ぶどう膜炎とは、目の中のぶどう膜(虹彩、毛様体、脈絡膜から構成される)に炎症を起こす病気の総称です。原因は様々ですが、約半数はサルコイドーシス、原田病、ベーチェット病の三大ぶどう膜炎が占めています。他に、膠原病、糖尿病、感染症(結核や梅毒など)、悪性腫瘍など多種多様な病気が原因となり得ます。原因の特定できるものは全体の半数程度で、原因が特定できない場合も半数程度あります。
眼科
病院准教授 尾辻󠄀 剛
ぶどう膜炎とは、目の中のぶどう膜(虹彩、毛様体、脈絡膜から構成される)に炎症を起こす病気の総称です。原因は様々ですが、約半数はサルコイドーシス、原田病、ベーチェット病の三大ぶどう膜炎が占めています。他に、膠原病、糖尿病、感染症(結核や梅毒など)、悪性腫瘍など多種多様な病気が原因となり得ます。原因の特定できるものは全体の半数程度で、原因が特定できない場合も半数程度あります。
眼のなかの炎症の部位や程度によって異なり、色々な眼の症状を起こします。特に多いのは、充血、眼が痛い、光がまぶしい、眼がかすむ、黒い影のようなものが見える(飛蚊症)、ものが見にくい、といった症状です。また、片眼だけや、両眼のこともあり、両眼交互に症状が現れることもあります。そして、急激に悪化するもの、徐々に悪くなるもの、一時的に良くなり再びまた悪くなるといった再発を繰り返すものもあります。
一般的な眼科検査や蛍光眼底造影検査に加えて、血液検査・胸部X線検査などの全身検査、ツベルクリン反応検査などが行われます。前述の三大ぶどう膜炎では、目以外の体にも症状が現れるため、内科や皮膚科など、複数の診療科との併診が必要です。
ぶどう膜炎は様々な原因で起こるため、治療方法も様々です。病気の状態によって、使う薬の種類も様々で、また使用方法も、点眼、内服、注射、点滴などがあります。時には、眼の手術が必要となることもあります。ぶどう膜炎には、治療の難しいものや、治療に長い時間のかかるものが多く、慢性化するものも少なくありません。また、再発しやすい疾患が多いのが特徴です。
重要なことは、医師の指示があるまでは、患者さんだけの判断で通院を止めないことです。症状に応じて適当な間隔で受診し、炎症の状態やその他の異常がないかどうか定期的に診察を受け、異変を感じた場合は速やかに眼科を受診して下さい。
注:記載内容や医師情報は掲載時点のものです。 詳しくは担当診療科にご確認ください。