患者さんのペースで
ゆっくりと向き合うことが必要。
100歳を目前にした超高齢の入院患者さんが夜間排泄のためにほとんど睡眠がとれず、ご本人もご家族も、そして看護スタッフも皆が疲労していることがありました。そこで関係者たちと検討を重ね、患者さんの生活サイクルを把握するために24時間シートの記入、そして快い刺激を与えるための足浴の実施を提案。現場スタッフも忙しい中「なんとかしたい」という一心で懸命に取り組み、少しずつ症状の改善に向かいました。実はもともとこの方は他院にかかっておられましたが、そこでの対応が原因でご家族は医療や病院そのものに不信感を抱かれていました。それでも私たちが一生懸命に取り組む姿を見て心に変化が。無事退院後には元気になったお姿を収めた写真まで送っていただくほど、感謝をしていただけました。急性期の現場ではスピード感ある対応が求められますが、ときには患者さんのペースでゆっくりと向き合うことも必要。「やさしい認知症看護」の大切さを改めて知ることができました。