うつ病は、生涯有病率が約7%で年間患者数が100万人を越える疾患です。その社会的コストは年間3 兆円であり、患者様自身、家族、社会にとって大きな影響を与えています。うつ病の発症には多く因子が関連しており、性格、環境、ストレスなどがその代表的なものです。
精神神経科
准教授 加藤 正樹
うつ病は、生涯有病率が約7%で年間患者数が100万人を越える疾患です。その社会的コストは年間3 兆円であり、患者様自身、家族、社会にとって大きな影響を与えています。うつ病の発症には多く因子が関連しており、性格、環境、ストレスなどがその代表的なものです。
「今まで好きだったことに全く興味を感じない」、「気分が落ち込む」、「疲れやすい」、「眠れない」、「おなかが空かない」、「周囲に迷惑をかけてしまっている」、「イライラする」、「体が重い・痛い」、などうつ病による愁訴・症状は多彩です。
以下の中核症状の存在が2週間以上継続したら専門医に相談するといいでしょう。
・中核症状1:抑うつ気分「気分が沈む、悲しい、絶望的な気持ち」「ともかく泣きたい感じ」
・中核症状2:興味・喜びの喪失「これまで好きだったこと、趣味などに全く興味を感じない、楽しくない」「仕事や家事の量が減る、あるいは能率が悪い」
症状の重症度、特徴を詳細に評価し、うつ状態が身体の病気によるもの、うつ病以外の精神疾患であるものかどうかを総合的に検査します。血液検査、頭部MRI検査、脳波検査を基本とし、必要に応じて認知機能検査や知的能力検査、遺伝子検査などを行います。
環境調整・休養・薬物治療・精神療法を行います。これらと患者さん自身のレジリエンス(治癒力)との補完的に作用により症状が改善していきます。
最新の検査と安心できる治療体制を整えております。患者背景、病態の理解に努め、環境調整・休養・薬物治療・精神療法を各時期に応じてバランス良く行います。
薬物治療に関しましては、多剤の併用はできるかぎりせず、必要最低限の種類での治療を基本としています。将来的には、お薬を投与する前に各患者様での効果・副作用が予測でき、患者さん一人ひとりに最適の治療、つまりオーダーメイド治療を提供できることを目指しております。
薬物治療で改善しない場合は、入院環境にて修正型電気けいれん療法(m-ECT)、反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)療法を行うこともあります。
注:記載内容や医師情報は掲載時点のものです。 詳しくは担当診療科にご確認ください。