関西医科大学総合医療センター耳鼻咽喉科は文字通り、耳・鼻・咽喉(のど)領域の疾患を治療するとともに、頭頸部(顔面神経や口腔、耳下腺・甲状腺・副甲状腺を含めた頸部)の内科的治療、外科(手術)的治療を専門としています。
センター長 教授 朝子 幹也
現在ございません。
こうした中で最近、甲状腺疾患に対する診断・治療は大変進歩し、当院ではこれに合わせて専門性を拡充してまいりました。
1)「PET-CT」(2014年導入)により、甲状腺癌の進展・転移・再発の診断精度がより高まりました。
2)これまで制限のあった「外来通院での放射性ヨード(I-131)内用(内服)療法」を、厚生労働省の認可(2011年)に合わせ当科で開始いたしました。甲状腺癌の高危険度群(進展例)では、甲状腺全摘術やリンパ節郭清術を含めた腫瘍切除ののちこの治療を行います。(甲状腺機能亢進症のバセドウ病に対する放射性ヨード内用療法は以前から行っています)。
3)これまで甲状腺癌に有効性のある抗癌剤(化学療法)はありませんでしたが、最近になって新薬「分子標的薬」が開発され、保険で認可され、使用できるようになりました。
4)当院が総合病院であることを活かし、耳鼻咽喉科、内科(内分泌内科、腫瘍内科)、小児科、放射線科、形成外科、心臓血管外科などが連携した「甲状腺疾患のチーム医療」による診断・治療システムを構築しています。
5)甲状腺癌やその頸部リンパ節転移の有無を診断できる「術前のエコー下吸引細胞診」を以前より行っており、外来初診時に即座に行え、1週間後には結果が判明します。
甲状腺疾患を専門になさっている病院は日本でもすでに多くありますが、上記のごとく甲状腺疾患の診断法・治療法は日々進歩しており、また、甲状腺疾患患者は増加の傾向にあります。こうしたことから当院では、甲状腺外科センターを開設し、医療の充実を図りつつ甲状腺疾患の患者さんに対応してまいりたいと考えています。ご利用いただければと存じております。