医療安全管理部の活動の目的は、医療事故の防止です。日々収集されるインシデント報告を基に、より重大な医療事故を防止すること、予想される医療事故を防止することを、組織的な対策を中心に検討しています。具体的な活動内容は、厚労省策定の医療安全管理者の業務指針を基に、院内の医療安全管理マニュアルに規定されています。また、一旦発生してしまった医療事故について、当事者の支援を行っています。
専任者1名を含む医師3名、専従者1名専任者1名を含む看護師4名、専任薬剤師1名、専任事務2名から構成され、毎月開催している医療安全管理対策委員会やセーフティーマネージャー委員会などの定期開催の会議や、必要時に臨時開催される会議の運営を行っています。
医療安全の確保は、当院においても病院運営上最も重要なテーマの1つととらえています。医療安全部では、患者さんに安全で質の高い医療を提供するために、医療事故の防止を図り、再発防止策を推進する医療安全管理体制を確保することに取り組んでいます。
安全対策委員会において院内における問題点を協議し、問題解決に向け迅速に行動しています。医療事故を防止するための情報収集・分析・対策立案・フィードバック・評価を行っています。セーフティマネージャー委員会の運営、また、ポケット版「医療安全対策マニュアル」を配付し、すべての病院職員が携帯できるようにするなど、全職員に情報が行き渡るよう周知徹底を促し、職員の医療安全に係る意識の向上を図り、インシデント報告体制や安全管理体制を定着させています。最終的に患者さんの安全につながるよう、医療安全推進は終わりのない活動であるとの認識を持っています。課題はたくさんありますが、医療の安全確保と質の向上のために邁進する所存でございますので、どうぞよろしくお願い致します。
部長 教授 増澤 宗洋
・医療行為は医療者によって為されるものであり、そこに起こる医療事故は、もちろん医療者が起こすものです。しかし、医療事故を予防する取り組みを医療者個人の努力に求めているだけでは本当に有効な防止策にはなりません。医療事故を避けるためにどのような組織的な防止策が取り得るか、それを考えることが医療安全管理の目的となります。そのための、医療事故を報告する文化、コンプライアンスを守る正義の文化、組織内でコミュニケーションの取れた柔軟な文化、常に学び教えあう学習する文化、これらの安全文化を醸成することにより、医療安全活動を推進しています。
・インシデント報告では、国立大学医学部附属病院医療安全管理協議会が策定した患者影響度分類を必要に応じて改変し、使用しています。合併症として考えられているものも対象としています。患者影響度分類3b以上として具体的例を挙げ、インシデント報告を促しています。