概要

放射線医学は超高圧X線や密封小線源を用いて悪性腫瘍の治療を行う「放射線治療」、各種の単純X線写真や透視診断、CT、MRIや血管造影により病気の診断を行う「放射線診断学」、放射線同位元素を体内に投与して病気の機能診断やRI内療法を行う「核医学」、X線透視下や超音波ガイド下にガイドワイヤーやカテーテルを用いて低侵襲的治療を行う「インターベンショナルラジオロジー(IVR)」の四つの分野に区分されます。
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ごあいさつ

放射線科では、総合医療センター発足を機に従来の画像診断装置(MRI、CT、PET/CT 等)や放射線治療機器に加え、3Tの MR 装置、16列の検出器を配した SPET/CT、最新のリニアック装置等々が導入されています。当科には画像診断、核医学、放射線治療、血管造影IVR の4つの診療分野がありますが、それぞれの領域で研鑽を重ねた専門家が診療を担当しています。我々放射線科スタッフは4分野間での連絡を密にし、最先端の診断・治療機器を用い最良の医療を提供しています。また、同時に各診療科からの多様な要望にも対応しています。加えて当科は日本医学放射線学会・日本核医学会・日本 IVR 学会の専門医研修施設であり、多くの若い医師が日夜診療・勉学に励んでおります。

診療部長 教授 宇都宮 啓太

診療科紹介動画

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特色・方針

放射線治療部門 : このたび日本放射線腫瘍学会の認定施設(C)に認定されました。治療方針を決めて適切な計画を立てる放射線腫瘍医だけでなく、その計画通りに精密な放射線照射を実行する放射線技術スタッフ、患者さんの日々の体調の変化を見抜く看護スタッフ、皆の細やかな連携で治療を行っています。2021年の治療の実績ですが、外部照射は三次元原体照射という方法を用いて221例の方に行いました。当科の特徴としては、特に一定の疾患に偏ることなく、根治的な目的の方から緩和的な目的の方まで治療を行っています。また、悪性腫瘍に対する治療以外にケロイドなどの良性疾患の方にも積極的に治療を行っています。今後、より先端的なものとしての強度変調放射線治療(IMRT)なども導入していきたいと考えています。小線源治療は、前立腺癌に対しての低線量率放射性ヨウ素線源の永久挿入治療を24例の方に行いました。この治療については、泌尿器科の先生方のお力を大きくお借りしています。また、高線量率放射性イリジウム線源の一時挿入治療(子宮癌、前立腺癌、頭頚部癌、皮膚癌、など)も38例に行いました。この治療は1日から数日で完了することが出来るため、外部照射のために一定期間通院することが難しい方にも行える場合があり、希望される方が増えています。従来の根治的な目的で行う以外に、このような緩和目的の方が増えたため、この数年で治療を受ける方が約3倍になりました。

 

画像診断部門 : 画像診断部門では単純X線写真、CT(Computed Tomography:コンピューター断層画像)、MRI(Magnetic Resonance Imaging:核磁気共鳴画像)を中心に検査、診断を行っています。現在ではCT/MRIによる画像診断は、脳血管障害、外傷、気胸、急性腹症などの救急疾患も含めた全身の総合臨床診断の要です。早期から進行癌まで、また脳血管障害、認知症、肺炎などの感染症、多種多様な内分泌代謝疾患、血管炎、膠原病などの診断、重症度評価を行っており、ほぼ全ての診療科の治療方針の決定に重要な役割を担っています。常に患者様の安全を確保し、画像検査の質的向上に努め、地域医療連携も含む信頼される放射線科画像診断部門を目指します。最近では3次元 ・ 4次元CTやヨードマップ画像(肺血流などのパーフュージョンCT)、物質分別画像、MRI拡散強調画像、MRスペクトロスコピーなど最新の診断技術を用い、豊富な臨床経験を蓄積して得られたノウハウを基に的確な診断を行なっています。さらに、CTのX線被曝の低減、画像の高コントラスト化、造影剤使用量低減も図り画像検査・診断の整備・強化に尽力しています。

 

核医学部門 ・ PETセンター : PET/CT 1台、SPECT/CT 1台、SPECT 装置1台が導入されています。F-18 FDG やTc-99m, I-123, I-131, Ga-67, Tl-201, In-111 等を用いた PET/CT, SPECT/CT 検査全般が行われ、日々専門医により診断が行われています。これらの核医学検査・診断のみならず RI 内用療法を広く手掛けています。RI 内用療法とは、粒子線(β線やα線)放出核種を体内に投与し病巣に集中(ターゲッティング)させて体内から選択的に放射線照射を行うものです。I-131 によるバセドウ病治療、甲状腺癌術後のアブレーション治療、Y-90標識イブリツモマブチウキセタンを用いたB細胞非ホジキンリンパ腫およびマントル細胞リンパ腫の治療、Ra-223 を用いた転移性骨腫瘍に対する治療等を行っています。局所の照射ではなく Systemic な放射線治療として今後の癌治療において期待されている分野であります。また、近い将来には Lu-177 標識オキソドトレオチドを用いソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍に対する治療にも取り組んでいく所存であります。

 

インターベンショナルラジオロジー(IVR)部門 : IVRはインターベンショナル・ラジオロジー(Interventional Radiology)の略で、画像下治療とも呼ばれています。X線透視やCTなどの画像ガイド下に体内を透見しながらカテーテルや針を使用して行う治療です。低侵襲であるためからだへの負担が少なく、高齢の患者さんも安心して治療を受けられる一方で、外科手術と同程度の治療効果が得られることが最大の特徴です。IVRが対象とする疾患は脳動脈瘤から大動脈瘤、血管閉塞、良悪性腫瘍、血管奇形など多岐にわたります。画像診断に精通する放射線科医師が画像ガイド下に行うIVRを行うことは必然であり、IVR医は病院の医療レベル向上に欠かせない存在です。当院では、バイプレーンIVR-CT装置1台を用いて、各科と連携してIVRを行っています。 肝細胞がん(HCC)に対しては、肝動脈化学塞栓療法を行っています。カテーテルをがんを栄養する血管まで挿入し、がんの部分にピンポイントで抗がん剤を注入いたします。抗がん剤を注入した後に、血管を塞栓することによってさらに治療効果を高めることが可能となります。ピンポイントで抗がん剤を注入することでがんの部分に高濃度の抗がん剤を到達させ、また、血管を塞栓することでがん細胞が血液から栄養を受けることができない「兵糧攻め」の状態にすることができます。点滴での抗がん剤治療や、頻回の点滴が必要となる患者さまには、CVポート留置を行っています。CVポートは、中心静脈カテーテルの一種で、皮膚の下にポートを埋め込み、それによって薬剤を投与できるようにするものです。100円硬貨程度のサイズの本体と薬剤を入れるカテーテル(チューブ)で構成され、本体のセプタムという圧縮シリコンゴムの部分に専用の針を刺して薬剤を注入することで血管内に薬剤が投与されます。その他にも当院では、CTガイド下膿瘍ドレナージやCTガイド下生検、動脈瘤に対するコイル塞栓術、出血に対する緊急塞栓術など、様々なIVRを行っています。

 

担当している特殊外来

担当している最新治療

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実績

診療実績(2021年度)

1日平均外来患者数18.8人
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スタッフ

氏名 写真 職名 専門分野 認定資格
宇都宮 啓太 宇都宮 啓太 教授
診療部長
放射線診断
核医学
日本医学放射線学会診断専門医
日本核医学会核医学専門医
日本核医学会核医学PET認定医
日本消化器がん検診学会認定医
日本人間ドック学会認定医
吉田 謙 吉田 謙 准教授 放射線治療 日本医学放射線学会放射線治療専門医 
何澤 信礼 何澤 信礼 講師 放射線診断 日本医学放射線学会診断専門医
米虫 敦 米虫 敦 講師 放射線診断 IVR 日本医学放射線学会診断専門医
日本インターベンショナルラジオロジー学会専門医
検診マンモグラフィ読影認定医
播磨 洋子 播磨 洋子 非常勤講師 放射線治療 日本医学放射線学会放射線治療専門医   
日本ハイパーサーミア学会指導医
日本がん治療認定医
志賀 淑子 志賀 淑子 助教 放射線治療 日本医学放射線学会放射線治療専門医
中島 直美 中島 直美 非常勤講師 放射線治療 日本医学放射線学会放射線治療専門医
日本がん治療認定医
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外来診療日程

  • 要予約=要予約
  • 初診=初診担当医
  • 再診=再診担当医
  土(第2、4を除く)
午前 放射線治療
志賀 淑子
播磨 洋子
血管造影・IVR
米虫 敦
放射線治療
吉田 謙
中島 直美
放射線治療
志賀 淑子
播磨 洋子

放射線治療
志賀 淑子
放射線治療
吉田 謙
休診
午後 小線源治療
吉田 謙(第1・4週)
RI内用療法
宇都宮 啓太
小線源治療
吉田 謙
血管造影・IVR
米虫 敦
小線源治療
吉田 謙
播磨 洋子
血管造影・IVR
米虫 敦
小線源治療
志賀 淑子
PET
宇都宮 啓太
放射線治療
吉田 謙
血管造影・IVR
米虫 敦
休診
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お知らせ

患者のみなさんへ

初診の方も含めて、全予約制としています。

医療関係のみなさんへ

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