病気の辞典 vol.032(2019/11/25)緑内障

眼科
教授 西村 哲哉

緑内障



概要

 緑内障は、我が国における成人における失明原因の第1位です。また、40歳以上の日本人の20人に1人が緑内障であることが判明し、さらにその数も年齢とともに増加していくことが知られています。


 また、緑内障は古くから、眼圧が上昇することで視神経が障害される病気とされてきましたが、近年の研究では、正常眼圧緑内障が多い日本人においては、必ずしも、眼圧上昇だけが原因であるとはいえないことが分かっています。しかし、すべての緑内障において、眼圧を下降させることで、緑内障になるリスクが下げ、視野が悪くなる(緑内障が進行する)可能性を低くすることができます。緑内障治療では生涯にわたり、眼圧値を安全な範囲にコントロールしていくことが重要です。



症状

 見える範囲(視野)が狭くなる症状が一般的です。しかし、日常生活では、両眼で見ており、多くの場合、病気の進行は緩やかですので、初期は視野障害があっても自覚しないことがほとんどです。一方、緑内障の末期なると、視力が低下したり、失明することさえありえます。そして、喪失した視野や視力は治療によって回復させることができません。


 また、急激に眼圧が著しく上昇した場合(急性緑内障発作)は、眼痛・充血・目のかすみのほか、頭痛や吐き気を自覚することもあります。



検査

 眼科一般検査、とくに眼圧検査は毎回、視野検査は定期的に測定する必要があります。



治療

 原則として、目薬により眼圧を下降させます。目薬で眼圧が下がらない場合や効果が不十分な場合は、手術が必要となります。前述の急性緑内障発作では、緊急手術が必要となる場合があります。/p>

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注:記載内容や医師情報は掲載時点のものです。 詳しくは担当診療科にご確認ください。


眼科 教授西村 哲哉(にしむら てつや)

専門分野:網膜・硝子体、白内障

認定資格:眼科専門医

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