日々業務にあたっているとつい医療側の考えでリハビリを進めてしまいますが、本当は患者さん自身が回復を願い、その気持ちを維持しながらリハビリする方がいいに決まっています。そしてその気持ちを支えることこそが、看護師の仕事であるはず。その患者さんから、そんな当たり前のことを改めて教えていただきました。