網膜硝子体センターは眼科を中心とした関連各科と連携し、最新の治療をより安全に受けていただくよう平成27年3月に発足しました。
硝子体手術機器としては、国際的にも高い評価を得ている最新の手術装置を2台導入しました。また糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症、網膜裂孔の治療としてレーザー治療がありますが、短時間の治療時間で痛みがない最新のレーザー機器を導入し、患者さまの負担軽減に努力しております。最近件数が増えている硝子体注射でもより多くの患者さまにできるだけ早く治療できるように、注射専用ベッドを確保いたしました。
また診断機器もすでに最新のものが揃っていますが、さらに次世代の高侵達光干渉断層計(OCT)を導入し、より低侵襲で正確な診断ができるように体制を整えています。
これからも安心で満足いただける医療を提供できるよう、職員一同努力してまいります。
網膜硝子体疾患の治療は近年めざましい進歩を遂げています。難治性の増殖糖尿病網膜症や重症の網膜剥離といったこれまで治療が困難であった症例も手術機器や手術顕微鏡の進歩で治療が可能となりました。また加齢黄斑変性や網膜静脈閉塞症など従来は視力回復が困難であった疾患も特殊な薬物を眼内に投与することで、早期発見できれば視力回復が可能な時代になってきました。当院ではいち早くこれらの最新の治療を導入し、数多くの実績をあげてきました。
センター長 教授 西村 哲哉
現在ございません。
網膜とは、眼球の一番後ろにあり実際に映像を映し出しているところです。現在の医学では代替となる人工物がなく、万が一病気を発症したら治療は非常に困難です。硝子体とは網膜に接してその前方に存在するゼリー状の透明組織で、加齢に伴い変性し、硝子体と網膜との癒着がある場合は網膜を牽引して重篤な疾患を引き起こす場合があります。また網膜の後方に存在し、網膜に酸素や栄養分を補給する脈絡膜という血管でできた組織がありますが、網膜・硝子体に脈絡膜が原因の疾患を含めて網膜硝子体疾患と呼ぶことが多いです。
近年急速に増加している滲出型加齢黄斑変性は脈絡膜から生えた新生血管と呼ばれる異常な血管が網膜に侵入する病気で、光線力学的療法(PDT)という特殊なレーザーや、抗VEGF薬と呼ばれる特殊な薬剤を硝子体に注射する治療法がでてきました。またこの治療薬は糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症でおきる黄斑部(網膜の中心部)の浮腫に対して、血管からの水漏れを止める効果があることが証明され、幅広い網膜疾患で次々と認可されています。ただ現在のところ注射は長期間の継続が必要で、外来通院を続けていただく必要があります。
当科では外来の待ち時間短縮のため、手術などの治療が終わった患者さんや、病状が落ち着いた患者さんには、できるだけ元のかかりつけ医に戻っていただくようにしております。その際には詳しい紹介状を作製しますし、必要があればまた当科を受診することも可能ですので、御協力よろしくお願い致します。
当科では手術などの治療が終わった患者さんは、できるだけ早くかかりつけ医に戻っていただくようにしております。それによって外来の待ち時間を短縮し、初診患者さんが受診しやすいように配慮しております。