統合失調症はおよそ100人に1人弱がかかる、頻度の高い精神疾患です。幻覚や妄想といった症状が特徴的ですが、その他にも多くの症状(障害)が認められ、病気になる原因は現時点では明らかになっていません。一般的には10歳代後半~30歳代に発症し、その後一定の安定と再発を繰り返すことが知られています。但し、経過は個人差が大きく一様ではありません。近年、新しい薬物治療や社会心理的治療により、長期的な安定や回復に至る患者さんも増加しています。
精神神経科
講師 嶽北 佳輝
統合失調症はおよそ100人に1人弱がかかる、頻度の高い精神疾患です。幻覚や妄想といった症状が特徴的ですが、その他にも多くの症状(障害)が認められ、病気になる原因は現時点では明らかになっていません。一般的には10歳代後半~30歳代に発症し、その後一定の安定と再発を繰り返すことが知られています。但し、経過は個人差が大きく一様ではありません。近年、新しい薬物治療や社会心理的治療により、長期的な安定や回復に至る患者さんも増加しています。
代表的な症状としては、幻覚や妄想といった陽性症状、会話や行動・感情・意欲の障害といった陰性症状、認知機能障害などがあります。これらの症状や障害のため、多くの患者さんが日常生活や就労などを含めた社会生活に大きなマイナスの影響を受けています。
統合失調症であることを確定させる検査はありませんが、他の精神疾患や身体の病気(脳炎、内分泌疾患、自己免疫性疾患、脳腫瘍、てんかんなど)と鑑別を行うために心理検査、血液検査、画像検査、脳波検査などを受けて頂くことが多くあります。
統合失調症の現在最も一般的な治療法は、抗精神病薬と呼ばれる薬物による薬物治療と、心と環境に働きかけを行う社会心理的治療の組み合わせです。薬物治療なしに行う心理社会的な治療には効果が乏しく、両方の治療を組み合わせると相乗的な効果があるとされています。
当院では、薬物療法として副作用が現れにくい新しいタイプの抗精神病薬(第2世代抗精神病薬)による治療を推し進めています。また、社会心理的治療を行う場として、作業活動を通じて生活機能の回復や改善を目指す「作業療法」や障害の理解や対処、対人関係の訓練を行う「デイケア」を併設しており、各患者さんに合った治療を紹介しています。
注:記載内容や医師情報は掲載時点のものです。 詳しくは担当診療科にご確認ください。