肺がんとは肺にできた癌です。肺癌は日本人のがんによる死亡原因のトップとなっています。近年、CT検査の普及により、より早い段階の肺がんが発見されることも増えてきました。これらは喫煙歴のない女性にもみられます。
呼吸器外科
教授 金田 浩由紀
肺がんとは肺にできた癌です。肺癌は日本人のがんによる死亡原因のトップとなっています。近年、CT検査の普及により、より早い段階の肺がんが発見されることも増えてきました。これらは喫煙歴のない女性にもみられます。
肺がんは、早い段階では症状はほとんど認めませんがが、病状の進行とともにさまざまな症状が出現します。
画像検査(胸部CTなど)、腫瘍マーカー検査を行います。これらの検査で肺がんが疑われる場合に、気管支鏡検査などにより病理診断にて確定診断を行います。
手術、放射線治療、抗がん剤治療、分子標的薬治療、など
現在、肺がんの手術を主とした治療方法の選択は、組織型と病期から行います。組織型には、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん、小細胞がんなどがあります。病期には、早い段階から順にIA期、IB期、IIA期、IIB期、IIIA期、IIIB期、IV期があります。
非小細胞がんの場合はIA期からIIIA期までが手術を中心とした治療の対象となり、小細胞がんの場合はI期のみが手術の対象となります。肺は右肺が3つ、左肺が2つのブロック(肺葉)に分かれていますが、標準的な手術方法は肺葉切除+リンパ節郭清です。
当院での得意とする手術は3ポート胸腔鏡手術です。これは3つの穴から手術を行います。さらに、単孔式胸腔鏡下肺葉切除術/肺区域切除術も行っています。これは、1つの穴から全ての手術操作を行います。
CTで偶発的に見つかる早い段階の肺腺がんに対して、いくつかの指標を用いて適切なタイミングで手術を行うようにします。これは特に多発肺腺がんに対しても重要となります。
病期によっては、完全切除した後でも抗がん剤治療を補助的に行った方が予後が良いというデータがあります。その適応には臨床倫理的な判断をしていきます。
注:記載内容や医師情報は掲載時点のものです。 詳しくは担当診療科にご確認ください。