病気の辞典 vol.024(2018/02/09)足潰瘍

皮膚科
講師 谷村 裕嗣

足潰瘍とフットケアチーム



概要

 足潰瘍の原因は、糖尿病、閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤など多岐にわたります。そのため、足潰瘍に関わる診療科も、皮膚科、内分泌内科、末梢血管外科、整形外科、形成外科など多岐にわたります。したがって、中心的な役割を果たすべき診療科に辿り着くことが出来ないまま、なかなか改善しないことが多いのが現状です。複数の診療科の協力体制がなく、適切な治療が提供されていないこともままあります。そこで関西医科大学総合医療センターでは診療科の枠を超えて「フットケアチーム」を結成し、複数科が密に連携しています。チームで情報を共有し、最適の治療を選択する体制を整えています。



検査と治療

 まずは原因検索を行います。採血、ABI、SPP、MRIなど外来でできるものから入院の上で血管から造影剤を注入し血管の流れをみる血流検査まで様々な検査を行います。

 原因が特定されれば、まずは原疾患の治療を行います。そして、原疾患の状態がある程度落ち着いてくれば、足潰瘍の治療を開始します。全身麻酔下で、死んだ組織を取り除く手術、お腹あたりから皮膚を採取し植える植皮術、潰瘍の部分にスポンジを着け陰圧で吸引する治療、その他にもさまざまな治療をしています。また、傷の治りを促進させるために悪玉コレステロールを吸着する治療なども行うことがあります。

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注:記載内容や医師情報は掲載時点のものです。 詳しくは担当診療科にご確認ください。


皮膚科 講師谷村 裕嗣(たにむら ひろつぐ)

谷村 裕嗣

専門分野:皮膚悪性腫瘍、フットケア

認定資格:日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、スポーツシューフィッター

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