血液中のブドウ糖(血糖)が正常より高くなり、その状態が続いてしまう病気です。これは、すい臓から分泌される“インスリン”という血糖を下げることができる唯一のホルモンの分泌が不足したり、働きが悪くなることが原因でおこります。すると慢性的に高血糖の状態が続き、さらに様々な合併症を引き起こします。合併症としては、糖尿病神経症、糖尿病網膜症(進行すると失明)、糖尿病腎症(進行すると透析が必要)が有名ですが、脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患や免疫力の低下、足壊疽(下肢切断が必要な場合もあります)、歯周病、癌などの病気も起こりやすくなります。
糖尿病には原因によっていくつかの種類があります。もっとも多いのは2型糖尿病です。その他に、1型糖尿病、膵臓や肝臓の病気、お薬、感染症などによって糖尿病になることもあります。また妊娠糖尿病といわれる妊娠によって引き起こされる糖代謝異常があります。これは糖尿病には至っていませんが、母体や胎児・新生児への影響を考えて適切な治療や管理をする必要があります。
1型糖尿病 | 2型糖尿病 | |
患者さんの割合 | 5%以下 | 90%以上 |
主な発症年齢 | 若年(25歳以下)が多い | 中年以降が多い |
主な誘因 | ウィルス感染など | 過食、肥満、運動不足、ストレス不足など |
症状 | のどの渇き、多飲、多尿 | 無症状のことが多い |
体系 | やせ型が多い | 肥満型が多い |
治療方法 | インスリン注射が不可欠 | 食事療法と運動療法が基本。飲み薬(経口薬)やインスリン注射を併用する場合も多い。 |