様々な消化器・呼吸器疾患の患者さんに最新の内視鏡診療を提供するために設立されました。総面積は360㎡で、消化管内視鏡検査室が4室、Cアーム型透視装置を有するX線透視室、前処置室、回復室、検査状況を監視するモニター室、洗浄室などで構成されています。下部消化管検査の前処置スペースとトイレが4室、身体障がい者用にトイレを完備した個室が2室、検査後の休養のためにベッドとリクライニングチェアが各3台設置されています。内視鏡トロリー6台、内視鏡スコープ30本余り備えており、超音波内視鏡(消化器、呼吸器)、ダブルバルーン小腸内視鏡、カプセル内視鏡システムも備えています。治療方針は合同カンファレンスを行って決定しています。
これまで旧本館地下の内視鏡室で消化管・気管支内視鏡検査を行ってきましたが、新本館移転に合わせて設備と規模を拡張して内視鏡センターとして新たにスタートすることになりました。近年、内視鏡機器の進歩と相まって消化管・呼吸器疾患の診断・治療に大きな進展がみられ、内視鏡検査や治療を受けられる患者さんが年々増加しています。
当センターでは多数の経験豊かな内視鏡専門医・指導医が検査に従事しており、院内各科と連携を取りながら的確な診断と治療に取り組んでおり、患者さんに安心して検査・治療を受けていただけるように配慮した環境と設備を備えています。また、最新の高度先進内視鏡技術を導入し、迅速かつ正確な診断とより効果的で確実な非侵襲的な治療を実践します。今後当センターの設備を最大限に活用して患者さんに安全で最良の医療を提供していく所存です。
センター長 教授 島谷 昌明
現在ございません。
当施設は日本消化器内視鏡学会の指導施設に認定されており、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医を中心に安全で低侵襲な内視鏡治療を積極的に行っています。
上部消化管(食道・胃・十二指腸)疾患の診断には、高画質の経口内視鏡による検査に加えて鎮静剤投与や経鼻内視鏡検査による苦痛の少ない検査を心がけています。食道がんや胃がんのリスクの高い患者さんには、内視鏡検査時に通常光観察に加えて特殊光観察や拡大観察を行いがんの早期発見に努めています。早期の食道がんや胃がんに対しては、超音波内視鏡による深達度診断を行い、粘膜切除術や粘膜剥離術などによる低侵襲の内視鏡的切除治療を行っています。また、胃・十二指腸潰瘍や食道静脈瘤破裂などによる急性消化管出血に対しては緊急で内視鏡的止血治療が可能な体制をとっています。
下部消化管(大腸)疾患では、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)や腫瘍性疾患(ポリープ、早期がん)に対する内視鏡診断・治療を行っています。大腸ポリープや早期の大腸がんに対しても、粘膜切除術や粘膜剥離術などによる低侵襲の内視鏡的切除治療を積極的に行っています。
近年、小腸疾患においても内視鏡による観察が可能となり、小腸疾患が疑われる患者さんには外来でカプセル内視鏡検査を行っています。当施設は日本カプセル内視鏡学会の指導施設にも認定されており、経験豊富な専門医・指導医を中心に読影を行い正確な診断に努めています。小腸疾患が発見された場合にはダブルバルーン小腸内視鏡を用いた内視鏡治療(止血術や拡張術など)を行っています。
胆道・膵臓疾患では、胆管結石症、胆嚢・胆管炎、閉塞性黄疸、胆道がん、急性・慢性膵炎、膵がんに代表される胆道膵臓疾患の診断・治療にあたっています。当施設は日本胆道学会の指導施設にも認定されており、日本胆道・膵臓学会認定指導医を中心としたチーム医療で、胆管結石症に対する切石術、内視鏡的乳頭切開術・砕石術や膵胆道悪性疾患に対するステント挿入など従来の胆膵内視鏡治療から高度先進内視鏡治療まで様々な胆膵内視鏡治療を行っています。
当センターには「スパイグラスDS 胆管・膵管鏡システム」や「ダブルバルーン内視鏡」などの最新鋭の内視鏡機器が整備されています。膵管・胆管鏡による結石治療や胆管の観察治療・がんの質的診断・進展度診断などを積極的に行っています。特にダブルバルーン内視鏡を用いた胆膵内視鏡治療は、従来の内視鏡では困難とされていた胃がんや膵臓がんなどの術後症例に対する非侵襲的な新規内視鏡治療であり、当大学は本治療法を開発し全国に先駆けて行い、高い成功率を誇っており、近畿圏内のみならず全国から多数の患者さんをご紹介頂いています。
・苦痛の少ない検査をうけていただくために、鼻からの上部内視鏡検査や鎮静剤を使用した上部・下部消化管内視鏡検査を行っております。希望のある患者さんは検査予約の際に担当医にご相談下さい。
・胃がんや膵臓がんなどの術後症例に対する非侵襲的な新規内視鏡治療をご希望の患者さんがおられましたら、お気軽に当センターまでご相談下さい。
・島谷昌明教授が国民のための名医ランキング(2021〜2023年版)に選ばれました。
・上部消化管、小腸、下部消化管、胆膵、呼吸器の各領域に経験豊かな医師が内視鏡検査に従事しております。開業されている先生方および病院の先生方からの様々なご依頼に対してまして、速やかに内視鏡検査・治療を行い、結果を報告させていただきます。
・胆膵内視鏡治療(特に術後症例など)に苦渋されている患者さんがおられましたら、速やかに対応いたしますので地域医療連携部までお問い合わせ下さい。